予備試験無双

令和2年予備試験合格(短答・論文・口述全て二桁前半の順位)

【令和3年版】予備試験の論文過去問に重要度ランク付けてみた

 こんばんは、アポロです。今日は、「令和3年予備試験との関係での予備過去問の優先順位」について書きます。そもそも、私は、過去問から学ぶべきことは大きく2つだと考えます。

 1つ目は、「どのような知識が問われているかを学ぶ」ということです。過去問で問われた知識は基本的に知らないといけませんし、どのレベルの知識が、どのような角度から問われるのか、ということを学べれば、出題予想も立てやすいからです。

 2つ目は、「体験する」ということです。やはり予備試験と完全に同質の問題を予備校が作ることは不可能であり、試験のレベルより答練等のレベルの方が遥かに低いこともあります(難易度・時間制限等)。また、民事系科目については、予備試験と答練等では頭の使い方が若干違います。そのため、民事系科目では特に過去問の必要性を感じます(その他の科目は答練と本番の質にそれほど乖離はない気がする)。

  もっとも、過去問を全て書くというのは、多くの受験生にとって事実上不可能であるし、流石にその必要はないと思っています。そこで重要になるのが、「ランク付け」だと思います。そこで、以下のように独断と偏見でランクを付けてみたので、参考にしてみてください。基準としては、①再度の出題可能性があるか、②予備試験特有の頭の使い方が学べるか、③難しすぎないか、という観点から主にランク付けしています。

 Aランクの問題については、特にまだ書いたことない人は答案作成するのが望ましいです。時間がなくても答案構成はした方が良いです。B+ランクの問題については、答案構成するのが望ましいです。時間がなくても問題と解答例には目を通した方が良いです。Bランクの問題については、問題と解答例に目を通せば十分です。時間がなければスルーして良いです。Cランクの問題については、スルーして良いです。

 以下、【令和2年版】から修正した点について書きます。まず、令和2年司法試験・令和2年予備試験・令和3年司法試験で出題された分野については、令和3年予備試験での出題可能性は低いと考えるのが合理的なので、その辺を加味してランクを修正しました。また、令和3年予備論文まで残り3週間しかない以上、Aランクの問題が多いと受験生が復習し切れなくて不安になることも考え、ランクは若干厳しめにつけました(Aランクの問題は各科目2つに絞った)。

 以下のランク付けは、あくまで私の独断と偏見に基づいています。「このランク付けが絶対に正しい」等と言うつもりは全くありません。なので、違和感のあるランク付け・納得のいかないランク付けがあれば、もちろんご自身の直感・考えを優先して下さい。その点だけは、重ねて強調しておきます。

 

 

憲法

平成23年…B+(平等権は再度出題される可能性高い)

平成24年…C(統治)

・平成25年…B(難問)

平成26年…B+(人権選択の練習)

平成27年…C(統治)

平成28年…B(難問)

・平成29年…B(財産権はしばらく出ないはず)

・平成30年…B(ちょい統治)

・令和元年…A

 この年から形式が変わったので、言うまでもなく超重要事実を拾う感覚も体験できる

・令和2年…A

 令和元年同様、二者間形式の問題として超重要表現の自由という頻出分野からの出題なので、令和元年よりも汎用性のある問題として重要度が高い事実を全部拾うこと・対立軸を沢山抽出すること・可能な限り適切な評価を加えること、を意識して欲しい

 

行政法

平成23年…B(処分性・義務付け訴訟)

平成24年…B+(本案勝訴要件)

・平成25年…B+(仮の救済・原告適格

平成26年…C(謎の形式・難問)

平成27年…B(処分性・信義則)

平成28年…A

 裁量基準に関する論点は、司法試験では超頻出令和3年司法試験でもこの論点はカスっているが、正面から問われたわけではないので、予備試験にも出題される可能性はある時間的にタイトな問題なので書く練習にもなる併せて「個別審査義務」の出題パターンも要復習

・平成29年…B+(品川マンション事件・原告適格

・平成30年…B(処分性・本案勝訴要件)

・令和元年…A

 今年の予備試験は、原告適格の出題可能性が極めて高いというのも、令和2年司法試験・令和2年予備試験・令和3年予備試験で処分性が問われ続けているため、そろそろ原告適格が出題されるはずだからである平成25年・平成29年にも原告適格は出題されているが、主張反論形式ではない平成25年・品川マンション事件の癖が強い平成29年より重要度が高いまた、令和元年は、あえて非常に書きにくい設問にしており、近年の傾向にも沿う

・令和2年…B(行政契約・処分性)

 

民法

平成23年…B+(良問)

平成24年…C(謎の形式・難問)

・平成25年…B+(旧民法への問題提起)

平成26年…B+(契約不適合)

平成27年…A

 共有に関する条文が改正されるので、共有に関する条文・論点は再度狙われる可能性があるまた、事案がやや複雑であること・具体的妥当性を図る必要があることから、正に予備試験民法の真骨頂ともいえる問題であるこの頭の使い方は、答練・模試で学ぶのは困難

平成28年…B(損害ゲー・難問)

・平成29年…B+(良問)

・平成30年…B(不法行為債務不履行・詐害行為取消)

・令和元年…A

 平成27年と同様に事案がやや複雑であることに加え、ややマイナーな条文の要件に当てはめることが要求されるので、現場思考型問題の良い練習になる令和3年司法試験で準委任が出題されたように、予備試験でもややマイナーな条文の当てはめが求められる可能性があるまた、当事者の生の主張から法律論を組み立てる必要があるので、その辺の感覚も確認できる

・令和2年…B(代理・債権者代位・詐害行為取消)

 

〜商法〜

平成23年…A

 条文操作に失敗すると論点が出てこないので、改めて条文の重要性を確認できる商法の典型論点は、周辺の条文を確認しながら復習したいまた、設問2に現場思考の難問が出題されており、令和2年の雰囲気に近い再現答案を分析して、現実的な合格答案のレベル・現場での正しい振る舞い方を確認したい

平成24年…B+(ちょい手形)

・平成25年…B(他論点)

平成26年…B(やや難問)

平成27年…B+(事業譲渡)

平成28年…B+(ちょい手形)

・平成29年…B(仮装払込み)

・平成30年…A

 設問1が現場思考・設問2が単純な条文操作という順番であり、令和2年とは逆とも言えるこのパターンの正しい振る舞い方も確認したい利益相反取引という分野自体の出題可能性は高くないが、具体的な数字に食らいつく姿勢は商法で重要なので、その意識を再確認したい

・令和元年…B+(やや難問)

・令和2年…B(多重代表訴訟)

 

民事訴訟法〜

平成23年…B(死者名義訴訟)

平成24年…A

 非常に難しいが、既判力の理解を深めるには良い問題既判力の書き方も確認したい

・平成25年…B(債権者代位訴訟)

平成26年…B(訴訟承継)

平成27年…B+(費目の流用・一部請求)

平成28年…B+(弁論主義)

・平成29年…B(将来給付の訴え・相殺の既判力)

・平成30年…B+(複雑訴訟)

・令和元年…A

 独特の出題とも言えるが、令和2年司法試験にも似たような頭の使い方をする問題があった問いかけから論理的に考え、それを上手く表現できないと、論点に繋げられない何を書くかよりも「どう書くか」という部分にこだわって欲しい民訴はこういう部分で差がつく科目

・令和2年…B(訴えの利益・既判力)

 

〜刑法〜

平成23年…B+(因果関係)

平成24年…A

 典型論点の組み合わせの中に応用論点が入っており、非常にバランスの良い問題意外と書くことが多く、油断していると時間不足になる刑法が論理の科目であることを確認し、「矛盾しそうなことは絶対書かない」という意識を強く持ちたい

・平成25年…B+(共謀の射程)

平成26年…A

 とにかく論点が多く、本当に時間が足りないこの問題を時間内に書ければ、本番は余裕

平成27年…B(賄賂)

平成28年…B(放火)

・平成29年…B+(因果関係)

・平成30年…B+(共謀の射程)

・令和元年…B(横領と背任の区別)

・令和2年…B(詐欺)

 

刑事訴訟法

平成23年…B(差押え)

平成24年…A

 強制処分の処理手順を確認したい予備試験にはしばらく出てないので、今年こそ出そう

・平成25年…B(難問・平成29年に焼き直し)

平成26年…A

 重要論点を詰め込んだ問題で、最後の秘密録音をどこまで書くかが非常に悩ましいこういう出題がされた場合に「何を削るべきか」という現場での感覚みたいなものを磨いて欲しい

平成27年…B+(写真撮影・伝聞法則)

平成28年…B(再逮捕再勾留・同種前科による立証)

・平成29年…B+(現行犯逮捕・訴因)

・平成30年…B(所持品検査・違法収集証拠排除法則)

・令和元年…B(違法逮捕後の勾留)

・令和2年…C(一事不再理

 

〜法律実務基礎科目(民事)〜

平成23年…B

平成24年…B

・平成25年…B

平成26年… B+(この年から準備書面問題が出ている)

平成27年…B+

平成28年…B+

・平成29年…B+

・平成30年…B+

・令和元年…A

 非常に簡単なので、制限時間より余裕を持って書き終えたいこだわって欲しいのは、準備書面問題ここは深く分析する価値があるなお、実務基礎科目は、過去問の内容が繰り返し問われること・知ってるか否かで勝負がつく設問も多いことから、過去問は網羅的に復習する必要がある令和元年・令和2年を便宜上Aランクにしたのは、難易度・時間制限・事実認定の感覚が今年の問題にも近いと想定されるからにすぎないこのことは刑事にも当然妥当する

・令和2年…A

 令和元年同様、準備書面問題にこだわって欲しい時間がなければここだけ書くのもアリ

 

〜刑事実務〜

平成23年…B

平成24年…B

・平成25年…B

平成26年…B

平成27年…B+(この年から出題傾向が変わった)

平成28年…B+

・平成29年…B+

・平成30年…B+

・令和元年…A

 事実認定問題にこだわって欲しい

・令和2年…A

 事実認定問題にこだわって欲しい

 

 

 こんな感じですかね〜。異論もあるかと思いますが、あくまで個人的見解なので、そこは許して下さい笑。では、今年の予備論文を受験する方は、ラストスパートを走り抜けて下さい!