こんにちは。カクヨムのほう、すっかり放置しておりましてすみません。
表題の件ですが、ツイッター上にて『後宮の検屍女官』が他作品のパクリであるという内容の投稿を確認いたしました。

もう、とても残念です。
まずミステリ書きの人はご存じのことだと思うので、あえて申しあげることでもないと思っていたのですが、明記しなければわかっていただけない方がいることをとても悔しく思います。

分かりやすく申しあげますと、他商業作品のトリックをパクっている! という主張らしいのですが、こちらは

  当時(宋時代)の検屍教科書にそのままのっている偽装方法です!!

つまり、当時からこれは偽装としてポピュラーな手段であり、そもそも

  トリックですらありません!!!

死体の検屍方法としてそのまま教科書通りですし、偽装方法も検屍官が必ず注意して見なければならない項目です。

死体の検案方法や、古代の人々が考えついた偽装方法はトリックではないですし、そもそもオリジナルのアイデアですらありません。
たとえば、首つり偽装の『地蔵背負い』ですとか、非常にポピュラーだと思います。多くの法医学ミステリやドラマで使われていますが、これらはパクリでしょうか?
よくお考えいただきたく思います。

(以下加筆)
わたしは宋時代に書かれた『洗冤集録』を基本的な資料として使用しております。
たとえば論点になっているらしき『焼けた釘』というのは資料準拠となっております。男のみの検屍方法だという主張があるらしいのですが、それは誤りです。
男の場合は脳天、ぼんのくぼに焼けた釘が打ちこまれている場合があるので気をつけよ、という指導がありますが、これは『死しても冠を~』という時代背景があり、男性の頭部は調べることなく埋葬されていたからです。
ですので、検屍方法としては男女かぎらず頭髪のなかを仔細調べるようにとも指導が書かれてあります。

また、『突然死(当作は病死ですが)→焼け釘』というのが同じであるというご指摘があるらしいのですが、そもそも、解剖のない時代ですので、検屍教科書に書かれた『傷あと等のない偽装方法』は非常にかぎりがあります。
資料中にいくつか挙げられている中で、不自然な点無く使用できたのがこの偽装方法のみでありました。

いくつかあげてみましたが、それでも疑いをもたれるかたは資料のほうへ目を通してくださいとしか申せません。
(以上加筆)


もう一度よくお考えください。
そして、匿名で誹謗中傷を書きこむ行為についていま一度よくふり返っていただきたく思います。

それでも誹謗中傷が止まないようでしたら、断固たる手段をもって闘いたいと考えております。

4件のコメント


  • 反論なさるのならば、きちんとタイトルを記載されては如何ですか?
    宋時代に作られた検屍の教科書は「洗冤集録」。日本語訳されたものも出版されていますね。
    「江戸の検屍官」「平安の検屍官」の作者様は「宋の検屍官」という作品も書かれていて、こちらも「洗冤集録」を参考資料とされている。

    今回騒がれているのは、「宋の検屍官」収録の1話と、小野様の作品収録の1話の死因などが同じ状況だということですよね?
    ・被害者は妊婦
    ・死因は髪で隠された釘
    という部分だけでは、まぁなんか他にもありそうなものだと思われます。
    これが、
    ・被害者は妊婦である
    ・被害者は最初ただの突然死だと思われていた
    ・熱した釘を頭に打ち込まれて死んだ
    ・髪を結い直して釘を隠していた
    ・見落とされていた釘を主人公が見つける
    偶然重なるには、随分と特徴的な事柄ではないでしょうか?

    ついでにいうと、洗冤集録に記載されている例の「頭部に釘を打ち込まれて死んだ人」は「男性」のようですよ。
    妊婦としたのは川田弥一郎先生のオリジナルなのではないでしょうか?

    すべてをしっかり読み込んだわけではないので見落とし、勘違いあったら申し訳ありません。
    けれど、随分と感情的になっておられるようですので、弁護士だとか訴えるだとかの強い言葉を使われる前に、少し落ち着いて、
    騒いでいる人達に反論するにしても、言葉を整理してから書き込まれては如何ですか?
    恐らくこの言葉もお怒りを煽るだけになっていると思いますが。

    因みに、本気で法的手段に訴えるつもりもなくそういう発言をするのは、脅迫罪になるそうですので気をつけて。

  • コメントありがとうございます。
    左様ですね。ご指摘の通り、やや冷静ではない文章となってしまいました。
    その点は反省させていただきたく存じます。

    捨てアカウントでの誹謗中傷に長らく悩まされておりましたので(今回の件だけではなく)、感情的になってしまいましたことは否めません。
    今回は捨てアカウントではなく、都月先生ご本人からのコメントでしたので、大変驚いていると同時に、ありがたく感じております。
    ですので、いただいたコメントへは誠実に対応をしたいと考えております。

    ・まず、妊婦としましたのは死王を冒頭にもってきたかったからです。
    書籍化作家様ですのでご存じかとは思いますが、キャッチーな冒頭は必須ですので、そのようにいたしました。
    ・ただの突然死(病死)ですが、こちらは構成上必要な鍵となております。
    ・髪は結い直しておりません…どこにもそんなことを書いた記憶がありませんが…。
    ・熱した釘は資料にある偽装方法そのまんまです。こういう物があるので気をつけて頭部を見るように、と資料にあります。オリジナルでなくて恐縮です。
    ・主人公が見つける。これに関しては主人公が検屍官なので…としか…。

    以上となります。
    どこかまだご納得いただけない部分がありますでしょうか?

    法的手段に関しましては掲題にあります通り、現在相談中です。
    ただ、編集部からは放っておくようにアドバイスをいただいておりますので、まだ検討の段階です。

    ご納得いただけるとよいな、と思っております。

  • ご返信ありがとうございます。
    今まで交流もなかったですのに、突然にこのようなコメントを残してしまい申し訳ありません。丁寧なご対応痛み入ります。

    妊婦の件、そのような事情からでしたか。
    確かに冒頭には吸引力のある話題が必要になりますものね。死んだ妊婦から生まれた赤子なんて、いったいどういうことだ?ととても興味を惹かれる展開だと思います。
    髪の件は、申し訳ありません。「宋の検屍官」では真犯人が被害者の髪を解いて釘を打ち、焼けた部分と釘を隠す為に結い直していたので、そちらの記憶に引きずられてしまいました。
    小野様の方は髪で隠れていただけでしたね。宋の~の方では解いて切って剃ってようやく見つけたという展開でしたが、「後宮の検屍女官」では掻き分けて見つけた…のでしたよね?
    (すみません。ずっと前に目を通したのであまりしっかり覚えていなくて…)

    編集部がなんらかの対応をしてくださっているようなら安心ですね。
    同じ小説書きとしてなかなか見過ごせない話題でしたのでついつい嘴を挟んでしまいましたが、早く解決されることを願っています。

    最後に、老婆心ながら…
    現在、Web版の「後宮の検屍妃」は非公開となっているようですが、トラブルというのが今回の問題絡みではないのなら、再公開しておいた方がよろしいのではないでしょうか?
    「トラブル発生」という文言が不穏ですし、このような状況なので不要な憶測…盗作だから非公開にしたんだろう、などという輩が出てくることになるかも知れません。
    なんら疚しいところないのでしたら、堂々としていらっしゃれば騒いでいる人達も黙ると思います。隠しておくと疚しいところがあるからだという話になりますし…
    まあ、これは小野様のご判断ですので、これ以上は出しゃばり過ぎですね。控えます。

    煩わしい状況であると思いますが、どうぞこれからも頑張ってくださいませ。
    また、未だ終息の見えないコロナ禍ですので、どうぞご自愛ください。

  • 都月先生

    ご返信ありがとうございます。
    いえ、むしろ論点をわかりやすくまとめていただき、ありがとうございました。
    (実はうわさの震源地は弁護士の先生に調べていただき、私自身はストレス回避からまだのぞけておりませんでしたので、大変恐縮な限りです)

    髪の毛の件は、当作では髻にうずめるようにそのままで打ち込まれております。
    脳天やぼんのくぼにうちこまれている可能性があるので気をつけよ、というのが検屍の教科書に書かれている点ですね。もとどりを剃って調べるように、と書かれています。しかし当作では妃嬪ですので剃るわけにはいかず、ほどいて調べるシーンがあります。

    また、アドバイスありがとうございました。
    非公開にしたのは、中国の無料小説サイトへの転載疑惑があったからなのですが(トラブル発生というのもこれです)……。
    たしかに疑惑を深めてしまうのかもしれません。転載はちょっと嫌だなと思うのですが、誤字の修正をしてから再び公開にしたいと思います。

    ほんとうにありがとうございました。
    顔が見える(わけではありませんが、お名前がわかる)かたとお話しできまして、安心いたしました。
    先生のますますのご活躍、応援しております。

    また、もしまだ疑問に思われることがございましたら、『中国人の死体観察学』をひとつの参考にしていただけるとよろしいかと存じます。
    こちらは『洗冤集録』の解説書で、宋代から清代までの検屍方法がわかりやすく書かれてあります。中華ファンタジーを書かれていらっしゃるので、ただの読み物としても楽しんでいただけるかと存じます。





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