当事務所の馬奈木厳太郎弁護士と山﨑大志弁護士が、選挙ウォッチャーちだい氏の代理人を務めていた裁判で、一審でも勝訴していましたが、控訴審でも勝訴しました。
・一審判決について
一審において、NHKから国民を守る党所属久保田学氏(立川市議)が市民メディアのフリーライターである選挙ウォッチャーちだい氏を名誉毀損で訴えたスラップ訴訟事件について、勝訴判決を獲得しておりました。
一審の判決では、N国党首である立花孝志氏が動画において、本訴がスラップ訴訟であることを話していることを認めた上で、久保田氏は、少なくとも居住実態がほとんどないことをちだい氏が真実と信じたことについて相当な理由があることを知りながら、あえて訴訟を提起したことを認定しています。
また、反訴で請求した慰謝料の一部と弁護士費用のほとんど全額が認められたことから、訴訟により表現者に経済的負担を与え、表現活動を委縮させるスラップ訴訟の特質が考慮されたといえます。
したがって、実質的には、久保田氏による本訴がスラップ訴訟であることを認めた判決といえます。
そして、昨今世間を賑わせているN国議員の実態について、社会全体で考えてもらう良いきっかけになった判決ともいえます。
・控訴審判決について
控訴審である東京高等裁判所での判決は、上述の一審判決を踏襲しており、一審と同じ判断でした。
また、久保田氏による控訴によって、ちだい氏に無用の弁護士費用を支出したとして、一審判決に加えて16万円の損害を新たに認めて、合計約95万円の久保田氏に対する損害賠償を認めています。
上級審である東京高等裁判所も、久保田氏による訴えそのものが不法行為であることを認めていることは、実質的には久保田氏によるスラップ訴訟であることを東京高等裁判所も認めたと評価できますので、大きな意義があると思います。
・N国の実態について
ちだい氏は、誰よりも早くN国についての実態を取材し世の中に発信してきました。
今回の事件も広く社会に周知されて、一人でも多くの国民が政党の一つであるN国の実態について知るべきだろうと思っております。
今回の控訴審勝訴について紹介されております記事は以下のとおりです。
弁護士ドットコム:N国党「スラップ訴訟」は二審も返り討ち ライターを訴えたら逆に95万円の支払い命令https://www.bengo4.com/c_23/n_10878/
【関連】N国党及び立花氏による選挙ウォッチャーちだい氏への名誉棄損訴訟に勝訴!https://www.tokyo-godo.com/blog/2020/03/post-137-726345.html