市川海老蔵の出演は必須…注文の多い森喜朗
その後、MIKIKO氏は19年6月、五輪の開会式の演出責任者に就任。それからというもの、MIKIKO氏は「五輪が終わったら引退する」と漏らすほど精魂を傾けたという。
だがMIKIKO氏には企画案を練るにあたり、頭を悩ませたことがあった。冒頭に紹介した政治家たちの介入である。
「中でも注文が多かったのが、森氏。同じマンションで、昵懇の仲の電通ナンバー2の髙田氏を通じ、様々な案件を持ち込んでいったのです」(電通関係者)
森氏は電通から実質的に400万円の献金を受けるなど、同社と関係が深い。実際、電通を介して持ち込まれた森氏の要望には、錚々たる面々が名を連ねていたという。
「筆頭格は、歌舞伎役者の市川海老蔵(43)です。森氏が彼の出演を必須としていることは、内部の文書にも記録されていました。海老蔵は昨年5月に十三代目市川團十郎を襲名予定だったため、森氏が『襲名祝いにしてやってくれ』と求めていたのです」(同前)
さらに、横綱・白鵬(36)やX JAPANのYOSHIKI(55)らの名前も挙がっていた。森氏のスポーツ、芸能人脈に連なる人物だ。
「白鵬は父親が64年の東京五輪にレスリングで出場しており、自身も五輪での土俵入りを熱望。実際、森氏も19年1月、白鵬の史上初の幕内1000勝達成を記念する祝賀会に参加し、『五輪の時には何かの役割を担ってもらいたい』と挨拶していました」(同前)
かたや、YOSHIKIは途中で“リスト”から漏れてしまったようだ。
「YOSHIKIがしつこかったこともあり、『森氏が“アイツはもういい”と断った』と内部では言われていました」(同前)
YOSHIKIの事務所に事実関係を尋ねると、
「本人から依頼した事実はありません。何人かの方々の好意で以前推薦していただいた事があると聞いています。オリパラについては開閉会式を問わず、森喜朗氏と会話レベルで話し合いが行われたことはあるようですが、どこかの時点で意見の相違が生じたと聞いています」
森氏にも確認を求めたが、
「すでに組織委の会長を辞任しており、内部の議論の一部を述べることは、守秘義務の観点からも適切ではなく、回答は控えます」