「ママのワキくちゃい…」...

2021年05月23日

楽天エクスプレス 突然の終了

Amazon、ヨドバシカメラ、楽天とECサイトが独自の配送網を構築する流れが続いていましたが、突然(?)楽天が配送事業「楽天エクスプレス」を5月末で終了することが明らかになりました。


楽天の広報によれば、「日本郵便と一緒に物流戦略を考えていくため、物流事業をいったんリセット。日本郵便と共同で物流事業を担う新会社を7月にも設立し、楽天の物流事業は新会社に移管する方針」なのだと。

楽天エクスプレスは2016年11月に始まり、昨年末時点で配送エリアとして日本の人口の約6割をカバーするまでになっていました。
独自の配送網構築にあたり各地の運送業者に業務委託していましたが、今月になっての突然の発表・通告で委託先の運送業者は当然ながら怒っているようです。


Amazonも 佐川急便 ⇒ ヤマト運輸 ⇒ デリバリープロバイダー ⇒ AmazonFlex(個人との直取引)と主要配送委託相手を変えてきており、ECサイトによる独自の配送網というのはちょっと我々個人レベルの軽貨物事業者が関わるには注意が必要か?




前回、軽貨物事業者の記事をWebライターの仕事で書いている話をしましたが、楽天エクスプレスについても記事を書いています。
書いた当時は人口カバー率はまだ40%程度の時でした。

荷主や大手運送会社に直にぶら下がっている元請け的な軽貨物事業者はいくつもありますが、ここ数年の流れとしては個人のフリードライバーでも直接大手と取引できる環境になってきているため、中間搾取する元請けの立場は年々苦しくなってきています。


元請け的な運送業者は今回の楽天のような主要取引先からの突然の契約打ち切りに大打撃を受けてるでしょう。
いや、元請けだけでなく更にそこに群がっている個人の軽ドライバーさん達も大騒ぎです。

楽天エクスプレスの配送契約は主に日給制。
Amazonや大手運送会社の宅配に比べると、1日の荷量もさほど多くなく昼休憩もしっかり取れるようで、ガッツリ稼ぐことはできなくても初心者には割と優しい環境だったようです。




楽天の物流事業は携帯事業と同様に後参入であり、全国のエリアをどれだけのスピードでカバーしていけるかが注目されていたのですが、どうやら日本郵便との業務提携の方に旨味とスピードを感じたのでしょうか?
もしかしたら携帯事業に全力を注ぐために物流事業は独自展開を諦めたのでは?

確かに独自の配送網と全国の拠点を手探りで構築していく年月と費用を考えると、すでに全国をくまなく網羅している郵便局に相乗りした方が費用対効果は間違いなさそうです。
三木谷さんの方針転換はある意味では経営者として至極普通の判断だとは思いますが、問題は協力会社へのドライな対応でしょうか。

とにかく事業撤退が協力会社への通達から1ヵ月ほどの短期間で行われようとしていること。
楽天という規模の荷主と取引できるなら、元請けの立場としては相当に入れ込んでいたに違いない。
楽天用の業務マニュアルや楽天のロゴ入りの車両まで発注していたかもしれません。

楽天版デリバリープロバイダーという未来図を描いていた委託業者は今後どうなるのでしょう?
日給制でマイペースで楽天の荷物を運んでいたフリーのドライバ―の方々は、配達個数単価制の激務に流れるのでしょうか?




運送業界はこのような突然の一方的な契約打ち切りという仕打ちは珍しくありません。システムやルール、報酬額の変更も然り。
改善ではなく改悪の方向に流れるばかり。
だから軽貨物やるなら別の収入ネタを常にバックアップしておきましょうと何度もお伝えしているのです。

瞬間的に稼げても長く働けないのがこの世界。
変化への覚悟は出来ていますか?






posted by ガラダマ at 03:12| Comment(0) | 軽運送のお仕事 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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