今回は、1000円スコッチの一つ、ティーチャーズで、現在販売されている2種類のボトルを飲み比べてみます。

ティーチャーズは現在、オリジナルボトルであるハイランドクリームと、2018年に日本限定で販売を開始したセレクトの2種類があります。
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ハイランドクリーム

ティーチャーズの生みの親、ウィリアム・ティーチャーが手がけたボトルで、ヘビーピートのモルトをキーとしたブレンドに仕上げられていたそうです。

彼の子の代になって、ハイランド地方中東部にアードモア蒸溜所を建設し、そこで作られるヘビーピートモルトをハイランドクリームのキーモルトとして使っています。

セレクト

ティーチャーズがビーム・サントリーの傘下に入ったことで生まれたボトルで、ブレンドにはサントリーのブレンダーが参加し、日本人向けにスモーキーさを抑え、ハイボールでも甘みを楽しめるものに仕上げられています。

では、実際に比較します。

ライトなセレクト、ディープなハイランドクリーム

グラスからの香り、液色

ハイランドクリームは、燻製のようなスモーキーな香りの奥からバニラの香りが感じられます。
一方でセレクトは、ハイランドクリームよりもラムレーズンの香りが目立って感じられます。

液色はどちらも中庸な琥珀色です。

ストレート

まずハイランドクリームは、まさに煙を嗅いだかのような灰がかったスモーキーな香りが広がり、奥からブドウ、そしてバニラの香りが続きます。
味わいは、アルコールからの辛みはそこそこあるものの、その後は酸味が全体に広がります。

一方でセレクトは、ヨードっぽさを持つスモーキーな香りが先に現れ、後からラムレーズンの香りが広がります。

味わいは、ハイランドクリームよりも辛みが強く、酸味は少々抑えめで後から甘みを感じます。

ロック

まずハイランドクリームでは、ヨードっぽさを伴うスモーキーさが先に訪れ、その後にラムレーズン、バニラが続きます。
味わいは、苦みが先に来るものの、その後に甘みがメインになり、酸味もそれなりに感じます。

一方でセレクトでは、先にレーズンが香り、スモーキーさはなりを潜めます。その後もリンゴ、蜂蜜の甘い香りが続き、最後はカカオの渋さで締めます。

味わいは、甘みが前に出て、苦みは少ないです。酸味も後からやってきます。

ハイボール

ハイランドクリームでは、ヨードっぽいスモーキーさの後にバニラの甘い香りが続き、後からブドウの香りも得られます。
味わいは、苦みが強めになり、酸味が後から追いかけてきます。甘さはほとんど感じません。

一方でセレクトは、ヨードの香りはあるもののスモーキーな印象が薄く、リンゴの香りが現れてきます。
味わいは、ほろ苦さが先に来た後、酸味が強めに感じられます。こちらもあまり甘さを感じません。

まとめ

ハイランドクリームは、純粋にスモーキーと感じられ、酸味が主体になるブレンドになっていますが、セレクトはそれよりも甘みが目立つ印象です。

ハイボールにしても、ハイランドクリームはスモーキーさが強いものになりますが、セレクトはそれを抑えてフルーティさを強調した印象に仕上げられているのがわかります。

ウイスキーに慣れていない人であれば、どのような飲み方であってもセレクトの方がおすすめできます。
一方でウイスキーが好きでもスモーキーなものが好みだという人に対しては、ハイランドクリームをおすすめしたいと考えます。

どちらもアルコール度数40度、700mL。
価格はハイランドクリームが1100円ほど、セレクトが1200円ほどです。