全く、いちいち面白い人のいる学校だ。和光とは、一体どんな学校なのか?
「他だったら特殊学級にいるような子が普通クラスにいたし。
私立だから変わってて*1。
学校の裏に養護学校みたいなのがあるんですよ。
町田の方の田舎だから、まだ畑とか残ってて。
それで、高校の時とか、休み時間にみんなで外にタバコ吸いに行ったりするじゃないですか。
で、大体みんな行く裏山*3があって。
タバコ吸ってたり、ボーッとしてたりなんかするとさ、
で、ジャージ着てさ、男は紺のジャージで、
女はエンジのジャージで、なんか走ってるんですよ。
で、ダウン症なんですよ。
『あ、ダウン症の人が走ってんなあ』なんて言ってタバコ吸ってて。
するともう一人さ、ダウン症の人が来るんだけど、
『あれ? さっきあの人通ったっけ?』なんて言ってさ(笑)。
ちょっとデカかったりするんですよ、さっきの奴より。
次、今度はエンジの服着たダウン症の人がトットットとか走って行って、
『あれ?これ女?』とか言ったりして(笑)。
最後一〇人とか、みんな同じ顔の奴が、
デッカイのやらちっちゃいのやらがダァ~って走って来て。
『すっげー』なんて言っちゃって(笑)」
*1:体育祭のリレーでは、先頭ランナーは全員肢体不自由者がやることになっているという。スタートと同時に、全走者が違う方向へ走り始める。和光は養護学校との交流も盛んで、小山田氏は何故か音楽室でその接待役になり、車イスを押してたことがある。
*2:主に二一番目の染色体に一本過剰な染色体が存在することで発生する。全身の筋肉の緊張が低下し、精神発達の遅滞もみられる。『家庭医学大事典』小学館より。
*3:この裏山では、死体も発見されている。発見者は小沢健二氏の兄。同じく和光出身である。現在、裏山は「和光鶴川幼稚園」の校舎になっている。当時タバコを吸う生徒は「裏山派」「更衣室派」「非常階段派」の三派に別れていた。
*4:目と目の間隔が開いている特有な顔貌。低い鼻すじ、太い首など、本当に皆そっくりな顔をしている。『家庭医学大事典』小学館刊より。ダウン症の子供には、音楽を楽しむ子が多い。『家庭医学大百科』主婦の友社刊より。