今月の建設市況と今後の見通し
これからのオフィスはどうなるの?
新型コロナの第二波はすぐそこまで来ているよう気配があり、全国的に緊張した状況がまだまだ続いていますね。感染者数だけでなく感染率も少しずつ上昇しており、予断を許さない状況と認識しています。
このような状況が続く中、これからのオフィスはどうなっていくのだろう、と各社様々な見解を示していますが、結局のところ、これといった方向性は見えていないようです。
日経新聞(7月10日付)に「面積縮小」「拠点分散」「3密対策」への対応が新常態では必要になるという記事があり、目に留まりました。在宅勤務などが根付き始めたことで、都心の空室率も10年ぶりの上昇幅となっています。不動産事業の今後も気になるところです。
鋼材の価格も読みづらい動きをしています。電炉材のH形鋼を19カ月ぶりのUP率(5%程度)で引き上げるとのこと。と同時に鋼材の原料となる鉄スクラップは3%減で取引されているとの記事もあり、需要と供給のバランスが不安定になっていると思われます。今後も注視していきます。
さて、下記に先月のコスト状況をお伝えします。
1.資材、建築費指数の傾向
鉄鋼系の主な資材は5月に引き続き、下降傾向です。
RC系資材は5月に引き続き、横ばい傾向です。
建築費指数はS造およびRC造とも先月に引き続き、下降傾向です。
2.都市間格差の傾向
今回はS造の工場、物流、倉庫をピックアップしています。
特に札幌の上昇率が高い様子が分かります。
低い傾向(90以下)にあるのは変わらずどの用途も「金沢、新潟、高松」の3都市です。
資材、建築費指数の推移(鉄鋼系)
推移傾向
下降
●建築費指数 東京 事務所 S 建築
上昇
- ●鉄スクラップ H2 東京
現状維持
- ●異形棒鋼16ミリ 東京
下降
- ●山形鋼6×50ミリ 東京
- ●H形鋼5.5×8×200×100ミリ 東京
- ●熱延鋼板1.6ミリ 東京
資材、建築費指数の推移(RC系)
推移傾向
下降
●建築費指数 東京 事務所 S 建築
現状維持
- ●セメント バラ 東京
- ●人工軽量コンクリート 180キロ強度 東京
- ●普通合板Ⅱ類 4ミリ 東京
- ●生コンクリート 建築 180キロ強度 東京
鉄骨造 工場の建築費都市間格差指数の推移
- 東京
- 名古屋
- 大阪
- 広島
- 高松
- 福岡
- 金沢
- 新潟
- 仙台
- 札幌
指数比較(今月)
- 金沢、新潟、高松 < 仙台、大阪、広島、名古屋、福岡 < 東京、札幌
鉄骨造 物流の建築費都市間格差指数の推移
- 東京
- 名古屋
- 大阪
- 広島
- 高松
- 福岡
- 金沢
- 新潟
- 仙台
- 札幌
指数比較(今月)
- 金沢、新潟、高松 < 仙台、大阪、広島、名古屋、福岡 < 東京、札幌
鉄骨造 倉庫の建築費都市間格差指数の推移
- 東京
- 名古屋
- 大阪
- 広島
- 高松
- 福岡
- 金沢
- 新潟
- 仙台
- 札幌
指数比較(今月)
- 金沢、新潟、高松 < 仙台、大阪、広島、名古屋、福岡 < 東京、札幌