籠池被告、一部無罪主張 森友補助金詐取で控訴審初公判
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学校法人「森友学園」の小学校建設計画を巡り、国や大阪府、大阪市の補助金をだまし取ったとして、詐欺罪などで有罪とされた学園の前理事長、籠池泰典被告(68)と、妻の諄子被告(64)の控訴審初公判が7日、大阪高裁(西田真基裁判長)で開かれた。泰典被告側は国の補助金詐取について改めて無罪を主張、諄子被告側は全面的に無罪を訴えた。
泰典被告側は国の補助金詐取に関し「故意や共謀はなかった」と説明。府市の補助金詐取については、量刑の軽い補助金適正化法違反にとどまると訴えた。検察側は、両被告側の控訴棄却などを求め、争う構えを示した。
一審で両被告側は無罪を主張し、検察側はいずれも懲役7年を求刑していた。
2020年2月の大阪地裁判決は泰典被告を犯行の中心的な立場にあったとして懲役5年とし、諄子被告は府市の補助金詐取を無罪とした上で、国の補助金詐取で懲役3年、執行猶予5年としていた。
両被告は午前9時50分ごろに裁判所に到着。ともにマスクを着け、泰典被告は薄いグレーのスーツ、諄子被告は赤のワンピース姿。報道陣に会釈をしたが無言だった。
判決によると、両被告は11~17年、大阪府豊中市の国有地で開校予定だった小学校の建設費を水増しして国の補助金約5644万円を詐取。泰典被告は教員数などを偽り、府市の補助金計約1億2千万円を詐取した。〔共同〕