緊急事態解除は医療現場が「大丈夫」と思えるのが肝心…専門家会議メンバー・岡部信彦氏　

　政府の新型コロナウイルス感染症対策専門家会議のメンバーで、国立感染症研究所感染症情報センター長などを歴任した川崎市健康安全研究所の岡部信彦所長が７日、スポーツ報知の電話取材に応じた。

　安倍晋三首相は３１日まで延長した緊急事態宣言に関し、１４日をめどに地域ごとの解除を検討することを踏まえ、専門家による判断基準を作成する考え。岡部所長は医療の専門家として、「出口戦略と言われているが、数字は一つの目安。私の考えだが、たとえ目標の数字に達していても、医療体制の整備が追い付いていなければ危ない。病院にいる人たちが『大丈夫そうだ』と思えることが肝心」と、医療現場の状況を重視する考えを述べた。

　大阪府が外出自粛要請などの解除に向け、独自に３項目の目標値を定めた「大阪モデル」については「いいモデルを作られたと思う」と評価。その上で「それが東京や北海道でも当てはまるかというと、そうではないと思う。詰まるところは総合的判断だと思う」とした。

　専門家会議においても、「全国版として、どういうものがいいのか検討している。（感染者などの）減り方を見ていかないと分からない部分はあるが、そこは数字を見るのが得意な人に任せたい。私は医療を最大の問題としたい」と強調した。