自衛官・警察官にワクチン接種 大規模会場予約67%空き

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浅川直輝さん他2名の投稿浅川直輝岩間陽子鈴木亘
大規模接種センターでの自衛官や警察官らへの接種が始まり、「危機管理要員専用」の列に並ぶ人たち(14日、東京・大手町)=共同

防衛省は14日、国が運営する新型コロナウイルスワクチンの大規模接種センターで自衛官や警察官らへの接種を始めると発表した。65歳以上の高齢者を対象にした予約に空きがあり、接種能力を有効活用する。災害などの危機対応に備え、関係する公務員への接種を進める。

緊急時の対処を担う自衛隊、警察、消防、海上保安庁の職員が対象になる。14日の午後から東京会場に1650人分ほど余裕があり、防衛省が関係省庁に接種する職員の選定を呼びかけている。

15日以降も予約に空きがある場合、災害対応の公務員に順次接種する。大阪会場は16日までは65歳以上の予約で埋まっている。17日以降、空きがあれば大阪でも始める。

自衛隊では関東地方の駐屯地や基地に勤務し、災害派遣に従事する可能性のある自衛官らを対象にする。

大規模接種センターは全国の65歳以上を対象に27日接種分までの予約を受け付けている。14日午前10時時点で15~27日分は東京会場で9万4千人、大阪会場で3万7千人の空きがある。合計で67%が埋まっていない。

大規模接種センターでの接種は14日から、全国が対象になった。13日までは首都圏と関西の7都府県に限定していた。予約枠が大量に残り、居住地域の制限を外した。

茨城県に住む男性(74)は14日午前、東京会場を訪れ、接種を終えた。持病があり、地元での接種を希望していたが、予約枠がすぐに埋まり、現在空いている枠は7月以降だけだった。

奈良市から都内に単身赴任中の男性会社員(65)は住民票のある奈良から接種券を家族に送ってもらい予約した。男性は「早くワクチンを打ちたかったので、予約できるようになってよかった。会場内はガラガラだった」と語った。

※掲載される投稿は投稿者個人の見解であり、日本経済新聞社の見解ではありません。

  • 浅川直輝のアバター
    浅川直輝日経BP 「日経コンピュータ」編集長
    別の視点

    大規模接種センターが自治体の接種券保有者のみを対象にしている理由の1つは、現状では予約システムが自治体コード+接種券番号の入力を前提にしているからだろう。 接種券を持たない人でも予約を取れるようにするには、一意のカード番号を持つ他の身分証明書(例:運転免許証)でも予約を取れるようにするか、あるいはマイナンバーカードの電子証明書機能を使い、マイナカード専用の自治体コード(他の自治体コードと重複のないコード)+一意の接種券番号を振り出すようにする方法があり得る。 今後の接種券の発行状況にもよるが、多くの自治体で1カ月以上遅れるようなら検討に値するだろう。

    (更新)
  • 岩間陽子のアバター
    岩間陽子政策研究大学院大学 政策研究科 教授
    別の視点

    高齢者は都心まで出かけるのを負担に感じる方が多いようです。千葉、神奈川、埼玉にも状況に応じて大規模接種会場を設けるのが一案。同時に、より若い層でも空きがあれば東京会場で接種を受けられるよう、柔軟な運用を考えて頂きたいと思います。オリンピック前に可能な限り首都圏の接種が進むことが、安全・安心な大会開催に不可欠です。デジタル接種券の発行など、多少のバグが出ても、この際いろいろ試してみてはどうでしょうか。

    (更新)

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