今月の建設市況と今後の見通し
建設資材は鉄鋼系、RC系ともに一服、建築費指数は鉄骨造オフィス、RC造オフィスともに微増
ロシアワールドカップ、面白かったですね!日本代表の活躍もありましたし、見応えのある試合が多く、本当に楽しめた大会でした。今後の日本サッカー界の動向も期待を持って見守りたいと思いますが、一方、プロ野球界も“ZOZO球団”の話題もあり、新球団参入といった球界再編の動きが出るのか、こちらも目が離せません。
さて、今月の建設資材の動向ですが、鉄鋼系、RC系ともに先月から動きなく、一服といった状態です。鉄スクラップは下降していますが、毎月動きがあるものですので、高値での推移と捉えられます。
建築費指数は、鉄骨造オフィス、RC造オフィスともに微増しています。資材の動きが若干遅れて建築費指数に反映されることになりますので、来月以降少し落ち着いてくるものと思われます。
資材、建築費指数の推移(鉄鋼系)
推移傾向
上昇
●建築費指数 東京 事務所 S 建築
現状維持
- ●異形棒鋼16ミリ 東京
- ●山形鋼6×50ミリ 東京
- ●熱延鋼板1.6ミリ 東京
- ●H形鋼5.5×8×200×100ミリ 東京
下降
- ●鉄スクラップ H2 東京
資材、建築費指数の推移(RC系)
推移傾向
上昇
●建築費指数 東京 事務所 RC 建築
現状維持
- ●セメント バラ 東京
- ●人工軽量コンクリート 180キロ強度 東京
- ●普通合板Ⅱ類 4ミリ 東京
- ●生コンクリート 建築 180キロ強度 東京
- ●PHCくい 300ミリ×8メートル 東京
- ●コンクリートパイル 東京
次に、都市間における建築費の差を、東京を100とした都市間格差指数によりお示しします。今月は鉄骨造の工場、倉庫、物流施設をピックアップしました。この3ヵ月で仙台のみが上昇しており目を引きます。仙台以外は東京に対して格差指数が相対的に下がっていますが、工場は札幌が東京よりも若干ですが依然として高いままです。
鉄骨造 工場の建築費都市間格差指数の推移
- 東京
- 名古屋
- 大阪
- 広島
- 高松
- 福岡
- 金沢
- 新潟
- 仙台
- 札幌
指数比較(今月)
- 金沢、新潟、高松 < 仙台、大阪、広島、名古屋、福岡 < 東京、札幌
鉄骨造 倉庫の建築費都市間格差指数の推移
- 東京
- 名古屋
- 大阪
- 広島
- 高松
- 福岡
- 金沢
- 新潟
- 仙台
- 札幌
指数比較(今月)
- 金沢、新潟、高松 < 仙台、大阪、広島、名古屋、福岡 < 東京、札幌
鉄骨造 物流の建築費都市間格差指数の推移
- 東京
- 名古屋
- 大阪
- 広島
- 高松
- 福岡
- 金沢
- 新潟
- 仙台
- 札幌
指数比較(今月)
- 金沢、新潟、高松 < 札幌、仙台、大阪、広島、名古屋、福岡 < 東京
株式会社山下PMC
事業管理運営本部 QCDS部 部長
日比生 慶(ひびお・けい)
1972年生まれ。99年京都大学大学院工学研究科修了。山下設計で設計業務を経験し、2005年に山下PMC入社。オフィス、商業施設、文化施設、物流施設をはじめとする多様なプロジェクトについて、全体マネジメント業務から、調査、企画、発注支援、見積査定など、個別業務まで幅広く携わる。現在は事業管理運営本部QCDS部部長として、企画段階から現場まで幅広い業務を担当。主な実績にMOA美術館リニューアル、JR海浜幕張駅リニューアル、ランドポート厚木、ほか。一級建築士、CCMJ(認定コンストラクション・マネジャー)、CFMJ(認定ファシリティマネジャー)。週末は体を動かす、子供と遊ぶのが至上の喜び。得意技は上段廻し蹴り。