介護でアニメ中断「耐えきれず両親殺害」 次男供述
板倉大地、杉山あかり
福岡市西区の住宅で冷蔵庫内から夫婦の遺体が見つかった事件で、次男の無職松本淳二容疑者(59)=死体遺棄容疑で逮捕=が「アニメ観賞が親の介護で中断されるのが耐えきれず殺した」といった趣旨の供述をしていることが捜査関係者への取材でわかった。福岡県警は、介護のストレスを背景に何らかの方法で両親を殺害したとみている。
県警によると、淳二容疑者は6月23日ごろ、自宅1階にあった冷蔵ケースの中に、父・博和さん(88)と母・満喜枝さん(87)の遺体を入れて遺棄した疑いがある。
捜査関係者によると、淳二容疑者は6月21日夜ごろに2人を殺害したことを認め、博和さんからトイレに連れて行くようにと頼まれたことがきっかけだった、と供述。「親に介護を頼まれるたびに、見ていたアニメを中断するのが面倒だった。耐えきれなくなった」といった説明をしているという。
満喜枝さんについては「(父親の殺害を)見られたから殺した。1人で残すのがかわいそうだった」という趣旨の話をしているという。
淳二容疑者は両親との3人暮らしで、両親の年金で暮らしていた。満喜枝さんは車いすで生活し、博和さんは6月に自転車で転倒して一時入院。以来、淳二容疑者が食事などの世話をしていたという。(板倉大地、杉山あかり)