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「俺らは公金をむしゃぶりつくしているだけだ」

西成浄化作戦で生まれた利権を徹底取材!(下)

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ー西成のあいりん地区ではNPOやら介護福祉事業の団体の設立が数多い。
あいりん地区とは大まかには北をJR西日本関西本線・大阪環状線、西を南海本線・高野線、東を旧南海天王寺支線跡に囲まれた三角形の地域で、西成区萩之茶屋・太子などに該当。別名釜ヶ崎とも呼ばれているー

「俺らは公金をむしゃぶりつくしているだけだ」


更に福祉マンション等。貧困ビジネスと混在する食事サービスである。これは強制的にそのマンションに入居すると1日2食で1500円から2000円請求されるのだ。親切からではない。強制なのである。これを断る事は出来ない。
それらをざっくり差し引くと入居者に残る金額はせいぜい月2,3万円となってしまう。
これらは全て新聞などで報道されている。
この金を分け合う為に、この地域のNPOなどはどんどん枝分かれしているのだ。
主となるNPOのメンバーを見ると宗教団体、同和団体、貧困ビジネス社主など多種多彩に及ぶ。
今はこのNPOを通さないと、この地域の事業がうまく運ばないとまで言われている。

筆者はいくつかのNPOに協力者がいる。
そこの裏帳簿を見せてもらった事があった。
そこには驚くべき内容があったのだ。

善意ある人々の寄付金を着服しているのは当然の事、売れる様な寄付物資などは全てリサイクルショップに売られていたのだ。全国の人々の誠意を無にしてしまっていた。それどころか、れっきとした詐欺なのである。
企業からカレンダー等を寄付してもらい、それらをこの地域に住む人間に売りさばく。
果ては全国から寄付金をHP等で募り出す。
考えてみて欲しい。仮に1人あたま数千円だったとしても、その金額はかなりの額に及ぶのだ。
それらをこの人間達は寄付と言うシノギに変えてしまっていたのだ。その団体は今も平然と存在している。

この界隈には50歳以上の年配者の人口の割合が多く、殆どが単身者であり男性である。
その中に、20代から30代の女性の姿を最近数多く見られる。
これらは一体どんな存在であるのか?
それは介護事業の勧誘者なのである。
つまり若い女性と触れ合う事の少ない男性に色目を使い介護事業を受けさせるのだ。

実際に介護を必要とする人間も多い。
しかし、本来は介護の必要の無い人間に対してでも介護の必要がある、と身障者の最低等級を役所に圧力を掛け申請し受理をさせ、自分等で囲ってしまうのだ。
実際にその介護を受けている人間に話を聞いた事があるが、彼女たちは何もせずにただ話し相手になるだけで時間が来たら帰ってしまう。
ただそれだけの事を週に、2,3回やっているのだけなのだ。
その介護を受けている人間は、少し足が動かないだけで普通に仕事も出来るし、日々の生活には不自由はしていない。
しかしある日、女性に声を掛けられ
「生活保護も受給出来るし、毎日遊んで暮らせる」
その誘惑に心が動いてしまい、今は毎日昼間から酒を飲んでいる生活に堕落してしまった。

筆者は元暴力団幹部で現在NPO、介護事業を行っている男に話を聞いた事がある。
その人間は勿論表には出ていない。
その男は筆者に対し、はっきりこの様な言葉を言い放った。

「俺らは公金をむしゃぶりつくしているだけだ」

これはとんでも無い言葉である。公金とは尊い我々の税金である。
それが正しい事に使われるのであれば何も文句は無い。
しかし、彼らの行っている行為は決して正しい事ではない。
弱者を金に変えているのだけなのだ。

この地域の貧困ビジネスはモデルケースとして日本全国から貧困ビジネスを行っている事業者の視察が連日の様に来ている。実際に説明現場にも潜入した事がある。

ある意味西成がモデルケースとなっているといえよう。
もはや貧困ビジネスと言う言葉を超えてしまっている。貧困利権と言う新しい利権が、誕生してしまったのだ。

確かに西成の街は綺麗になった。だが、そのおかげで活気がなくなり、裏では魑魅魍魎とした世界と化してしまっている。

フリーライター・中川和美