今月の建設市況と今後の見通し
先行き不透明な状況が続く世界
コロナにより様々な計画が滞り、今後の予測をしにくいなか、10月初旬、日経新聞から業界の景気予測(天気図)が掲示されました。
我々が属する建設・セメント業界の天気図は「曇り時々晴れ」から「曇り」に下方予測されました。「コロナの影響による景気減速で、国内建設投資の約7割を占める民間投資の冷え込みが懸念材料。製造業や観光業などは復調の兆しはあるものの力強さには欠ける」との見方です。
同じく、9月末の日経新聞の「社長100人アンケート」では、38%の社長の方が7月初旬より景気は拡大していると回答されたそうです(前回の7月初旬の時は5.5%)。ただし、コロナ前に回復するには50%の方が2年以上かかるという回答だったとのこと。
米中摩擦も加わって不透明な状況が続くかもしれませんが、早くコロナに対するワクチンと治療薬が開発されて安定した生活と生産活動を取り戻したいですね。
さて、下記に先月のコスト状況をお伝えします。
1.資材、建築費指数の傾向
鉄鋼系資材は一部上昇傾向ですが、先月に引き続き、主な資材は横ばいです。
RC系資材は先月に引き続き、横ばい傾向です。
建築費指数はS造、RC造とも先月に引き続き、横ばい傾向です。
2.都市間格差の傾向
今回はS造の工場、物流、倉庫をピックアップしています。
札幌の上昇率が高い様子が顕著でどの用途も札幌が一番高いです。
低い傾向(90以下)にあるのは変わらずどの用途も「金沢、新潟、高松」の3都市です。
資材、建築費指数の推移(鉄鋼系)
推移傾向
現状維持
●建築費指数 東京 事務所 S 建築
現状維持
- ●山形鋼6×50ミリ 東京
- ●H形鋼5.5×8×200×100ミリ 東京
- ●熱延鋼板1.6ミリ 東京
上昇
- ●異形棒鋼16ミリ 東京
- ●鉄スクラップ H2 東京
資材、建築費指数の推移(RC系)
推移傾向
現状維持
●建築費指数 東京 事務所 S 建築
現状維持
- ●セメント バラ 東京
- ●人工軽量コンクリート 180キロ強度 東京
- ●普通合板Ⅱ類 4ミリ 東京
- ●生コンクリート 建築 180キロ強度 東京
鉄骨造 工場の建築費都市間格差指数の推移
- 東京
- 名古屋
- 大阪
- 広島
- 高松
- 福岡
- 金沢
- 新潟
- 仙台
- 札幌
指数比較(今月)
- 金沢、新潟、高松 < 仙台、大阪、広島、名古屋、福岡 < 東京、札幌
鉄骨造 物流の建築費都市間格差指数の推移
- 東京
- 名古屋
- 大阪
- 広島
- 高松
- 福岡
- 金沢
- 新潟
- 仙台
- 札幌
指数比較(今月)
- 金沢、新潟、高松 < 仙台、大阪、広島、名古屋、福岡 < 東京、札幌
鉄骨造 倉庫の建築費都市間格差指数の推移
- 東京
- 名古屋
- 大阪
- 広島
- 高松
- 福岡
- 金沢
- 新潟
- 仙台
- 札幌
指数比較(今月)
- 金沢、新潟、高松 < 仙台、大阪、広島、名古屋、福岡 < 東京、札幌