今月の建設市況と今後の見通し
鉄鋼系資材は引き続き上昇、コンクリート系資材は型枠用合板が上昇
平昌ではパラリンピック競技が行われており、オリンピックからの熱気が続いています。Jリーグも開幕し、プロ野球、MLBもオープン戦が始まっていよいよペナントレースが目前に迫ってきています。春先のワクワク感がたまりません。
さて、今月の建設資材の動向ですが、先月同様、鉄鋼系は引き続き上昇基調です。グラフをご覧になると分かるように、2016年11月頃から右肩上がりです。鉄スクラップは先月からは下がっていますが、長いスパンでとらえると、上下しながら上昇しています。コンクリート系は、型枠用合板が上昇しています。
建築費指数は、今月も鉄骨造オフィス・RC造オフィスともに上昇基調にあります。上昇基調が衰える兆しはなく、オリンピック関連施設や首都圏の超大型プロジェクトの影響でしばらく続くものと予測されます。
資材、建築費指数の推移(鉄鋼系)
推移傾向
上昇
●建築費指数 東京 事務所 S 建築
上昇
- ●異形棒鋼16ミリ 東京
- ●山形鋼6×50ミリ 東京
- ●熱延鋼板1.6ミリ 東京
- ●H形鋼5.5×8×200×100ミリ 東京
下降
- ●鉄スクラップ H2 東京
資材、建築費指数の推移(RC系)
推移傾向
上昇
●建築費指数 東京 事務所 RC 建築
上昇
- ●普通合板Ⅱ類 4ミリ 東京
現状維持
- ●セメント バラ 東京
- ●人工軽量コンクリート 180キロ強度 東京
- ●生コンクリート 建築 180キロ強度 東京
- ●PHCくい 300ミリ×8メートル 東京
- ●コンクリートパイル 東京
次に、都市間における建築費の差を、東京を100とした都市間格差指数によりお示しします。今月はRC造の集合住宅、病院、学校をピックアップしました。いずれの用途においても、東京が一番高く、第二グループとして「札幌、仙台、大阪、広島、名古屋、福岡」、低いのは「金沢、新潟、高松」の3都市となっており、3ヵ月前よりも東京との差が広がっている都市が多く、なかでも仙台が顕著ですが、大阪は若干ですが差を縮めています。
RC造 集合住宅の建築費都市間格差指数の推移
- 東京
- 名古屋
- 大阪
- 広島
- 高松
- 福岡
- 金沢
- 新潟
- 仙台
- 札幌
指数比較(今月)
- 金沢、新潟、高松 < 仙台、大阪、広島、名古屋、福岡、札幌 < 東京
RC造 病院の建築費都市間格差指数の推移
- 東京
- 名古屋
- 大阪
- 広島
- 高松
- 福岡
- 金沢
- 新潟
- 仙台
- 札幌
指数比較(今月)
- 金沢、新潟、高松 < 仙台、大阪、広島、名古屋、福岡、札幌 < 東京
RC造 学校の建築費都市間格差指数の推移
- 東京
- 名古屋
- 大阪
- 広島
- 高松
- 福岡
- 金沢
- 新潟
- 仙台
- 札幌
指数比較(今月)
- 金沢、新潟、高松 < 札幌、仙台、大阪、広島、名古屋、福岡 < 東京
株式会社山下PMC
事業管理運営本部 QCDS部 部長
日比生 慶(ひびお・けい)
1972年生まれ。99年京都大学大学院工学研究科修了。山下設計で設計業務を経験し、2005年に山下PMC入社。オフィス、商業施設、文化施設、物流施設をはじめとする多様なプロジェクトについて、全体マネジメント業務から、調査、企画、発注支援、見積査定など、個別業務まで幅広く携わる。現在は事業管理運営本部QCDS部部長として、企画段階から現場まで幅広い業務を担当。主な実績にMOA美術館リニューアル、JR海浜幕張駅リニューアル、ランドポート厚木、ほか。一級建築士、CCMJ(認定コンストラクション・マネジャー)、CFMJ(認定ファシリティマネジャー)。週末は体を動かす、子供と遊ぶのが至上の喜び。得意技は上段廻し蹴り。