雑誌なんかについてる読者アンケートはがき、どうしてますか。
あれ書くの楽しくて好きなんですが、先日知人と雑談してたら「たまにプレゼント応募のために書くけど結構大変」「書きたいことはあるが文章にならない」「全部埋めるのが面倒」という話になりました。
別にアンケートなんて義務でもないし、大抵郵送費自腹だし、気が向かなければ答えなくてもいいんだけど、私は書くの好きだし楽しいし、こんな感じで書いてますという話です。
そもそもどうして書いているのか
※前置きが長いので書き方だけ知りたい人は飛ばしていい項目
さっきも書いたけど大抵郵送費自腹なんですよねアンケート。
だから「内容がよかったので感謝を伝えたい」「金払ったのが癪なので文句言いたい」「取り上げて欲しい人や企画がある」「プレゼントに応募したい」のいずれかの理由がなければ別に書かなくてもいいと思う。
私は贔屓にしている役者さんが何人かいるので、そういう人が載っている雑誌を買ったときとか、すごく役に立った企画があったときは、また取り上げて欲しいな~と思って書いています。あとプレゼント応募。
逆にいえば、わざわざ金払ってまで送っているので、少なくともそれくらいの重さはあると思う。(思いたい)
というのも、かつてジャンルは違えども、答えてもらう側の仕事をした時期がありまして、そのときアンケート回答を舐めるように読んでいたんですね。
どれだけ根詰めてこだわって世に出しても、「買ってもらう」ことにこぎつけるまでが大変だし、「買ったあと」の感想は更にわからない。
「買った甲斐あった!」なのか「買って損した!」なのかがわからないって恐怖だし、下手したら間違った方向のまま物を作り続ける可能性もある。
もちろんエゴサやパブサもバリバリするんですが、「お金を出している(また出してくれるかもしれない)ことがわかる層からの要望」という客観データはGOサインを出しやすくなる(要は予算の確保の決め手になる)し、どんな意見も作り手のモチベーションになるので、自分も書くようになったのが大きいです。
あと企画屋は長く続けているとどうしても視野が狭まるし、常に締め切りに追われているし、本当にネタがなくて常にヒントを求めているので、要望に関してはどんな無茶ぶりでもあわよくばと思い続けている。
上記はあくまで私の経験なので、話半分に聞いてほしいけれども、ご意見や反響については、そりゃあないよりあったほうがいいのは、どこも同じだと思います。
記入例
ここからが本題で、私はこんな風に書いてるよという話です。
あくまで一個人が経験から想像してこういう書き方をしているだけなので、これが正解ってことはないだろうし、なにが良いかは媒体によりけりだと思うのですが、「答える気はあるのだが、何書いていいのかわかんない」という方のヒントになれば嬉しい。
今手元に2枚の読者アンケートがあるので、それを元にしています。
今回は映画雑誌と俳優誌なので例に偏りがあるけれど、どんなジャンルでも根幹は一緒だと思うので適宜応用してください。
1.どの記事が目的で購入したか(購入動機)
まだ読んでなくても書ける項目。
「(人名/作品名)が取り上げられていたから」
「(企画名)が気になったから」
など、端的かつ率直に。
購入動機は「この(人/作品/企画)を載せておけば一定層が釣れる」という、人気(もっと言えば出費)のバロメーターになる項目かなと思っています。
もう一歩踏み込む場合は
「○○の写真が良かったので」
「○○のページ数が多かったので」
「○○のインタビューを読みたかったので」
など、求めている記事の種類(グラビアなのか、文章なのか、ピンなのか、対談なのか)や、響いた要素(質なのか、量なのか)を付け加えたりも。
「○○が載ってるなら小さい記事でも絶対買う!」人もいれば、「今回は見送ろうかな」という人もいるわけで、まず「買おうと思う人が多い内容(人/作品/企画)」、次に「なんで見送らずに買ってくれたのか」が知りたいポイントかな~と。
あと企画側として嬉しいのは「(キャッチコピー)のインパクトが強かったので」とかだったりする。これは読者側に利益あんまりなくて申し訳ないけれども、作り手のモチベーションや給与アップに繋がるので、ぐっとくるのがあったらよろしくお願いします。
2.発売を知ったきっかけ
これは事前告知や広告の効果が出ているか、もしくは拡散力があるかどうかを判断する項目かなと。
なので「複数箇所で告知を見かけたけど、ひとつしか書けない」というときは、知ったタイミング関係なしに一番力を入れて応援している媒体を記入しています。
たとえば「応援している役者が出演するドラマの特集が掲載される」というときに、「雑誌側の告知」「ドラマ公式の告知」「役者公式の告知」の、全部を見かけることがあるけれど、そういうときは「役者公式の告知」を書く。(もちろん複数回答可能な時は全部書く)
1と一緒で、ちょっとでも集客力があるよ~、拡散力があるよ~、人気があるよ~、というアピールの力添えになればいいな~という気持ちです。
3.良かった記事/写真とその理由
この項目、明確に目当ての人や企画があってそれを目的に買った場合、その記事や写真(=「1.どの記事が目的で購入したか」)を書きがちなんですが、そしてもちろんそれを書いてもいいんですが、最近は雑誌全体を見渡して、購入動機と別のものを書くこともあります。
というのも、記事によってカメラマンやライターは違うわけで、「取材対象が好き」という贔屓目を抜いた場合、写真としては別の人のほうが魅力的とか、インタビューの内容が濃いとか、誌面が綺麗でわかりやすいとか、そういうことが結構ある。
ピンとこない場合は、他の記事を、「もしこれが自分の興味あるものに関してだったら」と思って見てみてください。
雑な言葉で言うと「うわっこのシチュエーションうちの推しでも見たい!!!」みたいなやつ出てきませんか。そういうのです。
そこもひっくるめて購入目的の記事が一番よかった!!ってときは当然それを書くんですが、他の記事にある内容で、自分の興味の対象の記事にも取り入れて欲しいものがあったら、それを具体的に書くのが建設的かもな~と思ってそうしています。
今後も取り上げて欲しい人や企画があったとして、それは数字が取れる項目=購入動機として既に1で答えているので、更にこの項目で推さなくてもいいのかなと思うんですよね。
(それでも不安な時は押しつけがましく○○でも見たいって付け加えるとか)
というわけでこの項目はこんな感じ。
「(インタビューの)楽屋裏のエピソードが興味深かった」
→ 他の人を取り上げるときも、こういうこと聞いてほしい「(○○さんから見た)××さんのイメージを聞けてよかった」
→ 単独インタビューでも、他の人の話題も引き出して欲しい「(対談の)ボケツッコミから親しさが伝わった」
→ 主題だけじゃなくて、くだらないやりとりも拾ってほしい「図説がとてもわかりやすかった」
→ 今後他の企画にも導入して欲しい「(○○さんのグラビア)光の使い方が格好良かった」
→ うちの推しでも見たい
などなど。
で、この見方をすると、まったく興味がなかった人や企画を読むのも結構楽しいんですよね。しっかり読まずに斜め読みでも。
せっかくお金出して買った雑誌なんだから、楽しめる部分は多い方がいいし、読んでるうちに興味や知識が増えてくるのも楽しいです。
4.興味が持てなかった/つまらなかった記事と理由
これ割と鬼門だと思うんですがどうですか。
この項目は「改善点を探す」目的に使われるのではないかと思うけれども、そもそも興味があるもの以外全部興味なかったりすることあるし、興味ないからつまらないんだけど、尋ねられているのはそういうことじゃないだろと悩んだり。
で、そういうときは3で書いた「これが自分の興味対象だったら」という見方でざっと眺める。それでもとりわけ読みづらいとか、目が行かないとか、ピンとこないのが出てくるので、それを理由と一緒に書いています。
「最初のページの引きが弱い」
「文字が多くて読みづらかった」
「グラビアの雰囲気が暗すぎて惹かれない」
とか。あと雑誌側は悪くない(そもそも興味がない)パターンとしては、
「(○○についての)知識が少ないのであまり楽しめなかった」
みたいな。こう書くと「次回は導入になるような紹介をつけよう」とか「この記事はコアファン向けだからこのままの路線で大丈夫」くらいの判断材料にはなるかな~という希望的観測。
あと3の逆で、ここにあえて購入動機にした記事を書くこともあります。
「既知の内容が多かった」
「(別誌名)とインタビュー内容が被っていた」
「(グラビアの)演出が作品と合っていない感じがした」
「(グループなのに)掲載写真の偏りが激しくて残念だった」
「話題に対してページ数が少なく、物足りなかった」
など、「こうだったらもっと良かった」というのが伝わるような書き方を心掛けつつ、せっかくそれを目的に買ったのに残念だったら伝えたいし、逆にいえば「記事のクオリティが低かったとしてもこの人(企画)なら買ってしまう…」というアピールにもなるかなとか…。
ただ、媒体によっては単純に数として「不評だった」とカウントしてしまう可能性が無きにしも非ずなので、不安な人は別途「自由なご意見・要望欄」とかに書けばいいかなと思います。
5.自由なご意見・感想・要望欄
一番スペース大きいところ。なんとなくだけど、感想半分、要望半分くらいのバランスで書くようにしてます。(特に要望がないときはがっつり感想)
ハガキ1枚に入れる情報量を多くしたいので、3,4で書いたことと被らないようにしつつ、要領としては同じ感じです。あっちで書ききれなかったことをこっちで濃く書く!!という心意気で。
「○○さんの企画の××なところがすごくよかったので△△さんでも見たい」(3の応用)
「○○の内容が思ったより薄かったので、次回は××ということも取り上げてほしい」(4の応用)
それから、同じ「よかった」でも、「イメージ通りでよかった」のか「意外性があってよかった」のかの違いとかも、企画側にはありがたいかなとか。
「花を抱えた○○さんの写真が、爽やかな印象にぴったりでよかった」
「クールな印象の○○さんが、可愛く撮られていてギャップ萌えした」
「難しいイメージのあった○○だが、解説がわかりやすく興味がわいた」
という感じ。「この人はこういうイメージだと喜ばれるんだな」とか、「こういうのは偶に出すからいいんだな」とか、そういうのが伝わればいいな~と思って書いています。
また、「他誌と違ってこう良かった」という書き方をしたりすることもあります。競合との差別化って永遠のテーマだと思うので、比較して特に魅力的だなと思う事があれば。(こちらも似た内容ばっかりでがっかりしたくないので)
「他誌ではアイドル風の写真が多いが、(誌名)では大人っぽく撮ってもらえるので、いつも楽しみにしている」
「(誌名)はグラフやデータを載せてくれるので、説得力があってありがたい。保存して役立てている」
など。
最後に要望。これは遠慮なしに好き勝手に書けばいいと思う。(書いてる)
言うだけならタダなので、体裁などこだわらず欲のままに書いてほしいし、書くようにしています。何度も言うけどネタは尽きるし万が一があり得る。
強いて言うなら人としての丁寧さを忘れないことと、情報やソースがプラスできるならすることを心がけています。
例えばインタビューするにしても、ある程度の事前リサーチは必要なわけで、そこがちょっとでも端折れる(調査のとっかかりになる)なら企画側はありがたい。
「○○さんは猫好きで、(番組名)でも熱く語っていたので、猫と一緒のグラビアが見たいです」
「○○さんと××さんは仲が良いそうで、ブログにもよく登場するので対談などあれば嬉しいです」
「○○さんは元調理師と聞いたので、料理企画など見てみたいです」
それから逆に自分で調べるのが面倒くさいことを丸投げするのも手。
「○○が人気でいつも買えないので、他にも似たアイテムがないか特集を組んでほしい」
「○○の元ネタが××と聞いたので本当かどうか調べてほしい」
とか。あと季節感的には直近だとまず間に合わないので、3か月以上先(これでも間に合わないかもしれない)くらいを意識しています。
なお私は昨日「○○さんが柴犬と戯れているグラビアが見たいです」とド直球かつピンポイントにもほどがある要望を書きました。
言えば…言えば実現するかもしれないから……。
6.その他の項目
年齢とか、電話番号とか、職業とか、「えっそんなことも聞くの?」という気持ちもわかるけれども、基本的には全部埋めています。
どんなデータもそうなんですが、答えない=その層の読者が少ないという認識になってしまうと、その層に向けた企画が本当に通りづらくなる。
昔対象20代を想定したものを作っていたら、実際購入していたのは40代が多くて、慌ててそれを他の媒体にも取り入れたらぐっと売り上げ伸びたとかそういうことがあるので、なるべく正直に書いています。巡り巡って自分の得のためになると信じて…。
あと特にプレゼントに応募する場合は絶対全項目埋めよう。
「当選者の発表は賞品の発送をもって代えさせていただきます」とか書いてある割に、事前に確認の電話かかってくるケースとかもあるので、それだけで落とされる可能性あります。欲しいなら正直に埋めよう。
締めとプレゼントの話
というわけで、軽く書くつもりが引くほど長くなってしまった、私はこんな感じでアンケート回答してます話でした。
長々書いたものの、正直ここまで気合い入れずに、もっと簡単かつ気軽にどんなことでも書けばいいと思うんですが、もし特定のなにかを応援したい気持ちとか、その雑誌が大好きでもっともっと良くなってほしい気持ちとかがあれば、思いの丈をぶつけるのはフラストレーションの解消にもなるし楽しいです。
企画側にいたときは「毎回買ってる!」人の意見も大事だけれど、「たまに買う」人の「たまに」を「毎回」にする方法を考えるために、そういう人の意見や要望にもじっくり目を通していました。
どっちにしろ要望を書く場合は「次の購入を匂わせる」のがポイントかなと思います。
あっ、あと編集後記には必ず目を通してます。意外な情報が載ってたり、アンケートへの反応が書いてあったりすることもあるので、それが自分の回答とは関係がなくても、ヒントになったり、ちゃんと読んでもらっているんだな~という実感に繋がって楽しい。
たまに「編集後記で~という話題が出ていましたが、ぜひ見たいです」って書いたりもします。企画側としても「こんなところまで読んでくれてる」というのは嬉しい(と思う)。
最初にも書きましたが、これはあくまで私個人のやり方と想像で、全部が全部正しいことはないと思うのだけれど、ちょっと視野を広げるとアンケートって書きやすくなるし、出してみようかな?という気持ちになるかなと思うので、チャレンジしてみる人が増えたら嬉しいです。
余談。私は平均すると月に1枚書くか書かないかくらいの頻度でアンケート回答してるんですが、この2年のあいだにサイン入りチェキ2枚と映画の試写会招待券1枚とプレスシート1枚と非売品グッズ2つが当たりました。嬉しいの通り越してちょっと怖い。
上記の書き方が関係あるのかどうかはわからないけれど、抽選する側も人なので、多少は考慮されているのかもしれない。そりゃ企画側としては全体をしっかり読みこんで意見くれるほうが嬉しい。
あと発売日近く、読んだらすぐに出しているのもあるかもしれない。熱量大事。保証はできないので願掛けとかオカルト程度に聞いてください。
追記:記入は黒か紺か茶のペン一色で、着色や強調(ライン引くとか)は特にしていません。強いて言えば地(質問文)の印刷が真っ黒なら、ちょっと青みが買ったペンにするとか、逆に色ついてるなら黒にするとか、そういう読みやすさ意識の変化はあってもいいかなと思います。