今月の建設市況と今後の見通し
「平成最後の」年始の建設市況は変わらず堅調
みなさま、年末年始はいかがお過ごしでしたでしょうか。テレビをつけると「平成最後の」という枕詞が乱れ飛んでおり、さまざまな分野で“「平成最後の」○○”が繰り広げられていました。5月に新しい元号になり、その“「新元号初の」○○”が繰り広げられ、と連綿と続いていくのですが、時代の転換点を迎えることを否が応でも感じずにはいられない年末年始でした。
さて、今月の建設資材の動向ですが、鉄鋼系は、山形鋼が上昇、鉄スクラップは下降、他は先月から横ばいですが、グラフには記載のないガス管、構造用管、大径角形鋼管が上昇しています。RC系は先月から変動なしです。
建築費指数は、鉄骨造オフィスは先月から変わらず、RC造オフィスは微増となっています。
資材、建築費指数の推移(鉄鋼系)
推移傾向
現状維持
●建築費指数 東京 事務所 S 建築
上昇
- ●山形鋼6×50ミリ 東京
現状維持
- ●異形棒鋼16ミリ 東京
- ●熱延鋼板1.6ミリ 東京
- ●H形鋼5.5×8×200×100ミリ 東京
下降
- ●鉄スクラップ H2 東京
資材、建築費指数の推移(RC系)
推移傾向
上昇
●建築費指数 東京 事務所 RC 建築
現状維持
- ●セメント バラ 東京
- ●人工軽量コンクリート 180キロ強度 東京
- ●普通合板Ⅱ類 4ミリ 東京
- ●生コンクリート 建築 180キロ強度 東京
この3ヵ月で工場では仙台、福岡、名古屋、新潟が上昇しており(東京に対する差が縮まっている)、一方、倉庫では広島、福岡、大阪が下降している(東京に対する差が広がっている)のが目に留まります。物流は、大きな動きはありません。
鉄骨造 工場の建築費都市間格差指数の推移
- 東京
- 名古屋
- 大阪
- 広島
- 高松
- 福岡
- 金沢
- 新潟
- 仙台
- 札幌
指数比較(今月)
- 金沢、新潟、高松 < 仙台、大阪、広島、名古屋、福岡 < 東京、札幌
鉄骨造 倉庫の建築費都市間格差指数の推移
- 東京
- 名古屋
- 大阪
- 広島
- 高松
- 福岡
- 金沢
- 新潟
- 仙台
- 札幌
指数比較(今月)
- 金沢、新潟、高松 < 仙台、大阪、広島、名古屋、福岡 < 東京、札幌
鉄骨造 物流の建築費都市間格差指数の推移
- 東京
- 名古屋
- 大阪
- 広島
- 高松
- 福岡
- 金沢
- 新潟
- 仙台
- 札幌
指数比較(今月)
- 金沢、新潟、高松 < 札幌、仙台、大阪、広島、名古屋、福岡 < 東京
株式会社山下PMC
事業創造推進本部 第三部 特定プロジェクト部長
日比生 慶(ひびお・けい)
1972年生まれ。99年京都大学大学院工学研究科修了。山下設計で設計業務を経験し、2005年に山下PMC入社。オフィス、商業施設、文化施設、物流施設をはじめとする多様なプロジェクトについて、全体マネジメント業務から、調査、企画、発注支援、見積査定など、個別業務まで幅広く携わる。現在は事業管理運営本部QCDS部部長として、企画段階から現場まで幅広い業務を担当。主な実績にMOA美術館リニューアル、JR海浜幕張駅リニューアル、ランドポート厚木、ほか。一級建築士、CCMJ(認定コンストラクション・マネジャー)、CFMJ(認定ファシリティマネジャー)。週末は体を動かす、子供と遊ぶのが至上の喜び。得意技は上段廻し蹴り。