一昨日、森の中のロードを快走していた
ら、スズメバチがシールドに激突した。
うっひー!と思った。
休憩時にヘルメットを見たら、新品シール
ドに思いっきり疵と肉片が付いていた。
スズメバチには気の毒だが、多分オダブ
ツ。
スズメバチは凶暴な肉食昆虫とされ、人間
にとっては害虫扱いだ。その攻撃性ゆえに
人からは忌み嫌われるのだろう。
昔、アメリカ人の友人と飲みながらそれ
ぞれの子ども時代の話をしていた。
日本人の子どもたちは虫捕りが好きで、
日本人は千年前から夏の虫も秋の虫も愛
でていた事を言うと、ぶったまげてた。
アメリカではそういうのないの?と尋ね
たら、虫なんて怖くて誰も触らないし近
寄りもしない、と言う。
トンボとか見てても面白いよと言ったら
「ノォ〜。あれはフライングドラゴンと
呼ばれる恐怖の対象だ」と言っていた。
トンボの英名はフライングドラゴン。
確かに見た目はグロい。米国では日本の
ようにほのぼのとした「まぁるいお空を
見てるから」などという童謡にはならな
いのだろう。
休憩時にヘルメットのシールドをウェット
ティッシュで拭っている時にふと思った。
そうか、米国人は昆虫全般をスズメバチの
ように思っているのではなかろうか、と。
あるいはサソリ等と同一視とかね。
確かに、スズメバチならば日本人とて忌避
したがる。
ただし、サソリのように危険な毒虫として
日本で忌避されるムカデの事を神の使者
として粗末に扱わないといういにしえの
産鉄民たちの独自の文化も日本の一部には
存在した。
トンボなどは前にしか進まない事から、
その姿を武士の在り様になぞらえて「勝ち
虫」として愛でる文化も武士階級にはあっ
た。
てなこと思いながら、ヘルメットのシール
ドを清拭してからまた走り出した。
すると、しばらく行くと、今度はカブト
ムシみたいに大きなカナブンがシールド
に激突して来た。
先ほどよりもかなりの衝撃音。ノォーッ!
止まってメットを点検した。
先ほどとは別な所に疵と肉片。
またもやカナブン君もオダブツか。
お申し訳ながんす。
赦してけろ。
またシールドを清拭してから走り出した。