今月の建設市況と今後の見通し
ゼネコン業界“は”好調…
先月に引き続き、新聞記事をもとに、建設市況についてご紹介します。
「多くの会社が減益・下方修正」という記事が出ているにもかかわらず、建設業界に関しては、「ゼネコン3社、最終増益」「五輪後の悲観論が薄れる」という記事が2月13日付けの「日経新聞」に掲載されていました。
理由は、来期以降も首都圏の再開発、統合型リゾート(IR)関連、災害対策としてのインフラ強化などの工事が予定されているから、とのことでした。
また、五輪関連工事が最盛期だった2018年頃、ゼネコンに有利な条件で交渉した案件が着工し始めていることも影響し、ゼネコンでは「数年間は好調が続く」という論調です。
しかし、ゼネコン以外の業界も見渡すと、
- 百貨店の相次ぐ撤退が象徴するように、地方都市の抜本的な改革の見直しが急務
- 米中貿易摩擦を背景に設備投資を控えた製造業関連の需要が伸び悩み。結果、鉄骨用鋼材が値下がり
- 新型コロナウィルスの影響により、景気の停滞が懸念
といったトピックもあり、グローバル経済の中の小さな島国・日本の今後は、なかなか簡単には読めないですね。
今月の建設資材の動向ですが、
鉄鋼系資材は一部、下降傾向ですが、多くは先月に引き続き横ばい傾向です。
RC系資材は先月に引き続き横ばい傾向です。
建築費指数はS造、RC造とも上昇傾向に転じています。
なお、毎月お伝えしている都市間の建築費格差指数ですが、あいにく、今月は情報元の建設工業経営研究会 標準建築費指数季報の発行が遅れているため、更新できませんでした。来月はお伝えする予定です。
資材、建築費指数の推移(鉄鋼系)
推移傾向
上昇
●建築費指数 東京 事務所 S 建築
現状維持
- ●鉄スクラップ H2 東京
- ●異形棒鋼16ミリ 東京
- ●山形鋼6×50ミリ 東京
- ●H形鋼5.5×8×200×100ミリ 東京
下降
- ●熱延鋼板1.6ミリ 東京
資材、建築費指数の推移(RC系)
推移傾向
上昇
●建築費指数 東京 事務所 S 建築
現状維持
- ●セメント バラ 東京
- ●人工軽量コンクリート 180キロ強度 東京
- ●普通合板Ⅱ類 4ミリ 東京
- ●生コンクリート 建築 180キロ強度 東京