Part 03ではダイヤモンド型ICを建設して収録を終えた後、セーブを忘れてしまうというヒドいミスをしており、ダイヤモンド型ICが引き継がれていない(作り直した)。そのためコメントで「この回はセーブを忘れて次の回に引き継がれないので、見る必要がない」みたいなことが書かれた。見る必要がないわけじゃないぞ、と言いたい。
Season 1のPart 03からは、インターチェンジ/ジャンクションを連続で建設していく。
Part 03:ダイヤモンド型IC
Part 04:4層スタック型JCT
Part 05:トランペット型IC
Part 06:部分的クローバー型IC、Y字直結型JCT
Part 07:ミシガン・アーバン・ダイヤモンド型IC(MUDI)
裏話として、動画の「サムネイル」について触れておきたい。Youtubeでは動画をアップロードした後、サムネイルの画像を動画の中から選ばれた画像候補を選択するか、自分で用意した画像にするのかを選ぶことができる。Part 01~02までは、実はサムネイル画像は用意しておらず、Youtubeが自動で抽出した動画からの画像をサムネイルとして採用した。しかし他の実況動画を観て感じたのは、もう少し「何の動画なのか?」を画像を見ただけでわかるようにしたいと思い、Part 03は自分でダイヤモンド型ICの画像のキャプチャを用意した。更に、Part 04からは文字も入れるようにした。サムネに入れる文字は、動画タイトルの省略形だ。Part 04では文字の大きさが小さくなってしまったと感じたので、Part 05からはかなり大きめ+文字間を詰めたフォーマットで作っている。これは今でも同じ形式だ。使っている文字フォントは、私の好きな「メイリオ」にした。メイリオは動画中に入れる文字のフォントとしても統一的に使っている。
さて、動画の内容の解説だ。
Part 04は4層スタック型ジャンクションだ。これはWikipediaを読んで知った形状。詳しい文献などはなかったため、大変悔しいがWikipediaを参考とした。この頃はアセットエディタを使って事前にIC/JCTを作っていた。そのため土地に起伏があると設置できず、苦労した記憶がある。今見ると、ランプが直線ばかりでぐちゃぐちゃだ。いまだったら曲線を使ってもっとなめらかに作るだろう。
Part 05ではトランペット型ICを建設している。形は綺麗に建設できている。しかし今見るとトランペットのカーブ部分が高架化されているにもかかわらず、一般道と接続するランプも高架化しており高速道路の上に通している。これでは建設コストが上がってしまうため、非合理的な形状だ。こういった形のICはおそらく無いだろう。当時のICに関する知識不足が垣間見える。しかしコメント等でこのことをツッコまれたことは無いが、私は未だにこのことを後悔している。
Part 06では、2つのICを建設した。いま考えると、動画一回につき一種類のジャンクションにすればよかったと思う。日本の高速道路でも一般的にみられる形だ。特にY字直結型JCTは、日本の都市部の狭い高速道路でよくみられる、かなり狭い形のJCTだ。ところで「部分的クローバー型IC」という語は”Partial Cloverleaf Interchange”を私が訳した名称である。他に日本の文献やウェブサイトでは「部分クローバー型」、「不完全クローバー型」、「対向ループ型」などの表記ゆれがある。
Part 07の「ミシガン・アーバン・ダイヤモンド型IC(MUDI)」は、私がキラー・コンテンツとして自信を持って用意したICだ。何がキラー・コンテンツなのか?それは、日本で紹介されている事例がほとんど無いが、かなり独特な交通制御をするICとして、情報の第一発信者になるという部分だ。「色々な種類のインターチェンジを調べたい」という人が日本にいたとき、日本語で調べれば、MUDIという種類については私の動画が一次情報になる。実際、IC/JCTの種類についてまとめているサイトで私の動画を引用している例もある。また、私の動画を見たであろうと思われる方々による、MUDIの建設画像・動画もいくつか見たことがある。
ただしこの動画でも、またCities Skylinesの不慣れさとIC/JCTの知識不足が否めない。一度は構造を間違えて建設している。その後に修正したICの動画を編集で挿入するという苦肉の策に出ているが、最初から正しい構造で建設ができなかったことが悔やまれる。
ミシガン・アーバン・ダイヤモンド型ICについては、トーマス・メイレク博士による論文に、詳細な評価が登場する。
ミシガン・アーバン・ダイヤモンド型ICを一点都市型IC(SPUI)と比較し評価した論文。ミシガン州立大学のカレッジ・オブ・エンジニアリングにて発行されている。細かな評価方法と評価データをすっ飛ばして、要旨とpp.1-7, pp34-37を読めばある程度の知識は得られる。
Maleck, T L, and Dorothy, Paul B. W. (1998). “An Evaluation of the Michigan Urban Diamond Interchange with respect to the Single Point Urban Interchange.” Michigan Department of Transportation.
こちらはシンポジウムでの発表内容の要旨。狭い都市部におけるダイヤモンド型ICとSPUIとの比較。
Maleck, T L. (2000). “The Michigan Urban Diamond Interchange – The Design and Operation.” 2nd International Symposium on Highway Geometric Design. FGSV.
動画だけではなく、この「裏話」ブログも日本語情報源になれば良いと思ってるので、上記論文の内容についてまた別の記事として書きたいと思う。
続く。
いつも楽しく拝見しております。
想像以上に反省と自己研鑽を重ねておられるのだなあと感銘を受けました。
らくしげさんはcsを1人で遊ぶgameという域では納めず、学問との融合、さらには大衆への知識・娯楽提供を成している開拓者ですね。
趣味をそこまで昇華できる才能がただただ羨ましく、尊敬を隠せません。
ありがとうございます。
反省→修正→修正できなかった→反省→修正→少し修正された…くらいの、のんびりなペースで自己研鑽はしているつもりです。しかし最近はあんまり反省できていないな…と反省しています。
CSの面白いところは、やはり高速道路のシミュレーションが、いよいよ現実に近くなってきている点でしょうかね。まだまだ甘いところはあるのですが、それでもこれまでのゲームの中で、高速道路の形状と動きを一番再現できていると思ってます。
才能ではないと思います。私に特別な才能はありません。「どうやったら面白いか」を考えた結果だと自分では思っています。まだ面白さは足りないと思いますが。
これからもどうぞよろしくお願いします。
なお既存の形状を参考にせっせと改良(という名の改悪)を重ねる人々も。