堀江 勇介
コンサルタント
はじめまして、住宅ローン事業部でコンサルタントを務めている堀江と申します。
私はMFSに入社するまで、地元の地方銀行で7年間働いていました。 私がなぜ銀行を退職しMFSに入社したのかを書いてきたいと思います。
私の祖父は地元の小さな町工場で働いていました。 堅気な職人が集まる中、経理という裏方的な立ち位置から営業までこなし、零細町工場が一部上場企業になる過程を支えてきた影役者でもありました。
もちろん、上場まで一直線ではなく、特に経理・財務の面では経営的に厳しい時期もあったものの、そこに助け舟を出したのが銀行であったことを祖父の葬式の時に親戚から聞きました。 祖父も「当時の銀行担当者には本当にお世話になった」、と常々話していたそうです。 この話を聞いたのは中学生の時でしたが、その時から金融分野への興味が湧いてきたのを覚えています。
高校卒業後には都内の大学に進学したものの、「地元の金融機関で働きたい」という思いから、就活では地元で一番大きな銀行を第一候補に活動し、無事に内定をいただくことができました。 地元に戻るという決断もやはり、祖父の話を聞いて地元の金融機関での仕事に憧れを持っていたからでした。
入行後は営業店に配属され、ひととおりの事務を習得した後、住宅ローンをはじめとする個人営業に従事しました。 個人ローン商品や資産運用商品など様々な営業を行う中では、自分では納得できないものの、銀行全体や支店の方針もあり仕方なくお客様に薦めた商品もありました。
そんな中でも特に住宅ローンの借り換え営業に関しては、「お客様の経済的負担を軽減することができる=人の役に立てる」ことを実感でき、納得できる仕事ができていました。 お客様から「返済が楽になった、ありがとう」「浮いたお金で、新しく投資を始めてみようと思う」などお声がけをいただいたことや、クロスセルの甲斐もありあらゆる銀行取引を他行から移していただけたこともありました。 住宅ローンの営業については、ひとつひとつの案件にやりがいがありました。
やりがいのある仕事のなかにも、悩みはありました。それは、金融機関はトップダウンの文化が強く、私が所属していた支店も若手ほど裁量が乏しい職場だった点です。 自分の考えを発言することができず、上から一方的に示された目標に向かってひたすら走る仕事の仕方に疑問を感じていた中、4年目には自ら希望して市場部門の部署へ異動することにしました。
なぜ市場部門だったのかと言うと、大学時代にコーポレートファイナンスを学んでいた経験から関心があったからと、何よりも大きな理由は、金融マーケットは投資家たちの各々の相場観(予想)によって成り立つ世界であって、若手であっても主体性をもって仕事に挑戦できる環境なのではと、自分なりに考えたからでした。
市場運用部では、フロントオフィス人員として国内外の債券や株式の売買、外貨調達など、幅広い取引を経験しました。
数値目標が個人ではなく部署全体に設定されていることもあって、若手であっても中長期の運用方針に対する提言やトレードアイデアが求められました。 部署への貢献度で評価される競争環境の中で、リテール営業とは異なる金融の世界を体験することができました。
その他にも、営業店時代には基本的に銀行本部の定めたルールに従って進めていた仕事が、本部部署では仕事のルールや仕組みを構築する立場に回ることができるなど新しい環境がありました。 たとえ大胆なことはできなくても、自分なりの考えや工夫が実務に反映されたり、業務改善できることにささやかな喜びを感じていました。
市場部門での仕事は充実していたものの、銀行を離れたほうがいいのではと葛藤することが多々ありました。理由は3つありました。
一つ目は、銀行ではどうしてもトップダウンによる厳格な規律があることです。 市場部門でもその文化は浸透しており、結局は自分の裁量で実現可能なことはごく限られている現実がありました。 経営陣と距離の近い本部にいたからこそ、営業店時代よりもより明確に「変えられない体制・文化」を感じる機会も多くなりました。 もちろん長い歴史のある立派な企業であるからこそ、教育や研修などの社内制度はしっかりしており、お客様からの信頼が厚い面があります。 ただ、ここにいても自分の意思が仕事に反映されるまでは相当の時間がかかってしまう、自分がやりたいと思ったことを実現できる環境ではない、と強く感じるようになりました。
二つ目は、テクノロジーの台頭です。 金融マーケットで仕事をしていると、国内外の金利や株価の動き、世界の政治・経済などのニュースを常にウォッチし、マーケット動向を把握しなければいけません。 情報を張り巡らせて投資を進める業務の中では、世の中の動きがリアルタイムで入ってきます。そうすると、世界がテクノロジーの力で急速に変化していることが実感されます。 AIやIoT、ブロックチェーンなどの先端技術が産業構造のみならず社会全体をも変えとする中、自分が所属する銀行はそれとは対称的に旧態依然の体制のまま、新しいテクノロジーに対する受容に乏しい状況でした。 世の中がテクノロジーによってかつてないスピードで変化する中で、取り残されていくことに対する焦りがありました。
三つ目は、よりユーザーサイドに立った商品を提供したいという気持ちです。 銀行には住宅ローンや投資信託など多様な商品がありますが、内容が画一的な商品が多く、お客様個人仕様にカスタマイズすることは難しい状況でした。 また、今はどの銀行もアプリ開発などのデジタル化を積極的に進めてはいますが、自社のサービス設計がユーザー目線からかけ離れたものであるとも感じていました。 個人個人のライフプランや悩みに寄り添えるカスタマイズ性の高いサービスを世に提供していきたいという想いもありました。
転職を視野に入れてきた時に見ていた転職サイトで、たまたま目に入ったのがMFSでした。MFSに魅力を感じ、入社のポイントになったのは下記でした。
大きな組織でしか働いたことのない私にとって、「自分の考えを純粋に発信できる環境」は、今回の転職を通して是非とも実現したいことでした。トップダウンの組織が向いているのか、ボトムアップの組織が向いているのかは、両方を経験してみないことにはわかりません。MFSでは、面接の際から経営陣と意見交換のようなコミュニケーションが取れたことから、自分の考えを発信したり議論したりしやすい環境なのだろうと感じました。
入社した後も経営陣に意見を言い出せる環境にあり、ビジネスモデルのブラッシュアップやオペレーションの構築に自分が携わっていることを強く実感できます。
「自分の意見を言う」ということは目的・目標に対する自分なりのロジックを持ち、その行動責任を背負うということでもあります。 自らの考えの発信を通して主体的に仕事に取り組むことができ、成長材料に溢れた環境だと感じています。
<毎週行われるミーティングでは、直接CEOに意見が言えます>
転職は考えていたものの、自分が中学生の頃から憧れていた金融の世界から離れるつもりはありませんでした。 銀行にいる中で「フィンテック」の台頭を感じていたので、テクノロジーを活用して新しい金融サービスを生み出すベンチャー企業に興味がありました。
MFSは、住宅ローンという旧態依然な金融商品の仕組みをテクノロジーの力で変えようとしています。 銀行からの利益誘導を受けない、中立な立場だからこそ提供できる「消費者に寄り添った住宅ローンコンサルティングサービス」を広めていくことは、社会的意義も大きいと思えました。 ここでフィンテックという業界に足を踏み入れることは、今後の自分にとって大きな経験になるとも考えました。
銀行にいるとどうしても「新卒からずっと生え抜きで銀行員」や「金融機関で勤めた経験がある人」という人ばかりになってしまいます。 MFSでは様々なバックグラウンドの人が交わり合い、共同でサービスを生み出す環境で、視野を広げられると思いました。
実際に、現在私はお客様に対する住宅ローンのコンサルタントという立場で仕事をしていますが、「このページのこの文言はお客様にとってわかりにくいのではないか」「このクリックボタンの後には、このページがあったほうがお客様は理解しやすいのではないか」など、コンサルタントの域を超えてデザイナーやエンジニアと構成について話をすることもあります。 これも銀行員時代にはできなかった、新しい経験の一つです。
<BBQや旅行など、部署を超えたイベントも毎年開催されます>
「自分をもっと成長させたい」「大きな組織ではなかなか得られない自分の裁量で働いてみたい」と思っている方は、大きな糧を得ることができると思います。 もちろん何から何まで自分でやらなければいけなかったり、大企業のように整理がされていない環境で並行しながら事業を進めていったりする苦労はあります。 でも、大きな組織では経験できない濃度で成長ができると私自身実感しています。
もしお近くまでお越しの際には気軽にオフィスに遊びにきてください。切磋琢磨しあえる関係の方に出会えれば嬉しいです。