コロナ失策は「第2の敗戦」だ。小林よしのり×石破 茂が緊急対談
日本のワクチン接種は遅々として進まず、進捗度はOECD加盟国のなかで最下位に甘んじ、五輪開催を危ぶむ声は日増しに高まっている。諸外国と比べて桁違いに死者数を低く抑えているにもかかわらず、なぜ、日本はこれほどまで甚大なダメージを受けているのか? 今回、「第2の敗戦」とも評される日本のコロナ対策を巡る「失敗の本質」を論じる。
『新・ゴーマニズム宣言SPECIAL 戦争論』(‘98年・幻冬舎)を皮切りに、これまで数多くの論考を発表し、その度に激しい論争を巻き起こしてきた漫画家・小林よしのり氏がここにきて活動を活発化させている。
コロナ禍に見舞われた昨年から今年にかけ、『ゴーマニズム宣言SPECIAL コロナ論』シリーズ(扶桑社)をはじめ、作家・泉美木蘭氏との共著『新型コロナ――専門家を問い質す』(光文社)や京都大学ウイルス・再生医科学研究所の宮沢孝幸准教授との共著『コロナ脳:日本人はデマに殺される』(小学館新書)を相次いで出版。
自身のブログやYouTubeチャンネルも総動員して、メディアや専門家、さらには政府のコロナ対策に対して批判の声を強めているのだ。
政府のコロナ対策が後手後手に回り、唯一のゲームチェンジャーといわれる「ワクチン接種」も遅々として進まないなか、菅政権の支持率は30%近くまで落ち込んでいる。五輪中止を求める声が国民の7割に達している今、政治が果たすべき役割とは何なのか……?
今回、小林氏が、防衛相、農水相、自民党幹事長など要職を歴任し「次期首相にふさわしい人」として常に名前が挙がる衆院議員・石破茂氏と意見を戦わせた。
小林:コロナを理由に、為政者の強権発動が止まらない……。東京では“禁酒法”やネオン自粛に名を借りた“灯火管制”が命じられ、百貨店に生活必需品以外は売るなというのは、かつての「ぜいたくは敵だ」と重なる。今や“コロナ全体主義”に覆い尽くされようとしている。
石破:日本が対米戦争を始めた昭和16年に世論調査があったら、日米開戦に賛成という人は9割を超えていたでしょう。猪瀬直樹さんの『昭和十六年夏の敗戦』に詳しいが、軍、官僚、企業人をはじめとする当時の知識エリートたちを集めた総力戦研究所は、来たる戦争は総力戦になり、国力が遥かに大きい米国と戦えば日本が100%負けるというシミュレーション結果を出していた。
ところが、東条英機首相(当時)はこれを「机上の空論」と一蹴し、「戦は時の運。やってみなければわからない」という精神論で無謀な戦争に突入していくことになりました。
小林:当時のマスコミは大本営発表をただ垂れ流していたが、今も本質的に同じで、コロナを巡っては異論をあからさまに封殺しているのが実情です。特にテレビはひどくて、「対立のある問題は両論併記する」と定めた放送法第4条にも抵触している。せめて、両論表記するのが最低限のルールではないのか。
異論を封じる側の典型が、コロナの恐怖をいまだに煽り続けている玉川徹(テレビ朝日報道局員)だ。ジャーナリストを気取っているが、わしが対談を申し入れたら「多忙」を理由に断ってきた。わしは立場も主張も玉川と違うが、過去に彼の取材を2度も受けているのに、実にアンフェアだよ。玉川同様に、コロナの恐怖を煽る岡田晴恵・白鴎大学教授も対談を断ってきた。
では、「わしをテレビに出せ」と言っても、受け入れる局はない。わしが番組でコロナの真実を話したら、これまでのメディアの主張がすべて引っ繰り返ってしまうからな。
[緊急対談]小林よしのり×石破 茂
コロナ対策について異論を取り上げないマスコミ
『ゴーマニズム宣言SPECIAL コロナ論3』 コロナの「不都合な真実」をすべて暴く |
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