コード進行とカデンツの意味の違いって何ですか?

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質問者さんは列車と車両の違いはわかりますか?列車は車両の集合体ですが、車両という言葉自体は、列車として繋がれているアレではない自動車やバイクなんかも指します。 そういうよくある「言葉の指し示す範囲の違い」がコード進行とカデンツにもあると思ってください。 コード進行ってのは「あるコードからもうひとつの異なるコードにかけての変化」です。言い方をかえれば、2つ(以上)のコードが時間的な前後関係をもって演奏されたとき、その前後の切り替わりのことをコード進行と呼びます。 ドイツ語のカデンツkadenz(英語のケーデンスcadenceは言語が異なるだけの同義語)は、「コード進行」の意味でいう場合には、「一区切りと感じさせる複数のコード進行の単位」を言います。 英語でharmonic cadenceって言ったりします。 音楽的な意味での原義は「韻律」、すなわち声や音の抑揚のことをいいます。 祈祷、呪詛や詩文などに抑揚をつけて唱えるタイプの原始的な音楽(日本でいうところの詩吟や和歌)が歌モノ楽曲(歌唱曲)の由来でした。 そのセリフの一区切り(フレーズ)、ってのがハーモニーへと拡大解釈された結果として、コード進行の一区切りを意味するようになりました。 コード進行において「一区切りと感じさせる」要素ってのが、音階の音程構造が要因となって、典型的には、主音から3度の積み重ねによって得られるコード(主和音)によって実現されます。 世の中の多くの楽曲が、その「区切りの状態」をうまく利用して、区切りから区切りまでの間にフレーズを組み込んでます。 というわけで、ケーデンスの在処をみつけること自体は簡単です。慣れればね。 質問者さんが好きな楽曲にはどんな区切りを感じ取れますか? 実はコード進行という言葉が指し示す範囲と、カデンツという言葉が指し示す範囲には、重なるところと重ならない部分があります。 重なるところってのがharmonic cadence(コード進行の区切りを意味するケーデンス)なのですが、これは古典的な音楽の理論でよく説明されてるヤツですね。 一応、トニックからトニックまでのコード進行の1単位をケーデンスといいます。 もちろん「はっきりした区切りを感じ取れない」って印象を与えるのも音楽表現のひとつの形ですので当たり前の話ですが、現実の楽曲、特にロマン派音楽以降の大衆志向の楽曲ではハッキリした区切りを必ずしも感じられるとは限りません。 重ならない例があって、分かりやすい例を楽曲で挙げるとJames BrownのSex machineですね。 (ほぼ)ワンコードなのでコード進行的な意味でのケーデンスはありません。語弊はありますが。 rhythmic cadenceと呼ばれる、コード進行へ拡大解釈される以前からある、原始的な意味のケーデンスはあります。 ちなみに日本語の訳語としては終止形と終止って2つの言葉がありますが、「終止形」はコード進行のカデンツ(harmonic cadence)の形態分類のことを意味します。たとえば「プラガル終止」という「終止形」はharmonic cadenceの1形態ですね。 「カデンツ」「カデンツァ」「ケーデンス」自体は本来はもっと意味の広い言葉です。 --- おとうさんの回答にはご注意下さい。完全な間違いというわけではないですが… >2→5(ツーファイブ)はコード進行の代表的なパターンの一つですが、カデンツではありません。 カデンツの形成のためにツーファイヴワンは使われます。その際の形態分類は英語で言うとauthentic cadence(完全終止)です。ドイツ語だとauthentischer schlussとか言うらしいです。 ただし、ツーファイヴはカデンツとカデンツを接続するコード進行、あるいはカデンツ内部のコード進行に装飾的効果を与える場合に使われることがあるので、必ずしもツーファイヴ自体がカデンツになりうる状況がない、ということがあって、その側面だけでいくとおとうさんの言うことは間違いではないです。 --- おとうさんが不思議な自分へのツッコミをしてます。 何に対する反論なのか不思議なもんで、なぜかauthentic cadenceとperfect cadenceを話に出してきましたね。 authentic cadenceという語が指し示す範囲と、perfect cadenceという語が指し示す範囲には注意すべきです。 質問の本旨とは異なる話なので、そのあたりはまた機会があれば。 ともかく、 >第1楽章は、コードで書くと、 「C7→F、G7→Am、D7→G~G7→C」と進行していきます。 この「C7→F」「G7→Am」とも FとAmで区切りが付けられていますが、これらを「トニックから始まらないからケーデンスと言わない」のか。いや、言いますよね。 最初からその話をすりゃいいのに、「終止形」すなわち、なんとかschluss(シュルス)、harmonic cadenceの形態分類の話をするから話がおかしくなるんですよね。 私の回答で述べてある通り、カデンツそしてケーデンスは、本来、コード進行として形態分類できるもの以外の広い範囲の意味を指します。 そんでもってカデンツにはいわゆる「コード進行」ですらないものも含みます。 それが回答の本旨です。 --- おとうさんの補足に対して: >2→5(ツーファイブ)はコード進行の代表的なパターンの一つですが、カデンツではありません。 質問者さんには、そもそも、もともとあったこのおとうさんに記述に対する指摘ってことは伝え置いておきます。語弊があるのは明らかで、指摘しないで置しておくかどうかは迷いましたが、どうにも迷惑がられてるみたいです。 「ツーファイヴ」のみによるケーデンスがあったとします。これは当然ながら、おとうさんが自身の回答で述べられている半終止(half cadence)に分類されます。 めちゃめちゃ厳密な言い方をするなら、「半終止として分類可能なコード進行の一種」ってことですね。 もちろんツーファイブワンの場合だと、いわゆる「保続低音(ベースペダル)」でベース(最低音)がvかiのまま続いてる状況で、perfect cadence(ベースがルート)でなくとも、クラシックの音楽理論ではauthentic cadenceに分類できることにはなってます。一応ね。 IIm(7)/V→V(7)→I(△7)/V IIm(7)/I→V(7)/I→I(△7) これらは完全終止(perfect cadence)とは絶対に分類されません。 ポピュラー音楽理論においてペダルのツーファイブワンがちゃんとツーファイブワンとして分類されるかってのが実は微妙なところですが、ジャズの技法としてペダルのツーファイブワンが紹介されることはたまにあります。 それを含めた話ということで、「ベースがルートであること(ペダルや転回型ではないこと)」かつ「VからIへの進行であること」を要件とする完全終止(perfect cadence)でなく、それに加えてペダルや転回型によるもの(不完全終止)も含めることができる全終止(authentic cadence)という言い方をしました。 ようするに、「全終止(authentic cadence)の分類として完全終止(perfect cadence)が含まれる」わけですが、このこと自体は解釈の違いが生まれる余地はありません。 「ライオンやチーターを含むネコ科の動物」と「ネコ」と同じような意味範囲の違いがあるものなので、その意味で注意を呼びかけてます。 最初の指摘でauthentic cadenceという言い方をしたのはそういう意図があってのことなので、わざわざperfect cadenceを持ち出す意味はないだろう、と再度の指摘に至ったわけです。 その時は不思議だったんですが、「ツーファイブワン」が必ずperfect cadenceに分類されていることになってるなら、私の一人相撲ってことで許します。そうでないならおとうさんの一人相撲ですね。はっけよい。 ともかく質問者さんやこのやりとりを読む人たちが誤解なく理解できれば私は決まり手にこだわりません。 ちなみに、よく全終止(authentic cadence)に誤って引き合いに出されてしまう日本特有のポピュラー音楽理論の用語として「ドミナントモーション」というコード進行の種別がありますが、これらの語が指し示す範囲の広さは厳密に異なります。引き合いに出していいと言えるのはperfect cadenceの方ですね。 クラシックの音楽理論の用語の定義範囲を、ポピュラーの音楽理論のそれと比較するってのは本旨とはそこまで関係がないのでまたの機会に。 ともかく、原義に照らして、「一区切りであるという印象が与えられてあること」がまずあります。 それをコード進行としてはどのように分類されるか(どのようなharmonic cadenceとして分類されるか)、っていう拡大的な解釈で、ようやくカデンツとコード進行との共通部分(コード進行のカデンツ)が生まれてくる、ってのが本回答の本旨です。 その上で、典型的(古典的)にはトニックによって"はっきりした"ケーデンスが実現される、ということです。本回答を補足する形でいうと、音楽表現の目的によっては「トニック以外のコード進行によって作られる」という意味で"はっきりしない"ケーデンスもあります。 このあたりの言い方ってのはなかなか難しく、だから、トニックによる区切りばかりがケーデンスじゃない、というようなツッコミがあって良かったですね。ご指摘ありがとうございます。 ともかく、「ツーファイブであるならば必ずしもharmonic cadenceから除外されるわけではない」という旨の補足を最初にしたわけです。 指摘した方がいいと思ったので指摘しましたが、指摘の仕方に問題があったことにはお詫びしておきます。 こういう「音楽理論」でなくて「音楽理論理論」みたいな話に人を巻き込むのは気が引けますね。 重要なのは作曲に活かせるか、実際に曲がどのように作られているかどうかです。 質問者さんはご自身が聴いてわかるカデンツが、どのようなコード進行でできているかを分析してみてください。 なかにはツーファイブでできてるケーデンスも見つかるでしょう。

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コード進行の中でも、基本コード三種の行き方の代表がカデンツです。 基本の基本ということです。 最近、王道進行などと言う単語が増えていて、知らない人はそっちが基本かと思ってしまうようで、困ったもんですね。

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カデンツ=終止形とだけ覚えるのなら、カデンツという単語を覚える意味が無いです。 カデンツの解説では、大抵Ⅰから始まってることにも、大きな意味があります。 コード進行の一番の基本と覚えるほうが合理的です。