鉄ちゃんの育て方

国算社理すべての問題が鉄道がらみ! 電車好きの子が自ら勉強したくなるドリルが誕生

2020.12.04

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葉山 梢
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特急「サフィール踊り子」の「プレミアムグリーン」では1列に2人が座れます。4列使うと何人が座れますか――。国語、算数、社会、理科のすべての問題のモチーフが鉄道という、電車好きの子どもにとって夢のようなドリルができました。

“鉄ちゃん”の夫の言葉がヒントに

11月25日に高橋書店から発行された「鉄道ドリル」。小学1~4年生向けに、4教科(1・2年生は国語、算数、生活の3教科)のポイントが各学年1冊にまとめられている。

同社が学習参考書を出すのはこれが初めて。編集者の和田奈美子さんはこれまで資格や就職の対策本を担当していた。「学参専門の出版社と似たようなものを出しても太刀打ちできない。面白い切り口でチャレンジしたいとずっと思っていた」と話す。

ヒントになったのは、“鉄ちゃん”の夫の「子どものころノートにひたすら電車の車両番号を書いていたら、親に『このエネルギーを勉強に向けてくれたら』と嘆かれたよ」という言葉だった。和田さんは「思い返すと、私の子どものころにもクラスにそういう子がいた。夫の“鉄分”のおかげで着想を得ることができた」と笑う。

企画書にサンプルとして付けたのは、2年生のかけ算の問題。「北陸新幹線『かがやき』の『グランクラス』のシートは、1れつに3人がすわれます。6れつでは何人がすわれますか」。これが役員に「面白い」「かけ算ってそういうことだよね」と受け、企画が動き出した。

国算社理すべての問題が鉄道がらみ! 電車好きの子が自ら勉強したくなるドリルが誕生
「鉄道ドリル 小学2年生」より

小学生に解ける難易度で、かつ鉄道を折り込むのに苦労したという。苦し紛れだったが結果的に面白くなった問題もある。1年生の算数「いろいろなかたち」は、8個の駅弁の箱を「つつのなかま」と「はこのなかま」に分ける問題。4年生の分数の問題は、富山駅で買った「ますのすし」を4等分、6等分、8等分に切り分けて考える。4年生の理科「月と星」は、「北斗星」「カシオペア」といった天体にちなんだ列車名を紹介した。

鉄道の仕組みがそのまま学習につながる例もある。4年生の理科「金ぞく、水、空気と温度」では、レールのつなぎ目には気温が高くなっても曲がらないようにわざと隙間が空けられていることを紹介。3年生の理科「じしゃくのせいしつ」では、超電導リニアの仕組みを解説した。

国算社理すべての問題が鉄道がらみ! 電車好きの子が自ら勉強したくなるドリルが誕生
「鉄道ドリル 小学3年生」より

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