- エフェクティブHPとはチャンピオンのかたさを表現した数字です。
- エフェクティブHPを使う利点は、異なるチャンピオン、異なるビルドやレベルでもかたさを比較することが出来ます。
- エフェクティブHPはHPとAR or MRで求まります。
いろいろなHPとARのかたさを比較する
いきなりですが、防具アイテムを買うとき、どのアイテムを買えばよいのか、あるいは、(とりあえず攻撃面はやスキルは置いといて)チャンピオンどうしでステータス的に硬いのはどちらなのか、など疑問に思ったことはないでしょうか。攻撃面は物理攻撃か魔法攻撃の必要な方を伸ばせばいいですが、防御面はHPと物理防御(か魔法防御)の2つがかかわってきます。HPが大きい方と、物理防御が大きい方とどちらかかたいのでしょうか?
というわけで、いきなり問題です。以下の単純化した3種類のステータスのチャンピオンがいた場合、一番物理攻撃に強いのはどれでしょう?
1、2000HP…….0AR
2、1500HP…..50AR
3、1000HP…100AR
まずは、実際にダメージを計算してみましょう。例えば相手が100ダメージの攻撃をしてきた場合を考えます。受けるダメージは以下の式で計算できます。
なので今は“計算前のダメージ”に100、“AR or MR”にそれぞれのARの値を入れて計算すると、1回で実際に受けるダメージがわかります。それをHPで割り、何回その攻撃を受けるとデスしてしまうかを計算します。
1、0ARの場合、100ダメージをそのまま受ける。デスまで20回の攻撃が必要。
2、50ARの場合、100ダメージは67ダメージに軽減される。デスまで23回の攻撃が必要。
3、100ARの場合、100ダメージは50ダメージに軽減される。デスまで20回の攻撃が必要。
というわけで一番物理攻撃にかたいステータスは2番でした。そして、次に注目したい点として、1番と3番は違うHPとARにもかかわらず、全く同じかたさだということです。
もちろんHPが同じならARが大きいほうがかたく、ARが同じならHPが大きいほうがかたいわけですが、異なるHP、ARの間でかたさを比較したい場合がほとんどです。毎回、上記のように計算するのも方法の一つですが、より計算しやすく使いやすい指標があります。それが、今回のテーマである”エフェクティブHP”という数字です。エフェクティブHPを使えば、上記の例で2番がほかの例よりかたいわけですが、”よりかたい”だけではなく、定量的に表現することが可能です。
次の項目で、具体的なエフェクティブHPの値を計算します。
0ARの時のHPがエフェクティブHP
エフェクティブHPを一言で表すなら、「現在のARとHPで実現しているかたさを、0ARで同じだけの硬さになるのに必要なHP」です。あるいは、「デスするまでに受けることが出来るARで軽減される前のダメージ」とも言えます。
引き続き、上の例を使うと、1番は0ARなのでダメージが素通りします。なので、2000HPがそのままエフェクティブHPの値になります。2番は50ARによって実際に受けるダメージが2/3に軽減されます。なので、1500HPを2/3で割った2250の軽減前ダメージを受けることが出来ます。この2250という値が1500HP、50ARの時のエフェクティブHPになります。3番の場合、ARで実際に受けるダメージが50%になるので、1000HPを1/2で割った2000がエフェクティブHPです。
上の説明をより一般的な式としてあらわしたものが以下の囲みです。
この式は上の方に出したダメージ計算式の”計算前のダメージ”を左辺にして”エフェクティブHP”と言い換え、”実際に受けるダメージ”を”HP”と言い換えたうえで、残りを右辺に式変形したものです。この式にHPとARを代入してエフェクティブHPを求めれば、異なるHPとARでもかたさを比較することが出来ます。
この式を言葉で説明するなら、0ARの時はHP=エフェクティブHPで、ARが1増えるとHPの1%だけエフェクティブHPが大きくなる、といえます。100ARでHPの2倍のエフェクティブHP、200ARでHPの3倍のエフェクティブHPになります。
なので、一般的に、チャンピオンレベルが低いうちやビルドがそろってないときはHPを、チャンピオンレベルが高くなってきたらARを増やすと固くなりやすいです。序盤はHPを積んで定数でエフェクティブHPを増やし、後半はHPが大きくなっているので、ARで割合でエフェクティブHPを増やす方がよりかたくなれます。
魔法攻撃に対するエフェクティブHP
上の具体例は、すべて物理攻撃に関してのエフェクティブHPの話題でした。魔法攻撃はMRでダメージを軽減します。つまり、いくら物理攻撃に対するエフェクティブHPが高くとも魔法攻撃に対するエフェクティブHPが高いわけではない、ということです。これはいくらARが高くても魔法攻撃には関係ない、ということの言いかえなので当然といえば当然です。
また、もう一種類、固定ダメージというものもあります。これはAR、MRに関係なくダメージを与えます。なので固定ダメージに関してのエフェクティブHPはそのままHPということになります。
次回予告
次回以降は実際にかたくなるためのアイテムビルドの考え方ついての予定です。
皆さんはHPとARが7.5:1の時一番効率よくかたくなれる、ということを聞いたことがありませんか?これがどのような原理で出てきて、常に正しいのか、正しくないときがあるならどんな時かを検証していきます。