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五輪への介入に否定的だった菅首相も……

“口利きリスト”には、菅義偉首相(72)も含まれていた。“女性蔑視”発言を巡って森氏の進退が問題になった際は、政府からの独立性を理由に介入に否定的な認識を示していたが、

「官房長官だった菅氏は観光立国の起爆剤として、北海道のアイヌ文化施設『ウポポイ』の開設に力を注いできました。一方で菅氏は沖縄担当相も兼務しており、琉球にも目配りする必要があった。そこで『アイヌと琉球民族を完全に同等の扱いにするように』などと演出内容まで細かく指示していました」(官邸関係者)

官房長官時代の菅氏も

 ただ少数民族の出演は、もとより多様性を掲げる五輪のセレモニーに必須だ。「菅氏に言われるまでもなく、MIKIKO氏のチームも当初から大事に考えていた部分でした」(前出・組織委関係者)

 菅首相からは期日までに回答はなかった。

小池都知事「火消しと木遣りを演出に入れて。絶対よ」

 彼らだけではない。森氏や首相と“犬猿の仲”で知られる小池百合子都知事(68)に関しても新たな情報が寄せられた。小池氏は、都庁からの出向者などを通じて組織委側にこんな要望を伝えていたという。

小池氏が“ゴリ押し”したのは……

「火消しと木遣りを演出に入れて。絶対よ」

 消防文化の始まりとされる江戸の火消しは「木遣り」という労働歌を掛け声にしていた。こうした文化を盛り込んでほしいというのだ。小池氏周辺が語る。

「火消し団体の総元締めである『江戸消防記念会』はもともと自民系の団体です。ところが、16年に小池氏が自民党を飛び出して都知事選に出馬した際、江戸消防会の一支部が小池氏を支援したのです。“都議会のドン”こと内田茂氏は『この支部の幹部を除名しろ』と激怒したのですが、こうした圧力を撥ね除け、街頭演説でも木遣りを披露して応援した。この恩義を、小池氏は五輪で返そうとしたのではないでしょうか」

 当該支部の会員が語る。

「小池さんは我々の団体を大事にして下さる。それで2、3年前、幹部が『五輪に参加させて下さい』と知事室に陳情に行きました。小池さんは『勿論ですよ!』と言ってくれた。結局、五輪ではなくパラリンピックの閉会式で、聖火がふっと消える瞬間に俺たちが出る予定だと聞いていました」

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