小学校5、6年生の間に読んでおきたい名作40選!大人になっても心に残るオススメの作品は?
好奇心が旺盛で、感性豊かな小学生の子どもたち。良いものに出会ったらどんどん吸収する小学生時代に、できるだけたくさん本を読んでほしい! できれば名作を読んでほしい! という思いは、多くの親御さんに共通する願いではないでしょうか。
小学生の頃に読んだ本を大人になっても覚えているという話をよく聞くほど、この時期の影響は大きなもの。そして、その感動は、大人になった時の宝物にもなり得る大事な体験です。
けれども、もともと本が好きな子は別として、なかなか本に手が伸びない、さらに名作なんて、とても難しいのでは?なんて悩んではいませんか?
こちらでは、長く読み継がれる名作の中から、次の条件をもとに、現代の小学5、6年生の子どもたちでも無理なく読み進められる面白い名作を集めてみました。
楽しく読める名作のポイント
- 内容に古さを感じず、今の子どもたちにも通じる普遍的なテーマが主題となっているもの
- 美しい日本語で書かれて(訳されて)いるもの
- 最初の発表から20年以上読みつがれている作品(名作の中には、何度か改版して発売日が新しくなっているもの、また、現代の子どもたちが読みやすい形で編集されたものがありますが、ここでは最初にそのお話が発表された年から年数を数えたいと思います)
【小学校高学年編】現代の子どもたちでも楽しく読める名作
それではおすすめの名作を、本が苦手な子にもおすすめしやすいテーマから順に紹介していきます。作品のご紹介のあとにお子さんへの手渡し方のコツもお伝えしますので、参考にしてみて下さいね。
本が苦手でも読みやすい名作
主人公の気持ちや人間関係に共感して読めるところが魅力のシリーズ
女子にもおすすめ
数年前に6年生にブックトークをしたときに選んだ1冊です。
息子は小学3年生のときに、一緒に読み始め(というか取り合いをしながらです^^;)
すっかりハマってしまいました。
映画も一緒に行きました。
キャスティングがばっちりで、岡山に実家があるので、息子も岡山弁には親しんでおり、
「みんな上手だね」と言っていました。
期待以上によい出来で、大満足で帰ってきました。
この作品は、野球がテーマではなく、子どもと大人の感覚のずれや、
子どもたちの人間関係を包み隠さず、描かれていています。
大人は本音と建前があって、子どもと大人のはざ間にいる中学生という微妙な年齢の苦悩や、
決して天使じゃないずるい面も持ち始めるところを、ずばりと書かれています。
自分が中学生のころ感じていた不安や不満を思い出しました。
少年が大人へと向かっていく過程を、いろいろな人を通じて書かれているので、
子どもたちがその立場になったとき、この本を通じて予行演習になるのではと思いました。
女の子のほうが、人間関係で悩みが多いと思います。
野球が分からなくても読んでもらいたいと(男子や先生に尋ねると喜んで教えてくれるよと)、ブックトークで薦めました。
(おるがんさん 40代・ママ 女の子、男の子)
とくに小学6年生の男の子がハマって読むシリーズ
夏休みを前にした、1学期の終業式の日、
東京下町にある中学校の、一年ニ組の男子生徒全員が、姿を消した。
いったいどこへ・・・?
FMラジオから聞こえてきたのは、消えた生徒たちが流す“解放区放送”。
彼らは河川敷の廃工場に立てこもり、ここを解放区として、
大人たちへの“叛乱”を起こしたのだ。
PTAはもちろん、テレビや警察、市長選挙汚職事件までも巻き込んだ、
七日間に及ぶおとなたちとの大戦争。
中高生たちの熱い支持を受けつづける大ベストセラー!
長いお話が苦手な子には、こちらの短編集を
お父さんお母さんの世代から読み継がれている星新一さんの作品の面白さにぜひ小学生のうちに出会ってほしいと思います。この本によって、はじめて短編集やSFというジャンルの面白さを知る子も多いでしょう。お話は全部で19編。短いお話ながらもあっと驚く結末が待っていて、どんどん読めてしまう1冊です。
テレビや映画になった名作
ストーリーを知っていれば、ぐっと世界に入りやすくなります。「あの映画の原作だよ」とすすめてみて下さいね。本で手に取らない時は、まず映画を見せてから本へ誘導するという方法も試してみてはいかがでしょうか?
いろんな要素が詰まった素敵な一冊
そもそもガンバのことを知ったきっかけは、数年前にテレビで見たアニメ映画でした。偶然原作であるこの本を見つけ、息子と一緒に読んでみたのですがこれが面白い!親子でどっぷりはまってしまいました。
ガンバは、台所の床下の貯蔵穴に住んでいるドブネズミ。マンプクと一緒に参加した「船乗りネズミの集まり」で、一匹の傷付いたネズミ、忠太と出会います。
忠太の住む島が、イタチのノロイ一族に襲われていることを知り、その場の勢いで忠太の島の仲間を助けに行くことになり、ガンバの冒険が始まります。
特に、島に着いてからの展開がドキドキさせられますね。イタチがいつ現れるかも知れぬ恐怖、そして現れてからの恐怖。ノロイの作戦は実に巧妙で、ストレートにネズミたちをなかなか攻めてこないところがまたドキドキさせられて。体をしなやかに曲げながらの「もう戦いはやめましょう。」というノロイのセリフは、息子と私の間で、ちょっとしたマイブームになりました(笑)
読み進むにつれ、ノロイとの戦いはさらに過酷になっていきます。傷付いていく仲間達、そしてついに犠牲者も。涙を誘うシーンが何度も出てきて、ストーリー展開もめまぐるしく、後半は目が離せない状態に。
原作の方はアニメとは違い、リアルなドブネズミの姿で挿し絵がされていたのが新鮮で、しかも絵が少なく文章が多い分、やたらと想像力を掻き立てられたのが良かったです。息子は、学習まんがや絵の多い本を選びがちなのですが、こんな風に良くできたストーリーの本であれば、絵が少なかろうと文章が多かろうと、どんどん読めるんだということを改めて認識できました。私自身、久しぶりに良書に出会ったな、という気がしています。
全体を通して、好奇心、冒険心、犠牲、友情、愛情、いろんな要素が詰まった素敵な一冊です。対象年齢小学4、5年以上となっていて、難しい漢字にはルビが振ってありますのですらすら読めます。大人にも是非おすすめします。
(どんぐりぼうやさん 30代・ママ 男の子9歳)
誰でも楽しめる
この本は、本が苦手な人でも楽しいと思う!
最初から、どんどんと読み進められて、本当に面白い!
こんなに面白い本は、久しぶりです。
チョコレート工場の見学が出来る黄金切符。
この黄金切符を手に入れられるか?出来ないのか?
すぐに手に入れられるのかなと思って読むと、いやいや…
工場の中で起こる出来事もとっても楽しくて。
チョコレートの美味しい冬場に読むのもいいと思います。
クリスマスプレゼントにもお勧めです。
(みるぴんさん 30代・ママ 男の子2歳)
現代っ子もハマります
おなじみナルニア国ものがたりの第一巻。
映画化もされたので、ご存知の方も多いはず。
昔、私が好きだったSF作家があとがきで
「ナルニア国に憧れて、なんど衣装ダンスに
入ったか分からない」と書いていました。
そういう経験をお持ちの方も多いのでは?
残念ながら、私は子どもの頃に読んだことがなくて
大人になってから出会ったので、
子どもには早いうちに出会って欲しいと
毎晩寝る前の読み聞かせの本に選びました。
自分の経験から言っても、うちの子たちは
おそらく、この手の本はなかなか手に取らないだろうから。
案の定、別の部屋に寝ている6年生の長女までがハマって
読み聞かせ始めると聞きに来る始末でした。
我が家ではおもしろかったら続きの巻は自分で読む、と
決めていますが、ぜひ次巻も手にとって
最後まで読破してもらいたいです。
(将軍亭琴音さん 30代・ママ 女の子11歳、女の子8歳、女の子6歳)
運命の輪が廻る中で
【子どもレビュー】(小5・女の子)
私は、バルサは、強いなと思います。バルサは、運めいを苦にせず、むしろおもしろがっているように感じたからです。自分の子どもを殺そうとするチャグムの親の帝の気持ちは、私には、信じられません。けれど、帝も考えをせまられて、しかたがなかったんじゃないかなと思います。チャグムは、自分のうんめいがあまり変わらず、たいくつな日を帝になったら、すごすと思います。けれども、バルサやタンダ、トロガイとすごしていて、強くなったから、だいじょうぶだと思いました。
(天使のケーキちゃんさん 10代以下・その他の方 )
やっぱり気になるのは友達関係!?友情の名作
最高!
5年生向きの本を探していたので有名なこの本を読んでみました。
最初のほうはタンタンと読み進めていきますがフンフンといったかんじで特別おもしろいとかは感じなかったのですが半分をすぎてからぐっとひきこまれてハラハラドキドキしながら読みました。
読み終わった後もしばらく余韻にひたり、あっというまに第二段も読みました。
私の中では一番です。
それで小5の娘にすすめました。
最初読み始めてもなかなかおもしろいところがこないので読むのをやめようとしたところ、「半分すぎてからおもしろくなるからまぁ読んでみ」
と強く勧めたら読みきりました。
娘も感動したといっていました。
本来、本嫌いの私が読みきりましたから(笑)本嫌いのお子様のきっかけに読んでみてもいいのではないでしょうか。
(たんさん 30代・ママ 女の子11才、男の子7歳、女の子5歳)
僕とあいつだけの、秘密の場所がある
僕にザリガニの味を教えたのは、6年生の春に転校してきたこうすけだった。クラスの誰ともしゃべらないこうすけと僕の間には、2人だけの秘密があった。ひと夏を共に過ごし、成長する少年たちの姿をみずみずしく描く表題作ほか2編を収録。坪田譲治文学賞、椋鳩十児童文学賞をダブル受賞したデビュー作。
こちらもおすすめ!
ハラハラドキドキで目が離せない!!冒険の名作
小4男子、一気読みでした。面白かったー。
最近、江戸川乱歩に、はまっている小4の息子。
二十面相もいいけど、少しは他のジャンルもどう?ということで、いろいろなサイトで、面白いと評判でしたので、オススメしてみました。
学校から帰り、読み出したところ、もう止まりません。翌日も、大慌てで帰宅し、数時間で読破してしまいました。「面白かったー。あのねあのね」と、ストーリーを話し出すほどです。いろいろな本を読みますが、ここまでというのは。
「ぼくらのサイテーの夏」も、同じ小6男子の話で、面白そうに読んでいたのですが、さすが、日本のファンタジー。
やはり、日本の、同じ小学生の男子が主人公で、学校から不思議な世界にというのが、自己投影しやすいのでしょう。西洋のファンタジーよりも身近な感じがします。ストーリーも一ひねりあり、ぐいぐい引き込まれます。力強く、前向きなメッセージを感じました。しかも、それが前面に出すぎず、お説教くさくない。
すばらしい本に出会えて感謝。
面白かったーと喜んでくれて、オススメした母もうれしい。
(宙母さん 40代・ママ 男の子9歳)
みどころ
6年生のリナは、夏休みを過ごすために、ひとりで霧の谷へやってきます。手にはかばんと、柄にピエロの顔がついている、白地に赤い水玉もようのかさを持って。道に迷っていると、かさが風にふわりと飛ばされ、あとを追ううちに小さな町へとたどりつきます。深い森の中に赤やクリーム色の家が6軒。石畳の道がつづき、まるで外国のようです。
下宿屋のピコット屋敷に滞在することになったリナですが、女主人であるピコットばあさんは温かく歓迎するどころか、リナを目の前にして、思ったことをずけずけと言います。しかも「働かざる者、食うべからず」がモットー。働いたことなんてないリナは、自分に何ができるのかしらと、途方に暮れるのですが……。
表紙を開くと霧の谷の地図が出てきます。眺めているだけでもわくわくしますよね。この「めちゃくちゃ通り」と呼ばれる道には一風変わった人たちばかり住んでいます。黒パンたくあんマヨネーズサンド(!?)が好物の本屋のナータ、やさしい目をしているのに、ぶっきらぼうな水夫のトーマス、お面をはずさない男の子サンデー……。でも、リナは、本人も気づいていないその人のいいところを探しだす名人みたいです。
四季の花々が同時に咲き乱れ、ケンタウロスやこびとが道を歩き、小鬼がおかしをわけてくれる。そんな不思議にあふれた毎日ですが、この生活を通じて、リナは自分自身を見直し、これまで目にしていても気づかなかった「身の回りにある素敵なもの」に気づいていきます。この変わった町もリナの発見も、魅力たっぷりで、愛さずにはいられません。初めてひとりきりで、未知の世界に飛び込むこの物語は、新しいことにチャレンジしようとする子どもたちの背中を優しく押してくれます。
何を隠そう、私自身も小学生のときにこの物語が大好きでした。リナが、お姫様みたいにカンペキな女の子ではなくて、ちょっとふっくらしていて、不器用で、人一倍好奇心があって……というところに、とっても親近感を感じました。夢中になって何度も読んだから、物語の細かいところまで覚えています。さあ、今度は皆さんに水玉もようのかさをお渡しします。素敵な町を楽しんできてください。
(光森優子 編集者・ライター)
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読み始めたら止まらない!ミステリーの名作
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100年以上も読み継がれる名探偵の元祖シャーロック・ホームズの物語は止まらなくなる面白さです
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空想の世界を楽しむ名作
子ども時代に出会ってほしい
信頼できる人になら話してもいいけれど、バカにされたりけなされたりしたりするようなら話したくないそんな秘密が誰にでもあります。
子どもの時からの夢というのもその中に入るかもしれません。小学校6年生の夏休みにこの作品と出会いました。
私がファンタジーと出会ったのはこの作品がきっかけです。どちらかというと、その頃は外国作品に偏っていたのですが、
日本にもこんな素晴らしい作品があるのだと感動しました。
以来、佐藤さとるのファンになり、今でも児童書や絵本との縁は切れません。コロボックルは、本当に信頼できる人間を選んでやってきます。選ばれた人になりたいなあと、この作品を読みながら思いました。
感想を書くに当たって読み返してみましたが、子どもの頃の夏の日に戻った気持ちになりました。
小山を持ちたい、コロボックルと友だちになりたい、小山に家を建てたいという主人公の子どもの頃からの夢。読み返してみて、これはコロボックルの話だけれど、夢を叶える話でもあるのだと思いました。
今の子どもたちは、佐藤さとるの本に触れる機会は少ないかもしれませんが、ぜひ子ども時代にこの作品に出会ってほしいと思います。
(はなびやさん 40代・ママ 男の子5歳)
不朽の名作シリーズが、完訳版でよみがえる!
未邦訳作品『オズの小さな物語』を加えた全15巻で登場!!
1900年にアメリカで出版された『オズの魔法使い』は、出版されるやいなや、子どもたちの心を魅了し、空前のベストセラーとなった作品です。その後、作者である児童文学作家のライマン・フランク・ボームは、“オズの国”を舞台にした続編を、約20年かけて次々と発表していきます。ボームに生み出された、《オズ・シリーズ》は14作となり、シリーズ誕生から100年以上が経つ現在でも、世界中で愛読され続ける不朽の名作となりました。
今回は、シリーズ1巻目にあたる『オズの魔法使い』だけでなく、2~14巻までの続編と、日本で初めて出版されることになる『オズの小さな物語』(Little WIZARD Stories of Oz)を合わせた全15巻の《オズの魔法使いシリーズ》として、完訳版で刊行いたします。
ファンタジーの名作!
日本でも有名なオズの魔法使いのお話ですが、続きがあるというのを知らない人は多そうですね。
私も続きのお話は読んだことが無いので読んでみたいです。
続きがあるとといってもこの1冊内でしっかりとお話は終わっているのでまずはこの1冊だけ読んでみるのもありです。
絵も好みだったので、挿絵もあって嬉しかったです。
読みやすくそして面白いので子どもがふれるファンタジーの本としてぜひお勧めしたいと思います。おとなの私が読んでも面白かったです。
(みちんさんさん 30代・ママ 女の子2歳、女の子0歳)
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1度は読みたい!長く心に残る名作
エンデは天才!!
小学生だったでしょうか、最初に読んだのは。
モモと時間泥棒との攻防のドキドキハラハラ、息もつかせぬストーリーの面白さに夢中になりました。
それから何度も読み返し、中学生くらいになると「時間とは?」「本当の豊かさとは?」
ここにこめられた哲学のような深い問いに気づき、また深く夢中になりました。
それからずーっと大人になり、本棚の片隅にモモは黙って居ました。
そして8歳の息子の誕生日の夜から一ヶ月以上かけて一緒に読みました。1章が長いので、喉を枯らしながら。
そしてこのスピード感を味わってもらうためには、自分で黙読させて
一気に夜更かししてもらったほうがいいのかな・・と迷いもありつつ。
読みながら、記憶に残っていた以上にエンデの描くイメージの豊かさ、
その描写力に驚きました。
立ち上ってくるイメージのなんて豊かなこと・・!!
息子には少々抽象的で難しかったであろうマイスター・ホラの話・・
時間の花が咲いていくところなんて本当に哲学的で宗教的ですらあります。
でも息子も面白くワクワクしながら楽しめました。
頭の中できっと灰色の男達やベッポやモモをたくさん描いたでしょう。
挿絵は少しあるものの、モモの顔は分からないし、ちゃんと描かれているのは亀のカシオペイアだけですものね。
最近何かで読んだことですが、エンデがこの物語にこめたのは
本当は「時間」ではなく「お金でまわる世の中への警鐘」とのこと。
そうなのかな・・。
最後のページを読み終わった晩、私自身が時間の花の夢を見ました。
幸せな、カラフルな夢でした。
モモに時間の花を貰ったのかもしれません。
ミヒャエル・エンデは天才だ・・!とあらためて強く思いました。
(10月さん 30代・ママ 男の子8歳)
親にすてられたのに明るく文才のあるヨーニー、母思いのマルチン、力のつよいマチアス、ちびのウリーなど、個性のちがう少年たちの織りなす、悲喜こもごもの群像をみごとに描きます。
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文学への入り口に…日本の名作
今、話題の作品。小学生向けにはこちらをおすすめします!
「どう生きていこうか」「どう生きていくのが正しいだろうか」と考えるのは人間である証です。今の時代にこそ読んでもらいたい名著がハンディな児童向け文庫に!
読みやすいのは、有名なこちらの作品
外国の生活・文化・歴史に触れる名作
100年前の北米の森と草原を舞台に、少女ローラとその一家の開拓生活を描いた大河物語の1冊目。確かな生活の持つ迫力が、時と国境を越えて、読む者の胸にせまってきます。
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平和について考える名作
みどころ
やさしい両親に愛され、何不自由なく育ったチト少年の指には、不思議な力がありました。彼は、どこかに触れるたび、そこに落ちていた種を芽吹かせ、花を咲かせることができる「みどりのゆび」を持っていたのです。それだけではなく、とてもかしこく、物事の本質を見抜いてしまう子どもです。しかし、決まりきった考えや古い考え方にとらわれた大人たちは、「ほかの子どもと同じじゃない」と心配するのです。
悲しみや貧しさ、苦しさを見るたびに、チト少年はなにかをせずにはいられません。気がめいるような刑務所に花を咲かせ、囚人たちに感動する心と、草木を育てる楽しさを呼び覚まします。病院で出会った病気の少女を花で包み、笑顔と生きる喜びをもたらします。動物園では動物たちのふるさとの植物で檻をいっぱいにします。やがて、自分の愛するお父さんが武器をつくっている商人だと知ったチト少年は……。
本書のタイトルになっている「みどりのゆび(Green fingers)」という言葉は、草木を上手に育てる人のことを言う時に使います。枯れかけた植物をよみがえらせたり、見事なお花を咲かせたり。みなさんの身近にも、みどりのゆびを持つ人がいるのではないでしょうか。花や緑は、人を幸せな気持ちにしますよね。だから、チト少年は、世の中をもっとよくするには、花を咲かせればいいと考えます。えっ、それだけ!? と思われるかもしれませんが、意外なところに花が咲くことによって、町の外観や制度、そして人の気持ちまでもが、いい方向に変わっていくのです。
チト少年が何かを知るたびに抱く疑問は、シンプルで根本的で、心を深く揺さぶります。自分の頭で考えること、行動すること、自分にできる方法で周囲に希望を与えつづけること……。チト少年の姿を通して、人間が生きていく上で、忘れがちだけれど、忘れてはならない大切なものがたくさんつまった物語です。
「どうしてこの規則があるの?」「どうしてみんな同じじゃないといけないの?」こんな疑問を抱いた子どもたちに、ぜひこの本を手にとってもらいたいです。そして、自分にとっての「みどりのゆび」ってなんだろう? と、ゆっくり考えてみるのも素敵なことではないでしょうか。
(光森優子 編集者・ライター)
悲しみの果てから希望の海へ…。沖縄のこころをとおして生きることの尊さと人と人とのやさしさを,つきつめて問う新しい国民文学。
5年生で読んで人生を変えた本
自分が5年生の時、祖母から買ってもらった本。いじめっ子でガキ大将だった私が、初めて「人の痛み」とか「優しさってなんだろう」とかたくさん、たくさん考えた本。読み聞かせには向かないだろうけれど、高学年の子供たちには是非読んでほしい本の一つです。
(アボッチさん 40代・ママ 男の子14歳、女の子11歳)
小学校5年生、6年生への名作の手渡し方
小学5、6年生ともなると、本が好きな子とそうでもない子の差がはっきりしてきますね。本が好きな子は大人がすすめなくてもどんどん読むけれど、本に苦手意識があったり、読書に気持ちが向かない子への働きかけというのは本当に難しく、親御さんも学校の先生方も司書さんも、いつも頭を悩ませている永遠のテーマなのではないかと思います。
ですので、1つの方法ですぐにうまくいくとは限りません。ポイントとしては、いくつかの方法を合わせ技で試してみる、また、試してみてうまくいかなくても大人があきらめず、忍耐強く見守り、すすめていくことだと思います。こちらでも手渡し方のコツをできるだけたくさんご紹介しますので、長期戦を覚悟でいろいろ試してみていただければと思います。
名作を手にとってもらうための最初の1冊選びのポイント!
●まずは本の好みを探るために、名作を大きくジャンル分けして、どんなお話が読みたいかを聞く。
<質問例>
「リアル(現実の世界のお話)な話がいい?それともファンタジー(不思議な話や空想の話)がいい?」「楽しいお話がいい?それともちょっと怖い話がいい?」「物語と、ノンフィクション作品だったら、どちらが読みたい?」などなど。
●その子が興味を持っていること、好きなことに関連した本を手渡す。
友達関係?恋愛?家族?ペット(動物)?趣味?(スポーツ、お料理、お菓子作り・・・)
●長いお話が苦手だという場合には、短編集をすすめてみる。
その時に最初から最後まで全部読まなくても好きなお話だけ読むのでもいいよ、と読み始めの気持ちを軽くしてあげたり、あるいは、あらかじめ親御さんが先に読んで、特に読みやすく面白い話に付箋など印をつけて、そのお話だけでも、とすすめてみる
●同じ名作でも、さまざまな出版社から刊行されているので、その子がより読みやすそうな版のものをすすめる。
たとえば、今、充実している児童文庫(代表的なものに岩波少年文庫、福音館文庫、偕成社文庫、講談社青い鳥文庫、ポプラ社ポケット文庫、角川つばさ文庫など)をうまく活用するのもおすすめです。
※ただし、お話は同じでも、再話者によって文章量や文体が変わっていることが多いので、より元のお話に忠実なものから手渡したいと考える時には、岩波少年文庫や福音館文庫、偕成社文庫あたりから手渡してみることをおすすめします。
次に、手に取ったら、その本を読み通せるよう、応援してあげたいですよね。どんな風に応援してあげたら効果的なのでしょう。
小学校5、6年生の読書を応援する効果的な声かけポイント
●お子さんが読んでいる本に関心を持ち、質問する。
子どもたちは、読んでいる本を身近な大人と話すのが大好きです。話す機会が多ければ多いほどやる気が増してきます。ぜひお子さんが読んでいる本に関心を持って、「何読んでるの?」「それ、どんなお話?」「どこまで進んだ?」「今、○○はどうなった?」「お母さん(お父さん)も読んでみようかな?」など、たびたび(1日に1回ぐらいの多さでも良いぐらいです)本について話す機会を持ってみて下さい。
●家族で感想を交流し合う!
5、6年生向けの名作は、大人が読んでも驚くほど感動させられる作品がたくさんあります。ぜひお子さんと一緒に読んで、感想を交流してみて下さい。1冊の本について日常的に話す機会を増やすことが、お子さんの読書への意欲を大きく育てます。できれば中学年ぐらいから家族で本の話をするような習慣をつけておくのがおすすめではありますが、高学年から始めてみてもまだ遅くはありません。少しずつ本についての会話を家庭の中で増やしていくことをおすすめします。
●長い名作を区切って手渡す 名作の中には、お話の本題に入る前に、導入部分が少し長かったり、自然描写が続くようなものも多くあります。そこも名作の味わいの1つではあるのですが、現代の子どもたちは、すぐに何か事件や出来事が起こるお話を好む傾向があるのも確かです。ちょっと難易度の高い方法ではあるのですが、先に親御さんが読み、あらかじめお話が面白くなりだすあたりに付箋をつけて、「だまされたと思ってここまで頑張って読んでみて」などと促してみるのも1つの方法です。
最後に、親御さんに向けて・・・
小学校中・高学年に良い読書体験をさせたい!そんな人に。
子どもの頃、どんな本を読みましたか? 心を揺さぶられた物語、勇気をもらった言葉、憧れの主人公――小川糸、森見登美彦、宮下奈都、辻村深月、吉岡里帆をはじめ、作家、女優、映画監督ら70名が、「根っこ」となった大切な一冊について綴るエッセイ集。あの頃のドキドキやワクワクがよみがえり、大人になった心に響く一冊です。
手軽な楽しみの誘惑にさらされているメディア時代の十代.なぜ読書が思春期に「自分を育てる力」となりうるのか,そんな力になる本とはどんなものなのか,それらを手渡すにはどうすればいいのか.公立中学校の司書による奮闘レポートをもとに具体的に語る.好評『読む力は生きる力』『物語が生きる力を育てる』の実践編.
あわせて読みたい!
秋山朋恵(あきやま ともえ)
絵本ナビ 副編集長・児童書主担当
書店の本部児童書仕入れ担当を経て、私立和光小学校の図書室で8年間勤務。現在は絵本ナビ児童書主担当として、ロングセラーから新刊までさまざまな切り口で児童書を紹介。子どもたちが本に苦手意識を持たずに、まず本って楽しい!と感じられるように、子どもたち目線で本を選ぶことを1番大切にしている。著書に「つぎ、なにをよむ?」シリーズ(全3冊)(偕成社)がある。
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