死亡の5歳児、確認せず欠席扱い 保護者への連絡は保育士の判断任せ

 福岡県中間市の私立双葉保育園に通う男児(5)が送迎バス内に取り残され熱中症で死亡した事故で、担任の保育士は、欠席者の名前を書き記す園内のホワイトボードに男児の名前がないのを知りながら、他の職員や保護者とも連絡を取らずに欠席扱いしていたことが3日、関係者への取材で分かった。県警などは、出欠確認が不十分だった可能性があるとみて詳しく調べている。

 関係者によると、保護者は電話かスマートフォンのアプリで欠席を連絡。園はパソコン上で欠席者の名前を閲覧でき、名前をホワイトボードにも書き写していた。職員間の無料通信アプリLINE(ライン)で共有していた。

 事故当日の7月29日、担任はホワイトボードやラインを見ていたが、倉掛冬生(とうま)ちゃん=同市=の姿が教室になかったため、欠席と思い込んだという。午前10時ごろ、給食の数を確定させる必要があり、在園児を把握して欠席者の保護者に連絡する職員もいたが、確認するかどうかは各自の判断に任され、この担任はしていなかった。

 また、園長は約1年半前から1人で送迎バスを運行していたことも判明。園の代理人弁護士によると、在園児は約140人で、バス利用者は約30人、大半は保護者が送迎していた。園での出迎えに人手がかかるため、2台ある送迎バスのうち1台は、園長1人で運行するのが常態化していた。

 県と市は今月2日に特別監査を行い、保育士23人を含む事務職員など約40人から送迎時の態勢や出欠の確認について聞き取りをした。 (菊地俊哉、古川大二)

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