冷蔵庫でひからびがちな長ねぎ。実は冷蔵庫で3週間、冷凍庫で1ヵ月も保存できるって知っていましたか? 今回は、驚きの保存方法を野菜ソムリエプロの根本早苗さんが解説。捨ててしまう人も多い、青い部分まで全部食べる方法も合わせて紹介します。
【長ねぎの冷蔵保存】立てる&保湿が長持ちのカギ!
野菜は自然の状態に近い形で保存すると、鮮度を保ちやすくなるため、長ねぎなら立てて保存を。その際、ペーパータオルで包んで保湿するのが、新鮮な食感をキープするコツです。買ったまま冷蔵庫に入れると、乾燥した庫内で水分が蒸散し、みずみずしさも香りも失ってしまいます。
【冷蔵方法】
1 長ねぎを洗って根元を切り落とし、3等分する
長さを3等分にすると、冷凍庫で立てて保存するのに便利な高さになります。
2 たっぷり水を含ませたペーパータオルで下半分を包む
白い部分2本の下半分(根に近いほう)を、濡らしたペーパータオルで包みます。ペーパータオルはびしょびしょの状態でOK。
3 軽く水を含ませたペーパータオルで上半分を包む
上半分は軽く水を含ませたペーパータオルで包みます。長ねぎの水分が蒸散するのを防ぐと同時に、適度な水分を与え続けてみずみずしさを保ちます。
4 2つの冷凍用保存袋に分けて入れる
青い部分も同様にペーパータオルで包みます。青い部分は白い部分より早く傷むので、保存袋を分け、傷みが白い部分にうつらないようにします。
5 野菜室で立てて保存し、ペーパータオルは週に1度取り替える
2Lのペットボトルを半分に切ってふちにテープを巻いたものや、市販の野菜収納用のケースなどを利用して立てます。ペーパータオルは週に1度取り替えましょう。白い部分は冷蔵庫で3週間程度、青い部分は冷蔵庫で2週間程度保存可能です。
【POINT】保存袋は、冷蔵庫でも「冷凍用」を使う
保存袋の「冷凍用」と「冷蔵用」では厚みが異なります。長ねぎを冷蔵庫に入れるときは、より厚みがある「冷凍用」の保存袋を使用すると水分が蒸散しにくく、鮮度が長持ち。さらに匂いもうつりにくくなります。0.06mm以上の厚みがある保存袋を使用することをおすすめします。
【長ねぎの冷凍保存】細かく刻まず、長いまま冷凍する
長ねぎは長いまま冷凍することで、含まれる成分「アリシン」が飛ぶのを防ぐのがポイント。アリシンは、長ねぎの香りのもととなるほか、殺菌・抗菌などの働きがある成分です。アリシンの効果は空気に触れることで高まりますが、揮発性なので、長時間おきすぎると成分が飛んでしまいます。そのため、長いまま冷凍保存して、使うときに用途に合わせて切るのがおすすめです。
【冷凍方法】
1 長ねぎを洗って根元を切り落とし、3等分する
長ねぎは長さを3等分し、乾いたペーパータオルで水気を拭き取ってからそれぞれをラップで包み、冷凍用保存袋に入れて、空気を抜くように袋の口を閉じます。冷凍の場合は長ねぎの白い部分と青い部分の傷む速度が変わらないので、同じ袋に入れてOK。
2 バットと保冷剤ではさみ、冷凍する
金属製のバットの上に1をのせ、その上に凍らせた保冷剤をのせて冷凍庫で冷凍します。白い部分も青い部分も、冷凍庫で1ヵ月程度保存可能。
【解凍方法】
凍ったまま切り、料理に入れる
冷凍した長ねぎは調理前に解凍すると水分が出てしまい、旨みも逃げ出してしまうので、凍ったまま加熱調理に使いましょう。
【豆知識】青い部分は「冷凍」すると、食べやすくなる!
青い部分は生で食べるとイガイガした印象を受けますが、一度冷凍して細胞を壊すことで食感が良くなり、食べやすくなります。凍ったまま小口切りにして卵焼きやみそ汁に入れたり、斜め切りにして炒め物に加えたり、5cm長さのぶつ切りにして鍋や煮物に入れたりするのがおすすめです。