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トレンド席巻!自転車ロードレースのすごさ! 東京オリンピック
2021-07-25 午後 03:43
7月24日・土曜日、体操男子や柔道など人気競技が一斉に始まる中、テレビ中継がなかったにもかかわらず、ネット配信で自転車ファンを熱狂させてSNSのトレンドに入った「自転車男子ロードレース」。でも、素人にはそのすごさがよくわからない…?そんな人のために、レースを振り返りながらすごさを解説します!
決着の瞬間がすごい!
さっそくレースの結末を書いてしまって申し訳ないのですが…。とにかくこのレース、メダルの決着がすごかった!
今回のコースは、東京・武蔵野の森公園をスタートし、山梨から静岡に向かってきつい山登りが連続する、合計244キロのレース。レース中に登る高さの合計は4865mと富士山の高さをゆうに超える「超山岳コース」でした。
繰り返される駆け引きとスパート合戦。真夏の日本の蒸し暑さも加わり、レースは過酷な展開に。
スタートから約6時間。最後の峠を下りきりゴールの富士スピードウェイ敷地内に入ってから、大きくレースが動きました。残り約6kmでカラパス(コロンビア)がスパートして独走。後続に約1分の差をつけてカラパスが逃げ切り、6時間5分26秒でゴール!金メダルを獲得しました。
追いかける集団8人は、メダルを狙ってラストスパートの機会をうかがいます。そして残り300mを切って、ついにスパート合戦!最後はポガチャル(スロベニア)とファンアールト(ベルギー)がほぼ横並びでゴール!二人のタイムはなんと「6時間6分33秒」で同タイム!メダルの色は写真判定の結果にゆだねられます。
その結果は…。
写真奥のファンアールトが数センチの差で先行し、銀メダル獲得!写真手前のポガチャルが銅メダルとなりました。
240km以上走って、4000m以上山を登って、最後は写真判定とは…。まさに最後まで目が離せないドラマチックな結末でした。
走っている選手がすごい!
そもそもこのレース、エントリーした顔触れがとにかく豪華なのです。ヨーロッパで大人気の自転車ロードレースでは、世界最高峰と呼ばれる「ツール・ド・フランス」が6月26日から7月18日まで行われていたばかり。その終了後わずか6日でのオリンピックに、フランスから東京へ多くのトップ選手が転戦。
メダルを獲得した選手だけで見ても、金メダルのカラパスは今年のツール・ド・フランス総合3位。銀メダルのファンアールトはツール・ド・フランス全21ステージ中3ステージ優勝。そして銅メダルのポガチャルは、去年と今年ツール・ド・フランス2年連続総合優勝した選手。
日本で世界トップクラスの選手が集まる自転車ロードレースはなかなかないこと。自転車ファンのボルテージが上がるのも当然(?)だったわけです。
フランスから日本へ 景色の激変がすごい!
ロードレースの見所と言えば、6時間を超える長丁場の中で次々に移り変わる景色。トップ選手たちは先月から今月にかけて、ツール・ド・フランスで約3週間にわたってアルプスや地中海の美しい景色を巡り、最終日の7月18日にはパリ・凱旋門の前を通ってゴール。
そのわずか6日後に行われたオリンピックレースは、パリとかなりギャップのある「日本ならでは」の景色が広がりました。
まずスタート直後、東京府中市では神社の参道を疾走。
多くの人が暮らすニュータウンを走行しながら、徐々に山へと近づいていきます。
のどかな田園風景を走り。
長い峠道を登って。
山中湖を望む景色を猛スピードで下ります。
そしてゴール地点は自動車サーキットとして有名な富士スピードウェイ。
6時間のレースの中で、次々移り変わる風景が話題になりました。時には住宅のすぐわきを通り抜ける場面もあり。
ネット上には、「この間まで凱旋門の周りを走っていたのに…」と先週までとのギャップに驚く声や、「自転車が猛スピードで実家の前を走っている!」など、非日常の光景に興奮する声もありました。
観客たちの「密」もすごい?
とはいえ、SNSやメディアではネガティブな話題も。ウイルス感染対策のため、沿道での応援自粛が呼びかけられていましたが、あちこちの沿道に多くの人が集まり、写真を撮ろうとするなど混雑が発生。
多くの会場が無観客で行われている中で、多くの人が集まっている様子が報じられると、観衆や運営に対して批判の声もあがりました。まだ競技が始まったばかりの東京オリンピック。感染拡大を防ぐために、さらなる対策が求められそうです。
NHK特設サイトで見逃し配信中!
今回の自転車ロードレース。テレビ中継がなかったために(ネット中継のみでした。すみません…)、「見逃した!」という方もいらっしゃったかもしれません。その場合は、パソコンやスマートフォンでご覧ください!NHK特設ホームページからレースをノーカットで見逃し配信中です。
NHK東京2020特設サイトへは以下の画像をクリック!
https://sports.nhk.or.jp/olympic/highlights/content/5ad76af9-a02e-423f-8b9e-b2b80b651985/
※ゴールの瞬間は、動画開始およそ6時間30分ごろです