今月の建設市況と今後の見通し
東京2020オリンピック・パラリンピック競技大会開催!
オリンピックが始まり、久しぶりに気持ちの良い話が聞けるので、夜のニュースを見る気持ちにもなりますね。
コロナ関連や汚職など、暗い話題とは違い、オリ・パラ関連の話題は、日本が勝っても負けても、健全な感情が生じるので「やっぱりスポーツは良い!」とあらためて思いました。
建設業界に目を移すと、オリ・パラの準備から開催に向けて世間がゴタゴタしている間に鉄骨の値上がりが進み、全体工事費への影響が出始めてきているようです。
特徴としては、2008年の鉄骨の値上がり理由(材料費UPと加工手間の上昇)とは少し違い、材料費が急上昇しているようです。建設業界は全産業が扱っている鉄の量からすると微々たる量しか扱っておらず、鉄鋼業界への影響が小さいのでコントロールできません。
そのため、鋼材価格については鉄鋼関連全般の値動きに注視していくことを意識していきましょう。
さて、下記に先月のコスト状況(7月初旬発表)をお伝えします。
1.資材、建築費指数の傾向
鉄鋼系資材は上昇傾向に転じています。
RC系資材は一部上昇傾向ですが、概ね先月に引き続き、横ばいです。
建築費指数はS造、RC造とも上昇傾向です。
2.都市間格差の傾向
今回はS造の工場、物流、倉庫をピックアップしています。
札幌が下降傾向に見えますが、東京の上昇率が大きかったのが要因です。
低い傾向(90以下)にあるのは変わらずどの用途も「金沢、新潟、高松」の3都市です。
資材、建築費指数の推移(鉄鋼系)
推移傾向
上昇
●建築費指数 東京 事務所 S 建築
上昇
- ●鉄スクラップ H2 東京
- ●異形棒鋼16ミリ 東京
- ●山形鋼6×50ミリ 東京
- ●H形鋼5.5×8×200×100ミリ 東京
- ●熱延鋼板1.6ミリ 東京
資材、建築費指数の推移(RC系)
推移傾向
上昇
●建築費指数 東京 事務所 S 建築
上昇
- ●普通合板Ⅱ類 4ミリ 東京
現状維持
- ●生コンクリート 建築 180キロ強度 東京
- ●セメント バラ 東京
S造 工場の建築費都市間格差指数の推移
- 東京
- 名古屋
- 大阪
- 広島
- 高松
- 福岡
- 金沢
- 新潟
- 仙台
- 札幌
指数比較(今月)
- 金沢、新潟、高松 < 仙台、大阪、広島、名古屋、福岡 < 札幌、東京
S造 物流の建築費都市間格差指数の推移
- 東京
- 名古屋
- 大阪
- 広島
- 高松
- 福岡
- 金沢
- 新潟
- 仙台
- 札幌
指数比較(今月)
- 金沢、新潟、高松 < 仙台、大阪、広島、名古屋、福岡 < 札幌、東京
S造 倉庫の建築費都市間格差指数の推移
- 東京
- 名古屋
- 大阪
- 広島
- 高松
- 福岡
- 金沢
- 新潟
- 仙台
- 札幌
指数比較(今月)
- 金沢、新潟、高松 < 仙台、大阪、広島、名古屋、福岡 < 札幌、東京