「予算はオリパラ開閉会式で10億円」佐々木氏が明かした“重要証言”
僅か2カ月半後の5月19日、MIKIKO氏は“黒幕”髙田氏によって排除されてしまう。代わりに責任者となったのが、佐々木氏。彼女の企画案を切り貼りしたりする一方で、
「MIKIKO氏と違って、“口利きリスト”もどんどん引き受けていった。今年2月頃の佐々木体制時代の企画書には、木材を使った五輪マークのまわりを火消しの男性たちが取り囲む図が見られます。海老蔵がステージ上で1人で舞う演出も盛り込まれていました。“政治案件”なども巧みに捌いていく電通出身のクリエイターらしいやり方です」(同前)
そんな佐々木氏だが、小誌の取材に、ある“重要証言”をしていた。3月6日、佐々木氏に電話をかけたところ、侮辱演出案について反省の弁を述べるとともに、こう明かしていたのだ。
「私が責任者になった当初、現場の人間に『今、どれくらいの予算が残っているのか?』と聞いた。そしたら(オリパラ開閉会式)4式典で10億円だと。延期前までは130億円の予算が計上されており、80億円くらいは残っていると思っていたんですが……。嵐のライブでも10億円はかかると言いますから、これでは厳しい。(組織委は予算を35億円追加したが)演出に使っていい額はそんなにプラスされないんで」
佐々木氏は責任者を辞任した際の謝罪文でも、残り予算が4式典で10億円だと言及。事実であれば、組織委は120億円をすでに支出していることになる。
「10億円は少し大げさですが、MIKIKO氏の案は完成目前の段階でしたから、資材など含めて多くの費用を支出している。だからこそ、彼女の案を生かすべきだったのですが、佐々木氏の意向で結局、一から企画を作り直すことにしたわけです」(前出・電通幹部)
10億円問題に関し、武藤氏は会見で「受託会社(電通)が運用している」と回答。電通に尋ねたところ、
「守秘義務契約上、詳細は回答しかねます」
MIKIKO氏からのメール
度重なる責任者交代、膨れ上がる予算。その過程で起きた政治家の口利き。MIKIKO氏に再び事実確認を求めたところ、メールでこう返答があった。
「公式コメントを出すことができ、自分の中でも区切りがつけられたと思っています。私が喋ることができるのはあのコメントが全てです」
区切りをつけたMIKIKO氏は今、手掛けるアーティストの仕事や新作の準備を進めているという。