今月の建設市況と今後の見通し
資材、建築費指数ともに安定した動き
香港の200万人デモはすごいですね。
「一国二制度」。これは何かというと、中国側が香港に対して、高度な自治、つまりは「司法」や「政治」、「経済」の仕組みを、返還後50年間にわたって保障しようというものだったらしいのですが、中国本土への容疑者引き渡しを可能にする条例改正をめぐり大変な騒ぎになっているようです。政府などへ不満を言えない状況が日常化することは、確かにあってはならないことと思います。
つくづく日本人で良かった、と思います。
さて、海外では上記のデモやイラン沖のホルムズ海峡近くで13日に起きたタンカー攻撃など不穏な出来事が起こっていますが、日本の国内の建設資材動向は、鉄鋼系資材、RC系資材とも横ばいです。建築費指数についても横ばい状況が続き、ここ最近、資材は安定しています。
資材、建築費指数の推移(鉄鋼系)
推移傾向
現状維持
●建築費指数 東京 事務所 S 建築
現状維持
- ●異形棒鋼16ミリ 東京
- ●山形鋼6×50ミリ 東京
- ●熱延鋼板1.6ミリ 東京
- ●H形鋼5.5×8×200×100ミリ 東京
下降
- ●鉄スクラップ H2 東京
資材、建築費指数の推移(RC系)
推移傾向
現状維持
●建築費指数 東京 事務所 RC 建築
現状維持
- ●セメント バラ 東京
- ●人工軽量コンクリート 180キロ強度 東京
- ●普通合板Ⅱ類 4ミリ 東京
- ●生コンクリート 建築 180キロ強度 東京
次に、都市間における建築費の差を、東京を100とした都市間格差指数により示します。
今月はRC造の集合住宅、病院、学校をピックアップしています。
傾向はかわらず、東京が一番高く、低い傾向(90以下)にあるのはどの用途も「名古屋、金沢、新潟、高松、福岡」の4都市です。
大きな動きではないですが、福岡はどの用途も前回と同様に上昇傾向が続いています。
RC造 集合住宅の建築費都市間格差指数の推移
- 東京
- 名古屋
- 大阪
- 広島
- 高松
- 福岡
- 金沢
- 新潟
- 仙台
- 札幌
指数比較(今月)
- 金沢、新潟、高松 < 札幌、仙台、大阪、広島、名古屋、福岡 < 東京
RC造 病院の建築費都市間格差指数の推移
- 東京
- 名古屋
- 大阪
- 広島
- 高松
- 福岡
- 金沢
- 新潟
- 仙台
- 札幌
指数比較(今月)
- 金沢、新潟、高松 < 札幌、仙台、大阪、広島、名古屋、福岡 < 東京
RC造 学校の建築費都市間格差指数の推移
- 東京
- 名古屋
- 大阪
- 広島
- 高松
- 福岡
- 金沢
- 新潟
- 仙台
- 札幌
指数比較(今月)
- 金沢、新潟、高松 < 札幌、仙台、大阪、広島、名古屋、福岡 < 東京
株式会社山下PMC
事業創造推進本部 第一部 部長
鴨下 清(かもした・きよし)
大学院では、テンセングリティ構造や展開構造物について研究。山下PMCに入社し、大規模研究施設のCM業務を担当。現在は、基本計画~竣工・引渡しまでワンストップでプロジェクトを推進する案件を多数担当。特に、性能発注方式を活用したマネジメント経験が豊富。