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アイテム番号: SCP-1163-JP
オブジェクトクラス: Keter Nagi1
特別収容プロトコル: SCP-1163-JPは現在Nagiクラス分類されています。分類以前の特別収容プロトコルはこちらを参照ください。
説明: SCP-1163-JPは後述の異常性を有する特定条件を満たした際に出現する人型実体です。SCP-1163-JPが出現するには、以下の条件を一つ以上満たす必要があります。
- ランダムで選出された人物(以下、対象)が就寝している
- 対象が夜間から明け方2に寝具上に存在している
以上の条件を満たした際に、ランダムな確率でSCP-1163-JPが出現します。SCP-1163-JPは出現時にバイブレーション音を発していることが判明しており、SCP-1163-JPの発するバイブレーション音を対象人物が聴いた場合、対象人物は死亡します。対象人物の死因は検死の結果、心筋梗塞である事が判明しています。この際、対象人物以外がバイブレーション音を聴いた際には心筋梗塞は発生しません。また、対象人物以外にバイブレーション音を聴かせた結果、一貫して「携帯電話のアラーム音に酷似している」という意見が得られています。
SCP-1163-JPは、2019/08/03に、██県██市にて大多数の一般住民が夜間に心筋梗塞にて死亡したことをきっかけとした調査の結果、発見されました。発見後、当該事案は即座にカバーストーリーを流布したことにより沈静化されました。以下は発見当時、SCP-1163-JPに対して行われたインタビュー記録です。
音声記録-1163-JP-1
2019/08/03
[記録開始]
白波博士: では、インタビューを開始します。
SCP-1163-JP: 分かりました。
白波博士: あなたの名前を教えていただけませんか?
SCP-1163-JP: 私に名前などありませんよ。強いて言うなら、寝坊を防ぐ人、ですかね。
白波博士: 分かりました。では、あなたの目的は何か教えていただけませんか?
SCP-1163-JP: 私の目的、ですか。私の目的は寝坊しそうな人を起こしてあげる事です。バイブレーション音はあえてその為に人々が聞き慣れた携帯電話のアラーム音にチューニングしているんです。
白波博士: なるほど、そうですか。ですが、何故そんな事をしているのですか?
SCP-1163-JP: 私自身が、寝坊して大事な用事に遅れた人々の意識の集合体だからです。だって、寝坊しただけで人生が大きく狂ってしまった人を多く見てきましたから。少しでもそのような人物が減ってほしいんです。
白波博士: なるほど。そうですか。ですが、あなたのバイブレーション音を聴いた多くの人物は心筋梗塞によって死亡しています。これは、人生を狂わせてる事にはならないのですか?
SCP-1163-JP: はい?死亡しているなんて嘘は止めてください。人生を狂わせない為に私は存在しているのですよ。
白波博士: いえ、確実に死亡しています。これは嘘ではありません。
SCP-1163-JP: [不明瞭な呟き]嘘だ、だったら、なんで私は、[不明瞭な発言]
白波博士: どうしましたか?SCP-1163-JP?
SCP-1163-JP: 私って、邪魔だったんですね。
[SCP-1163-JPが消失する。]
[記録終了]
終了報告書: 本インタビュー以降、SCP-1163-JPの出現は確認されませんでした。この事から、SCP-1163-JPのオブジェクトクラスがNagiに変更されました。
