特養運営の社福法人理事長を書類送検へ 入居者4人介護せず遺棄疑い
特別養護老人ホーム「銀の郷」(岐阜県羽島郡笠松町美笠通)で介護を放棄するネグレクトを受けたとして、入居者の遺族が老人ホームを運営する社会福祉法人「徳雲会」(同町)の理事長で当時施設の責任者を務めていた60代の女性を刑事告訴した問題で、県警が近く、理事長を保護責任者遺棄容疑で書類送検する方針を固めたことが3日、捜査関係者らへの取材で分かった。
書類送検容疑は昨年5月、食事や入浴、寝返りなどが自力でできない入居者の男女4人に対し、必要な食事を与えず、入浴や着替えといった介助を十分に行わないなどして遺棄した疑い。
告訴状によると、給料の未払いなどが原因で、介護職ら27人のうち26人が一斉に退職したために、入居者4人に必要な介助が行えなかったという。4人は昨年5月末から7月初めの間に死亡している。
入居者の遺族は昨年11月、保護責任者遺棄の容疑で理事長を刑事告訴した。同9月には、同法人と理事長に慰謝料など約4400万円の支払いを求める民事訴訟を岐阜地裁に起こしている。