開会式彩ったドローンの舞、ハッカーが通信の解析試みた

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編集委員・須藤龍也
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 23日夜の東京五輪開会式で、夜空を彩った1824機のドローンのショーは、見る人に大きな驚きと感動を与えた。一糸乱れぬパフォーマンスの裏で、ドローンは電波を通じて一体どんな「会話」をしながら演じていたのか――。1人のホワイトハッカーが会場となった国立競技場の近くで、今後のドローンの飛行の安全に生かそうとドローンが発する通信電波の分析を試みた。記者はその一部始終に密着した。

 日本を代表するホワイトハッカー、杉浦隆幸さん(46)と、国立競技場に近い神宮球場前で合流したのは23日午後6時半過ぎのことだった。杉浦さんはサイバー攻撃からコンピューターシステムを守る情報セキュリティー対策の全般に詳しく、特に最近は暗号資産やドローン、医療分野のセキュリティーに注力する。9月に発足するデジタル庁のセキュリティーチームにも加わる。

「球場から飛ぶ」ハッカーは予想した

 杉浦さんが神宮球場が真正面に見える場所にいたのは、開会式のドローンが球場内から飛ぶと考えたからだ。

 1週間ほど前から、ツイッターに開会式の予行演習とみられるドローン飛行の動画が投稿されていた。さらにそこに映っているドローンの航跡などから、半導体大手インテルが手がけているのではないか、というあたりをつけていた。

 杉浦さんの予想は的中した。

 開会式3日前の20日、インテルは東京大会に提供する自社の技術説明会を開き、その中でドローンによるライトショーについても言及した。ネットメディア「ZDNet」によると、2018年の平昌大会でも1200機以上のドローンでショーをサポートしたインテルは今回、さらに性能を上げた最新型ドローンを投入するとした。

 コンピューターの中央演算処理装置(CPU)メーカーというイメージが強いインテルだが、実はドローン事業でもここ数年、世界をリードしている。

 18年3月に開いた同社の記者説明会では、自社開発のドローンを使い、高所にある送電線や遊園地のアトラクション点検、地上物の調査といった目的のほか、今回のようなライトショーも事業の柱の一つに掲げていた。当時の担当者は「エンターテインメントは、テクノロジーを最も分かりやすくアピールできる」ことがメリットと語っていた。

 今回、開会式で演じられた約4分30秒にわたるドローンのパフォーマンスで1824機が一斉に飛び立ち、夜空に東京大会の「市松エンブレム」をLEDの光で描くという演出だった。競技場周辺に集まっていた人たちからは、ドローンの発する光が形を変えるたび、大きな歓声が上がった。

ドローンのやりとりを観測」

 この「夜空の芸術」は一体、どのように実現しているのか。

 杉浦さんによれば、ドローン

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