MIKIKO氏が電通幹部ら10名に送ったメールの文面
〈私以外のコアに関わっていたスタッフは延期の報告以降、何の情報もなくただ一時停止していて再開を待っている状況です。「1年の猶予を頂けたと思って前向きに捉えましょう」という気持ちのまま止まっています。〉
電通側が不誠実な対応を続けてきた結果、開会式の舞台を夢見ていた多くのスタッフやキャストはこの間、新たな仕事を入れることもできず、毎日の生活にも大きな影響が出たという。
さらにMIKIKO氏はメールで、ともにセレモニー作りに取り組んできたはずの電通幹部や担当者らに向け、こうも記している。
〈去年の6月に執行責任を任命され、全ての責任を負う覚悟でやってきました。/どんな理不尽なことがあっても、言い訳をしないでやってきました。それを一番近くで見てきたみなさんはどのような気持ちでこの進め方をされているのでしょうか?/(略)でも、またこのやり方を繰り返していることの怖さを私は訴えていかないと本当に日本は終わってしまうと思い、書きました〉
MIKIKO氏による覚悟の訴えに対し、電通側は「佐々木氏に任せていた」などと答えるばかりで、新たな対応を取ることはなかったという。
このメールを送信してから約3週間後の昨年11月9日、MIKIKO氏は組織委員会の武藤敏郎事務総長に「辞任届」を提出したのだった。
3月15日、MIKIKO氏にメールの文面を提示したところ、
「……そんなものまでお持ちなんですね」
そう呟き、自身が送信したメールであること、その内容が事実であることを認めた。
電通は以下のように回答した。
「(佐々木氏を責任者に指名した点などは)開閉会式演出メンバーの選定・決定は組織委員会の専決事項ですので、当社が指名・決定した事実はありません」
渡辺直美も絶賛する女性演出家MIKIKO氏を排除し、入社同期の佐々木氏を開会式の責任者とするべく動いた電通ナンバー2。本当に、佐々木氏の辞任で東京五輪組織委員会の抱える問題は解決したのか。3月24日(水)16時配信の「週刊文春 電子版」及び25日(木)発売の「週刊文春」では、詳しいメールの中身のほか、電通が五輪事業で上げた巨額の収益、森喜朗前会長が開会式出演にこだわった著名人の名前、そして、MIKIKO氏を排除するべく“黒幕”が吐いた森前会長に関する驚きの発言など「電通五輪」の深い闇を6ページにわたって詳報している。
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