「すべての街は魅力的」のモットーでメディアを運営しているSUUMOタウン編集部。先日発表された「都道府県魅力度ランキング2020」*1で、栃木がなんと最下位に……。「栃木の良さを伝える記事をつくらなきゃ!」ということで、『宇都宮観光プロモーションPR大使』を務めるBEYOOOOONDSの高瀬くるみさんに急遽オファー。地元への愛を語っていただきました。
栃木が魅力度最下位? ちっともわかってない!
―― 高瀬さん高瀬さん、大変です。都道府県魅力度ランキング2020、なんと栃木が47位になってしまいました。
高瀬くるみ(以下、高瀬):そうなんですよ! 栃木県って良いところたくさんあるのに、みんな知らないだけだと思います。
―― 早速プレゼン、お願いします!
前のめりに栃木県の基本情報を語り出す熱心な高瀬さん
高瀬:まず、観光の観点でいうと、都心からのアクセスの良さは日帰り小旅行に最適です。動物園や公園などのレジャー施設だけでなく、那須塩原や鬼怒川などの温泉地もあります。手ごろな価格で泊まれて、自然が豊かなので部屋から景色を眺められる宿も多数あります。私はずっと栃木に住んでいたけど、家族で県内旅行をたくさんしていました。
―― 栃木県、たくさん観光地がありますよね。
高瀬:父がアウトドア好きなので、小さいころから土日はいろんな場所に連れて行ってもらいましたね。鬼怒川は足湯巡りができるし、那須は牧場がたくさんあって動物王国なので、本当に家族旅行にぴったりです。県民が行っても毎回楽しめるし、県外の方はもっと面白いんじゃないかな? と。宇都宮市内なら、「若竹の杜 若山農場」もおすすめ。冬の夜は、季節限定のライトアップが楽しめちゃうんです。
―― そんな栃木の総合的魅力ポイントは?
高瀬:やっぱり田舎っぽい自然豊かなところと、宇都宮みたいに栄えている場所と、両方楽しめるところ! 東京方面からの日帰り小旅行に、とても適しているんじゃないかな? と思うんです。
―― 確かに、箱根・草津に押されがちだけど、栃木も観光にちょうどいいんですよね。
高瀬:塩原温泉「とて焼」はクレープみたいに楽しめるし、宇都宮駅前だけでも、餃子のお店がたくさんあります。サッと立ち寄って、ちょっとずつ食べ比べるのも面白いと思いますよ。定番だけでなく、変わり種餃子もあるんです。チーズやキムチ、シソ系などのベタなメニューから、「ジャンボ餃子」もたくさん。餃子専門店激戦区だからこそ、どこのお店も工夫しています。
―― 高瀬さんの、推し餃子はありますか?
高瀬:全部美味しいっていう前提なんですけど、定番の「宇都宮みんみん」さん、「正嗣(まさし)」さん。思いっきり食べ比べをしたいときは、複数の店舗が入っている宇都宮駅近の「来らっせ」さんがおすすめです。
栃木県民、餃子は家でつくることが多いんですけど、プロのお店のを食べたくなるときはお持ち帰りの生や冷凍餃子を買って帰ります。美味しい餃子をたくさん知っているからこそ、スーパーで売っている餃子をなんとなく食べても、物足りなくなっちゃうんです。
宇都宮、住むにも便利です!
観光と暮らし、どっちもいいぞ、宇都宮!
―― 宇都宮は観光だけでなく、住宅地としても魅力的ですよね。
高瀬:若干距離はあるけれど、都心までの交通アクセスはすごく良いです。湘南新宿ライン1本で乗り換えなしだし、お金に余裕があれば新幹線という選択肢もあるし、東京で働く人も通える範囲内です。
―― リモートワークの普及によって、宇都宮への移住を検討する人も増えているようですね。
高瀬:街自体が結構栄えているので、生活に困ることはまったくないです。ちょっと足を延ばせば温泉もあるし、気分転換もできる。とにかく、住み心地が良いんですよ。こんなこと言うとちょっとおかしいんですけど、「~~がめちゃ最高です!」っていうよりも、「マイナスポイントがない」イメージなんですよ。宇都宮って。
―― 総合力がめちゃめちゃ高いぞ、宇都宮! と。
高瀬:最近は大型マンションもたくさん建設中ですし、移住受け入れ体制、出来てます! 現実的にね、都内より家賃相場も安いですし。
「スーモくんっぽいふわふわニット着てきました!」という高瀬さん、物件相場の話まで、ありがとうございます
―― そうですよね。SUUMOの家賃相場を見ても東京と比べてだいぶ安いです。
高瀬:あと、あんまり気負わずに歩けるのもいいですよね。宇都宮の中高学生はだいたい「ベルモール」「インターパーク」「ララスクエア(現在はトナリエ宇都宮に名称変更)」によく行くんですけど、私も学校指定のダサいジャージのまま遊んでいました(笑)。
―― 気楽でいいですね。
高瀬:でも宇都宮も、最近お店がどんどん増えていてびっくりしますよ。中心地にあるアーケード型商店街「オリオン通り」エリアも、最近の盛り上がりはすごいです。オリオンスクエアの目の前にある「宮カフェ」は、私が中学生のころに「宇都宮におしゃれなお店が出来てる!」と衝撃を受けたお店です。1階が農産物などの栃木名物直売所で、2階がカフェになっているんです。当時はまだ東京を知らなかったから、憧れでした。
―― たしかに、数年前から宇都宮はカレーやコーヒーショップなども増えていますよね。
高瀬:「THE STANDARD BAKERS」もおすすめです。栃木県内には宇都宮の大谷本店と、日光にも店舗があります。パンがメインの、素敵なカフェです。「大谷石」の採石場の近くで、外観もとっても雰囲気があるんですよ。
おしゃれなスポットが増えたし、どんどん、外から人を呼び込める街になっていると感じます。きっと、日本全国どの街も住めば都だから、「宇都宮が最高!」とは言えないですけど、拠点としてはとてもおすすめです。
―― 生活コストが安く済むし、たしかにたいへん魅力的です。
高瀬:そうですね。県内には野菜などの直売所がたくさんあります。なかでも私の一押しは「ろまんちっく村」です。いわゆる道の駅なんですけど、とにかく広大! プールもあるし、宿泊施設もあるんですよ。
―― 道の駅なのに、ホテルもあるんですか。すごいですね。
高瀬:そうなんです。綺麗な温泉もあるし、体験農場や森遊びができます。ドッグランの施設もあるし、とにかくすごくって。ろまんちっく村だけでなく、いろんな場所で栃木の農作物が買えるから、小さいころから野菜を眺めるのが好きでした。母の料理のお手伝いをしながら「おじいちゃんの家で採れたナスより、こっちの方が大きいね」とか、おしゃべりしてましたね。
高瀬さんは、野菜ソムリエの資格も持つ、超料理好きです
宇都宮って、「餃子のまち」「カクテルのまち」「ジャズのまち」「自転車のまち」「百人一首のまち」「大谷石のまち」「妖精のまち」などなど、たくさんのキャッチコピーがあるんです。それぞれがしっかり売り文句になってるくらいだから、いろんな魅力があるんですよ。
宇都宮市の中心街にある「栃木県中央公園」も、のんびりお散歩するのに最適です。
栃木時代から夢見ていたアイドルの世界
―― 高瀬さんは、芸能界を夢見て、小さなころから地元で活動していたんですよね。
高瀬:地元のミュージカルスクールに通っていました。小さいころから、お遊戯会に全力で取り組むタイプの子だったらしくて、母親が通わせてくれたんです。最初のころはお仕事ではなく、習い事と同じ感覚だったんですけどね。お芝居やフラダンスのレッスンを受けて、定期公演でステージに立っていました。
スクールでの経験が、BEYOOOOONDSの寸劇にも活きているそう
―― 習い事感覚から「プロになるぞ!」とスイッチが入ったきっかけはあったんでしょうか。
高瀬:小学校4年生くらいのころですかね。友達が公演を観に来てくれたことがあって、チケット代のやりとりが発生したときに、「私、お金をいただくんだ」と、プロの自覚が生まれたのを覚えています。
―― ミュージカル女優になる道もあったはずが、なぜアイドルに?
高瀬:ミュージカルスクールに通っていたころから、地域のお祭りでJ-POPカバーを歌っていて、その延長でアイドル活動を始めたんです。アイドルは、コールなどの反応をすぐもらえるし、ファンの方が楽しんでいる様子がよく見えるから楽しくって。
―― 栃木で地域密着型のアイドル活動をしていたところから、ハロー! プロジェクトで全国区のアイドルを目指すようになったのはなぜですか?
高瀬:栃木でアイドル活動をしていた時、東京のイベントに呼んでいただくことが多かったんです。栃木県内のイベントは、コアファンの方だらけで。東京で「このアウェイで、どうやって私たちを好きになってもらえばいい?」と考えるうちに、もっともっと挑戦したくなってきたんです。
逆境に燃えるタイプ
私が栃木でアイドルとしてステージに立っていたとき、メンバー9人に対してお客さん1人だったこともあります。地元のイベントって野外のステージが多いので、真夏にメンバーが倒れることもあったくらい過酷。かなり鍛えられましたね。当時の経験は今も役立っていて、メンバーの様子をステージ上でもよく見るようにしています。
―― 高瀬さんはBEYOOOOONDSでも、年長者としてグループを牽引する存在ですものね。
高瀬:いやいや、まだまだです。でも、私のことを地元から送り出してくれた方々が「ハロプロの高瀬くるみは昔、栃木で頑張ってたんだよ!」と自慢してくれるような人間にならなきゃいけないと思っています。私は栃木に育ててもらったなという気持ちが本当に強いので、もっともっと世の中のみなさんにBEYOOOOONDSのことを知っていただいて、最終的に観光PRのお仕事で、栃木に貢献したいですね。
お話を伺った人:高瀬くるみ
令和元年8月BEYOOOOONDSとしてシングル『眼鏡の男の子/ニッポンノD・N・A!/Go Waist』でメジャーデビュー。同作はオリコン1位を獲得。雨ノ森 川海のリーダーも務める。2020年秋より『宇都宮観光プロモーションPR大使』として、地元の魅力を伝えるべく奮闘中。
聞き手:小沢あや
コンテンツプランナー / 編集者。音楽レーベルでの営業・PR、IT企業を経て独立。Engadget日本版にて「ワーママのガジェット育児日記」連載中。SUUMOタウンに寄稿したエッセイ「独身OLだった私にも優しく住みやすい街 池袋」をきっかけに、豊島区長公認の池袋愛好家としても活動している。 Twitter note
*1:ブランド総合研究所による「地域ブランド調査2020」より https://news.tiiki.jp/articles/4587