今月の建設市況と今後の見通し
資機材によって上昇下降しているが全体的に下降気味
新型コロナウィルスによる緊急事態宣言がなされ、日本一丸となってコロナと戦っていますが、皆様ご自身、ご家族、会社などに被害が出ていないことを願っています。
当社も多くの会社と同じように原則在宅勤務を実施しており、やっと慣れてきたところです。ただ私のような管理職は在宅勤務だけになってしまうと、所属の部員とプロジェクトだけに意識が偏ってしまい、他部のプロジェクトや会社全体の様子が把握し難い、という思いも持ちました。今後は、自分なりの情報収集方法を構築しないといけませんね。
さて、建設市況ですが、全体的に落ち着いてきていると思います。4/9付の「日経新聞」に「建築鋼材の下げ加速」の記事がありました。電炉材が前月比マイナス2%下落し、コロナの影響による経済停滞と東京五輪開催延期も重なったことで、流通事業者の心理が急速に悪化していることが原因の一つのようです。また、当日の日経新聞に2019年度生コン出荷は、2018年比マイナス27%との記事もあり、東京五輪関連工事の需要が減ったことが響いたということでした。
一方、我々が主に扱う高炉材の鋼材に関してですが、3/25付の日経新聞に「鉄鉱石が4月から5%上昇」とあり、直接建設鋼材に影響するかは分かりませんが、少なくとも減要素にはならないと思われます。
今後も引き続き注視していく必要がありそうです。
下記に今月の建設資材の動向をお伝えします。
1.資材、建築費指数の傾向
鉄鋼系資材は下降傾向です。
RC系資材の主な資材は引き続き横ばい傾向ですが、普通合板が下降傾向に転じたのが特徴です。
建築費指数はS造およびRC造とも下降傾向です。
資材、建築費指数の推移(鉄鋼系)
推移傾向
下降
●建築費指数 東京 事務所 S 建築
下降
- ●鉄スクラップ H2 東京
- ●山形鋼6×50ミリ 東京
- ●H形鋼5.5×8×200×100ミリ 東京
- ●異形棒鋼16ミリ 東京
- ●熱延鋼板1.6ミリ 東京
資材、建築費指数の推移(RC系)
推移傾向
下降
●建築費指数 東京 事務所 S 建築
現状維持
- ●セメント バラ 東京
- ●人工軽量コンクリート 180キロ強度 東京
- ●生コンクリート 建築 180キロ強度 東京
下降
- ●普通合板Ⅱ類 4ミリ 東京
2.都市間格差の傾向
次に、都市間における建築費の差を、東京を100とした都市間格差指数により示します。
今月はS造の工場、物流、倉庫をピックアップしています。
札幌、仙台、広島、福岡の上昇率が高い様子が分かります。
低い傾向(90以下)にあるのは変わらずどの用途も「金沢、新潟、高松」の3都市です。
S造 工場の建築費都市間格差指数の推移
- 東京
- 名古屋
- 大阪
- 広島
- 高松
- 福岡
- 金沢
- 新潟
- 仙台
- 札幌
指数比較(今月)
- 金沢、新潟、高松 < 仙台、大阪、広島、名古屋、福岡 < 東京、札幌
S造 倉庫の建築費都市間格差指数の推移
- 東京
- 名古屋
- 大阪
- 広島
- 高松
- 福岡
- 金沢
- 新潟
- 仙台
- 札幌
指数比較(今月)
- 金沢、新潟、高松 < 仙台、大阪、広島、名古屋、福岡 < 東京、札幌
S造 物流の建築費都市間格差指数の推移
- 東京
- 名古屋
- 大阪
- 広島
- 高松
- 福岡
- 金沢
- 新潟
- 仙台
- 札幌
指数比較(今月)
- 金沢、新潟、高松 < 札幌、仙台、大阪、広島、名古屋、福岡 < 東京