概要
面白い!これは売れる!と思えるまで満足に開発を続けることは、スケジュールが設定されている以上難しいです。
そもそも開発スケジュールってどうなっているの?
って思う方もいらっしゃると思うので、私が把握している範囲で書いていきます。
まずは簡単な開発~販売までのフローを
プランナー内でアイデアを出す
↓
開発課の人や役員にアイデアをプレゼン
↓
映像素材発注、サウンド制作、デザイン制作
↓
ソフト組み込み
↓
試打、フィードバック
↓
ソフト修正(ギリギリまで繰り返す)
↓
商品検証、規則確認
↓
保通協申請
↓
試験適合、検定通過
↓
あとは市場の動向を見て発売する
↓
ホール様へ営業
↓
当日警察の立ち入り
↓
稼動開始
ここまでの作製期間は約「2~3年」
いかがでしょうか?
簡単にフローを書くつもりが、思いのほか長かったです。
とりあえずは基本的には年単位の開発になります
そのため規則や試験が急に変更になったり、
先にライバルメーカーから同スペックを販売されてしまったり、
つまらなかったら180度スペック変更したり、
大幅変更でもスケジュールはあまり伸びないし、
そのうえで役員から修正依頼が入ったり、
新筐体になったら色々制御方法は変わるし、
OSが変わったらツールの互換性を保つためにメンテナンスも必要だし、
製作委員会とは演出表現について対立するし、
上司に怒られるわ、新人の教育必要だわ、おまえの教育はどうなってんだとか
めっちゃ多忙です。ええ
というわけで、
早速上から具体的に説明していきます。
開発着手までのフロー
- アイデア発案
- 機種のポジションやゲームフロー作成
- 出玉システムのアイデアをまとめる
- 演出設計、UI設計
- それを役員や上司に今回の機種プレゼンする
- 承認後、開発に着々を進めていく
そもそもプランナーは
「担当したい機種を選べるの?」
ということですが、
希望することは可能です!
立候補することもできます。
もちろん必ず「希望通り」になるわけではありません。
スケジュールの関係で決まっている場合もよくあります。
決まっている場合ってのは、
悪い言い方をするとやりたくなくても担当することにもなります。
まあそこは社会人あるあるですよねぇ
たとえ希望通りでも、希望外でもプランナーは次の作業に進めます。
まずはアイデア発案
何の機種を担当することになったのかが決まったら、
どういうものを開発するのか?
アイデアを数多く出しまとめます。
それは過去の作品からアイデアを出したり、
その作品を知るものからアンケートをとったり、
他機種から構想を練ったりして、
徐々に形作っていきます。
え?自分で全て考えるの?
はい。そうです。
出玉システムや、演出構成、どんなサウンドがいいのか、筐体デザインから細かいものまで何もかも全てです。
もちろん他の方からのアイデアをもらったり、雛形となる基本的なフォーマットもあるので、開発着手までのサポートはあるものの、
基本的には担当者自分の力で全てを決めます。
そのため市場の動向や他機種のシステム調査など、
パチスロに関する情報を人一倍勉強する必要があります。
ソフト開発者であればプログラミングについて勉強すると思いますが、
プランナーは規則、出玉、条件装置、メイン、サブ、市場トレンド、営業、スケジュールまでパチスロに関する勉強をすることが必要です。
機種のポジションやゲームフロー作成
ある程度まとまったら、各カテゴリに広げていきます
ではどういったゲームフローにしていくか?
まずは通常時からレア役でCZ当選を目指す
↓
CZではBAR揃いでARTへ当選
↓
ART中はバトルに勝利で上位ARTもしくは特化ゾーン当選
↓
ART0Gで通常へ移行
のような簡単なゲームフローを作成します。
開発序盤は画像のような簡単なフローですが、
開発が進むと小冊子レベルの出来になります。
そしてこの資料は
- 会議や試打の資料として活躍する
- 協力会社への提出する整った資料
として活躍します。
出玉システムのアイデアをまとめる
予め適合範囲内の目安となるスペック表を用意し、
今回の機種はこのスペックだったら、面白く作れるか?
ここの出玉は抑えて、ATにもうちょっと出玉を割こうか
とあれこれ考えながら、意図するスペックに落とし込んでいく流れです
画像は5.5号機時期のスペック表です。
5.9号機になるかどうかのかなり絶妙な時期だったので、仕様変更のときは困りましたねぇ・・・
演出設計、UI設計
どのように演出表現していくかを書き起こしていきます。
これは映像制作の協力会社に依頼の際に作成されます。
ソフト開発の際にもどういう演出なのかがわかるようになってます。
UI(ユーザーインターフェース)設計資料です。
主にソフト開発の際に必要になる資料となります。
通常ステージはここに選択したキャラのアバターを設置したり、ゲーム数カウンターを配置したりと、AT中はアバターを消して、AT専用の機種のキモとなる要素を配置したりなど、
スペックの用途に合わせてUIを構築していきます。
アプリ連動機能(マイスロなど)機能をどう充実していくか
ガチャを搭載したり、当選結果でミッションを達成させるかを決めます。
そもそもアプリ連動をやらないという手もありますが、
開発スケジュールが比較的短いものによく見られる傾向です。
以上のようにアイデアをまとめたものを展開していき、
本格的に各カテゴリの製作案、映像素材発注、サウンド制作、ソフト開発準備~
と広げていき、
同時並行で作成したフローを各プランナー内に展開し、フィードバックを受けます。
- この構想で問題なさそうか
- この方向性で大丈夫か
- もっとほかに案はないか
などなど揉んでいきながら進めていくことになります。
役員や上司に今回の機種プレゼンする
ある程度形にしたら、企画内容を役員にプレゼンしなければなりません。
会社のお金で開発するわけですから予算を決めてもらう必要があるからです。
PowerPointで
- 骨子(要所となるポイント)
- 市場環境
- ターゲット
- コンテンツ
を作成し、
作成したファイルをプロジェクターで投影して、プレゼンを行う
というフローになります。
プレゼンの空気はどうなっているのか?
非常に緊張感あります
緊張感というのは、主にプレゼンする側の心境+役員が相手
ということもあり、なかなか重い空気になること請け合いですねぇ
極稀にプレゼンの内容が悪いと、相手も不機嫌になることもあるようなので、
内容はしっかり詰めたいところです。
承認後、開発に着々を進めていく
そして役員プレゼンで承認をもらうことで正式に開発体制に入れます。
あとは予算の範囲内と、開発スケジュールに従って、
様々なフェーズを目標に自分たちのよく知るパチスロが出来上がっていくわけですねー
結論
- プランナーはパチスロに関する知識を人一倍、勉強する必要がある
- プランナー内で考えたアイデアを役員にプレゼンして承認を得たら、
予算の範囲内と開発スケジュールで開発を進めていく
こうやって聞くと、どこの企業も同じように進めているのではないかなーと思います
プランナーが考えたものを形にする。
それがモノづくりの基本なのでしょうねー。
次回は、
映像素材発注、サウンド制作、デザイン制作
あたりを書いていこうか思います。
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