今月の建設市況と今後の見通し
建設・セメント業界は晴れ?
最近気になった新聞記事をご紹介します。
「建設業界が順調」という記事が1月4日付けの「日経新聞」主要30業種の天気図に出ていました。予想では「五輪需要は一服したが、首都圏の再開発や防災・減災関連のインフラ投資が需要を後押しする」とのこと。
同じく、年末2019年12月27日付け「日経新聞」でも、「来年も再開発の波」というタイトルで、五輪後も大規模な再開発が控えていることが言及されていました。
これらの記事を読む限り、たしかに、建設業界自体はしばらく現状を維持できそうです。
しかし一方で、私たちのお客さま(特に製造系)の業界を見ると、“曇り”や“雨”の予想が多く、こういった事情を考慮すると、「建設業界の晴れもそう長くは続かないのかもしれない」という考えも同時に私の頭に浮かびました。
今月の建設資材の動向ですが、鉄鋼系資材は一部上昇傾向ですが、多くは先月に引き続き横ばい傾向です。
RC系資材は先月に引き続き横ばい傾向です。
建築費指数はS造、RC造とも先月に引き続き減少傾向です。
資材、建築費指数の推移(鉄鋼系)
推移傾向
下降
●建築費指数 東京 事務所 S 建築
上昇
- ●鉄スクラップ H2 東京
現状維持
- ●異形棒鋼16ミリ 東京
- ●山形鋼6×50ミリ 東京
- ●H形鋼5.5×8×200×100ミリ 東京
- ●熱延鋼板1.6ミリ 東京
資材、建築費指数の推移(RC系)
推移傾向
下降
●建築費指数 東京 事務所 S 建築
現状維持
- ●セメント バラ 東京
- ●人工軽量コンクリート 180キロ強度 東京
- ●普通合板Ⅱ類 4ミリ 東京
- ●生コンクリート 建築 180キロ強度 東京
次に、都市間における建築費の差を、東京を100とした都市間格差指数により示します。
今回はS造の工場、物流、倉庫をピックアップしています。
どの用途も東京を100とした場合、上昇しているのが特徴的な傾向です。
低い傾向(90以下)にあるのは変わらずどの用途も「金沢、新潟、高松」の3都市です。
S造 工場の建築費都市間格差指数の推移
- 東京
- 名古屋
- 大阪
- 広島
- 高松
- 福岡
- 金沢
- 新潟
- 仙台
- 札幌
指数比較(今月)
- 金沢、新潟、高松 < 札幌、仙台、大阪、広島、名古屋、福岡 < 東京
S造 倉庫の建築費都市間格差指数の推移
- 東京
- 名古屋
- 大阪
- 広島
- 高松
- 福岡
- 金沢
- 新潟
- 仙台
- 札幌
指数比較(今月)
- 金沢、新潟、高松 < 札幌、仙台、大阪、広島、名古屋、福岡 < 東京
S造 物流の建築費都市間格差指数の推移
- 東京
- 名古屋
- 大阪
- 広島
- 高松
- 福岡
- 金沢
- 新潟
- 仙台
- 札幌
指数比較(今月)
- 金沢、新潟、高松 < 札幌、仙台、大阪、広島、名古屋、福岡 < 東京