―――沢田さんが「仲良かった」って言ってたのが、すごい救いっていう……
「ウン、よかったねえ」
―――よかったですよね。
「うれしいよ。沢田はだからね、
キャラ的(キャラクター)にも、
そういう人の中でも僕好みのキャラなんですよね。
なんか、母ちゃんにチクったり、
クラスの女の子に逃げたりしないしね。
わりとそういう特技なんかも持ってるっていう(笑)。
なんか電話番号覚えてたり、漢字うまかったりさ。
あの頃『レインマン』なんかなかったけどさ、
でも『もしかしたら、コイツは天才かもしんない』
とか思うようなこともやるしさ。
結構カッコいいんですよ、見方によっては」
―――"演技だった"っていう噂も、流れておかしくない……。
「『ああ~、疲れた』とか言ってね(笑)。
『やっと帰ったわ』とか言って、
シャキーンとかして(笑)。
そうかもしれないって思わせる何かを持ってたしね。
それで、たまに飽きてきた頃にさ、
なんかこう一個エピソードを残してくれるっていうかさ。
石川さゆりの写真とか入れて来たりだとかさ。
そんなの普通『ギャグじゃん』とか思うじゃん?
その人選からしてなんか、ねえ」
―――天然……。
「天然……。ホント『天然』って感じの」
―――小山田さんの音楽は、聴いてないそうです。
「聴かしたいなあ(笑)。
どういう反応をするんだろうなあ(笑)。
ま、別に大した反応はしないですよ、多分。
ま、音楽とかそんなに興味ある訳じゃないから」
―――街で会っちゃったりしたら、声はかけますか?
「はーん……分かるかな?」
―――沢田さんは、覚えてますよ。
「覚えてるかな?」
―――ええ。すっごい覚えてると思うな、僕の会った感触では。
「そうですね……。
沢田とはちゃんと話したいな、もう一回。
でも結局一緒のような気もするんだけどね。
『結局のところどうよ?』ってとこまでは聞いてないから。
聞いても答えは出ないだろうし。
『実はさ……』なんて言われても困っちゃうしさ(笑)。
でも、いっつも僕はその答えを期待してたの。
『実はさあ……』って言ってくれるのを期待してたんですよね、
沢田に関してはね、特に」
―――……ところで、小山田さんはいじめられたことってないんですか。
学校に限らず。
「はー。多分、僕が気付かなかったっていうだけじゃなく、
なかったと思うんですよ。
被害者とか思ったことも、全然ないですね。」
*1:ダスティン・ホフマン演ずる精薄の兄と、トム・クルーズ演じる健常の弟が二人で旅する映画。ワーナーホーム・ビデオより三八○○円。(税抜)で発売中。