言葉足らずなんでしょう。あえてポピュラー音楽の文脈で説明してみたいと思います。
本当は旋律的短音階のIIm(6)ってことが言いたいんでしょうね。viが♮する(=長6度になる)でしょう。これのルートが半音下になるとコードシンボルの形で表すと♭II+(7)の形になります。
IIm6の長6度が半音開くことになるので本来は短7度でなく増6度なのですが、その意味合いで「増六の和音」とも呼ばれます。
同様の♭vi→♮viの臨時的な変化でメインのサブドミナントの方もIVm(7)でなくてIV(7)になりますよね。それがいわゆるドリアの6(♭viが♮viになる=6度が長6度に置き換わる)ってやつでしたっけ。
「本来短調のii度上の和音は」みたいな言い方になってるから変なことになってますが、viの臨時の♮とiiの♭が共存した結果としてそういう和音が生まれるってことなんでしょう。
もちろんviの臨時♮が伴わずviが♭のまま(=短6度のまま)の形、ようするに♭II(7)の形も使われます。
ひっくるめて「ナポリ諸和音」みたいな言い方をされるんじゃないかと思います。知らんけど。
そういう出所とは関係なく、ポピュラーのchord &scaleの話だと大抵オルタード(viが♮の場合)かコンディミ(viが♭のままの場合)の対応で説明されますね。いわゆる裏コードってやつで。
原型がIIm7で♭II+△7の形で使う場合はLydian♯5、原型がIIø7で♭II△7の形で使う場合はLydianですが、こっちの場合だとフリギア(フリジアンモード)の文脈で語られることが多いですね。
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補足としてスケールの構成音をディグリー表記で書いて、試しにそれでコードの構成音と音階の構成音で比較してみますね。
これが自然短音階
i ii ♭iii iv v ♭vi ♭vii
これが旋律的短音階
i ii ♭iii iv v ♮vi ♮vii
自然短音階でのii上の和音IIø7→ii iv ♭vi i
旋律的短音階でのii上の和音IIm7→ii iv ♮vi i
旋律的短音階でのii上の和音IIm6(※)→ii iv ♮vi ♮vii
あと本回答にはないですが一応これも付け足して
和声的短音階のii上の和音IIo7→ii iv ♭vi ♮vii
これらのルートiiをそれぞれ臨時に♭したもの
(1)♭ii iv ♭vi i → ♭II△7
(2)♭ii iv ♭vi i → ♭II+△7
(3)♭ii iv ♮vi vii → ♭II+7 (厳密には7は増6度)
(4)♭ii iv ♭vi vii → ♭II7 (厳密には7は増6度)
下2つは増6の和音と呼ばれるやつですね。
下行導音♭iiと導音viiが主音に対する強い傾性を同時に持ってる、だのと説明されることがあります。
で、chord &scale(chord scale)の観点でいくと
(1)♭II△7→♭IIリディアン
♭ii (♭iii) iv (v) ♭vi (♭vii) i
臨時で♮9のテンションとなるように変位します。ブルースとかならこのテンションが使われます。
(2)♭II+△7→♭IIリディアン♯5
♭ii (♭iii) iv (v) ♮vi (♭vii) i
♮9に関しては(1)と同じです。
これらの和音でナチュラルのままの♯9[♮iii]がテンションとしてコードの構成音に使われることはあんまりないですので、特にブルースフィーリングがある場合においては、実質的にこれらのスケールが対応することが多いです。
もちろん半音的なアプローチトーンとしてならば♮iiiが使われることもあるでしょう。その場合、近代音楽の響き、あるいは中近東(アラビア音楽)の響きがする、とよく表現されます。
(3)♭II+7→♭IIオルタード
♭ii (♮ii≒♭♭iii) (♮iii) iv (v) ♮vi vii
(4)♭II7→♭IIコンディミ
♭ii (♮ii) (♮iii) iv (v) ♭vi (♭vii) ♭i≒vii
(3)や(4)は実質的に♮ii≒♭♭iiiが欠けてるスケールに なりますが、♭9のテンションとして使われることはあり得ないわけではないです。
♮iiiは♯9のテンションとして使われます。
♭iiをベースに、下から[iv, (♮/♭vi), vii, iii]のヴォイシングで使うことが多いですかね。
ポピュラー音楽では(1)〜(4)のコードを使うんですが、本来ナポリの6と呼ばれうるのはこのうち(3)のトライアドですね。
増6度[vii]を付加すると(3)そのものになり、これが増6度の和音と呼ばれうるものになります。
増6度の和音は本来はV(ドミナント)を仮のトニック(属調のi)とした場合の♭II7、ディグリーを書き直すとVの半音上なので♭VI7または♭VI+7として使われることが多いです。繰り返しになりますが7度は厳密にはvの導音♯ivなので増6度ですね。
ポピュラー理論的に言えばダブルドミナントの裏コードです。