三つも同時に事件が発生してじゅじゅ二次界隈が死にそうなことについて色々書いた
突然神作家さんたちが作品をマイピクに収納したり非公開にしたり――困惑していませんか。2021年7月16日の時点で二次創作(特に呪術夢)界隈に起きていることをまとめながら、何が問題でどういうことがこれから起こりうるのか説明していきます。
「小説以外の文章なんて読んだら眠くなるんですが」って人もいるだろうけど、二次創作をたしなむ(読み専含む)オタクの界隈に関わってくることなので終わりまで読んでね!
今回の混乱は「何かドでかいことが起きた」というわけではなく、複数のことが同時に起きてあっぷあっぷしているという状態です。同時発生の事件の数はなんと三つ。
一つ起きるだけでもやばいのに何で三つ同時に起きるの? 末法なの? って思うでしょう。私もそう思います。
一つずつ解説していきましょう。
その前に、ここから世代別に分岐するので、当てはまる方に進んでください。
・タイバニ1期をリアルタイム視聴でき、当時既にオタクとして作品を見たり読んだり描いたり書いたりしていた世代:★★★★★★までスクロールして下さい。
・個人サイトやホムペって何それ? 私は昔から支部を利用している!:このまま下にスクロールしてね!
ではまず、「個人サイトって何ですのそれ」な人とか、古の腐女子・夢女子向け文章は目と頭が疲れるという人に今回の騒動を説明していきます。
①前に別ジャンルで問題を起こしたり印刷代踏み倒し疑惑があったりする人が呪術ジャンルに来た。(7/13発覚)
②海賊版と疑われかねない呪術同人グッズの頒布が中止になったのだが、そのグッズを欲しがった人が「これは海賊版ではない」という保証を求めて公式に凸。(7/10以前に発生)
③支部に投稿した私の作品が別のサイトで晒されてる!? やばい隠れろ! と作家が自衛。(7/14発覚)
①公式画像を加工して同人誌に使用しようとした人が呪術界隈に参入
この人がやったこと
1公式のスクショを自己の同人誌に使用しようとした。(有志の皆様が何度も丁寧に説得したことで解決)
2同人誌の印刷代踏み倒しを繰り返していることをうかがわせるツイートを投稿した。当然ながら炎上したのだが、それを「バズった!」と喜ぶツイートを投稿。
この人が次にどんな問題を起こすのか予想がつかないのが怖いですね。
②海賊版じゃないもん問題
01何が起きたのか
登場人物が複数のため人物紹介から。
A:フォロワーたくさんのイラスト描き。数万人もフォロワーがいるらしい凄い絵描き。
B:ツイッターに生息するオタクの一人。
C:Aのファンなオタク(複数?)。
Aがイベントで頒布する同人グッズとして、キャラ名とキャライラストが描かれたマグカップを作った。
→Aがイベントで頒布するものの一覧を見たBは、「海賊版の販売に当たるのでは」とメッセージをAに送った。
→Aは「Bに注意されたから頒布止めます」とツイート。
→CがBに「Aのグッズは海賊版ではない。その証明のため今、公式に問い合わせている」とメッセージを送った。
他にもごちゃごちゃとあるのですが、ざっくりとした内容はこのようなものになります。詳しく知りたい方は調べてください。
02どこがどう問題なのか
Ⅰ.Aが作ったマグカップは同人として黙認される範囲を越えたグッズであったこと
Ⅱ.Aが自らの過失(調査・認識不足)を棚上げしてBに責任を擦り付けたこと
Ⅲ.Cが海賊版とはどのようなものを言うか調べず、自己判断したこと
Ⅳ.公式を巻き込んだこと
03問題Ⅰ、Ⅱについて
この2つについては、Aが同人作家として知っておくべきルール、身に付けておくべきマナー、過ちを起こしたときにとるべき態度に問題があったために起きたように思えます。
グッズを作るならば公式に迷惑をかけないラインを知っておかねばなりません。イラストだけならまだしも、キャラ名まで入れてしまえば公式が黙認してくれる限度を超えます。同人グッズを作ろうというなら調べてほしいです。
また、自分のフォロワーの中に同人グッズについての知識が少ない若年層がいることは、イベントに参加して自ら頒布を行っているなら想像できたことでしょう。わざわざ「Bに指摘されたから(嫌だけど)頒布をやめることになった」と愚痴を言ったのは、自らの認識の甘さ・調査不足を棚上げし、(知識の少ない)フォロワーを利用してBを責めるように誘導したように見えなくもありません。
他人に責任転嫁すれば一時的な逃避は可能でしょうが、このように故意や悪意を疑われかねません。
04問題Ⅲ、Ⅳについて
公式に同人活動について問い合わせる行為(公式凸)がどうして問題なのか、順を追って説明します。
★同人活動は違法~公式が見て見ぬふりしてくれているだけ~★
同人誌やグッズ製作といった二次創作活動が原作者たち公式の自由や権利を侵害しているにも関わらず、公式はそれを見て見ぬふりしてくれています。
しかし我々が大きな問題を起こせば公式は同人活動を禁止したり罰則を課したりします。
具体例をあげます。
同人作家Xは、漫画家Oが出版社Pで連載している漫画のキャラクターであるQが「赤い椅子に座って偉そうなポーズを取っている絵」を描き、アクリルフィギュアを作りました。
Xはイベントに参加する前に、ツイッターや支部などにお品書き画像を上げました。
が、Xがそのアクリルフィギュアの元イラストを描く前から、公式は「Qが赤い椅子に座って偉そうなポーズを取っている絵」をアニメーターに依頼したり漫画家O自身が描いたり、それを元にフィギュアやイラストボードなどのグッズにしようとしていました。
これによりどんな問題が起きるかと言うと――公式による「Qが赤い椅子に座って偉そうなポーズを取っている絵」のグッズ作製計画に支障が出ます。それは何故か?
同じキャラで似た構図のグッズを、公式が同人グッズの後追いする形で販売した場合、「公式がパクりをした」という事実無根な言いがかりをつけられかねないからです。たとえ公式の方が先に構想をし、何度も会議をし、製造の準備をしていたとしてもです。(例:ドラ◯エ花札。どちらが先に構想したのかは不明ですが、ドラ◯エのモンスターモチーフで花札を作るというネタ被りがありました)
公式は「自分たち(この場合は漫画家Oと出版社Pのこと)が作った漫画」のグッズを好きなように作って良いはずなのに、同人グッズが先行して作られてしまうと、「後だしはパクり~!」とか文句を言われるわけです。不自由ですし、不快なことこの上ないですよね。
その不自由や不快を取り除く手っ取り早い方法があります。その作品の同人グッズの作製を禁じてしまうことです。公式には禁じる権利があります。「作ったら罰金を取ります」「頒布したら訴えます」――早いし簡単です。
なのに、禁止しないでいてくれています。公式グッズが同人グッズと被らないよう、調べる苦労さえ負ってくれています。
他にも「構想中だったグッズを発売していたら公式が得られたはずの利益」が失われていますし、「Qが赤い椅子に座って偉そうなポーズを取っている絵」のようなネタ被りが他にも起きるかもしれないためグッズ展開にストップがかかります。
なのに黙ってくれています。
何故黙っていてくれるのでしょうか。理由の一つは「使用料を請求するのが手間だから」です。説明しやすいのでこの理由についてのみ説明します。
同人は今や数万人規模の界隈です。同人作家らが合法的に活動するには、それぞれが公式とキャラクター使用料について協議をして、契約をして、支払いをします。支払いが滞ったら公式はその人に支払いを督促する必要がうまれます。
いちいちこんなことをしていたら公式(出版社P)の業務を無駄に圧迫しますよね。他の企業に契約の締結や管理をお願いするにしても、それには費用がかかります。一人一人から徴収できる使用料は微々たる物なのに、出費や手間が多いのです。
同人活動を禁じてしまえば楽だし面倒もないしお金もかかりません。しかし公式は優しい。酷い問題を起こさない限り黙っていてやろう、という立場を取ってくれています。なお酷い問題を起こすと訴えられます。(具体例:マリ◯ー事件)
勘違いしてはいけないのは、公式は二次創作を「黙認」しているだけであり、「許可」はしていないということ。著作権が侵害されている状態を見て見ぬふりしてくれているだけです。同人活動が海賊版作製と言っても過言ではない活動ということに変わりはありません。
★海賊版作製者の身内が公式に難癖をつけているようにしか見えない~海賊版(同人グッズ)ではないなら何なのか。自分たちが公式だと名乗るつもりなのか~★
今回の問題で、Cは「Aのマグカップが海賊版ではないと証明してもらうため、公式へ問い合わせ」しました。
同人活動は海賊版作製活動とニヤリーイコールです。なのに「海賊版ではないと認めろ」と言う――つまりCの問い合わせは「勝手に海賊版グッズを作ったけど、公式グッズということにしてくれ」と言ったに等しいわけです。どうして個人が作製した同人グッズを公式グッズとして認めなければならないのでしょうか?
公式に喧嘩を売るのはやめてください。
ちなみに、集◯社様は「公式グッズだと誤解を招くグッズは作製不可」というガイドラインを出しています。
05どうしてCは公式に凸したのか
Aに煽られたため。オタクとしてのマナーやモラリティが身に付いていないため。
CはBに対してこのようなDMを送っています。
『~前略~私はあのマグカップやポーチが海賊版にあたるかどうか、同じAさんのファンの友達とも話しをして、みんなで公式にきちんと問い合わせをしました!~中略~お返事が返ってくるまで震えて眠ってください~以下略~』
相談する相手が友達――同年代でしょう。Cは学生さんの可能性が高いですね。「返事が返ってくるまで~」という文面からは社会人らしい雰囲気は感じられませんし。
ということは、学生であるC(複数人数)が、Aの責任転嫁や煽り行為に気づかないまま同年代の仲間内だけで結論を出し、公式凸に至った……という状況だったのではないでしょうか。
もしCが学生であるなら、それも中高生であるなら、公式凸をしたことについてCだけを責めることはできません。CにとってAは尊敬する年上であり、Aが「Bのせいです」と言ったなら「Aがそう言うんだからBが悪い!」と思い込んでしまいます。
中高生なら全員が誘導される、と言いたいわけではありません。年上に迷惑をかけられたり年上に騙されたり……といった経験がまだ少ないため「尊敬する年上の人」の表面上の言葉に誘導されやすい、と言いたいのです。
よって、Aの責任転嫁と誘導がなければCが「Aの名誉を守らねばならない(海賊版ではないと証明しないといけない)」と考えることはなかった、と言えます。
――しかし、同人活動が公式の黙認あってこそのものであると知っていれば、Cは「保証くれ」などと公式に問い合わせをしなかったはず。知らないから公式凸をしたわけです。
では、どうして知らないのでしょうか。ちょっと調べれば過去の公式凸に関するまとめがいくらでも出てくるのに。
それは、Cが中高生である(可能性が高い)ことが原因ではないかと思われます。この十年内にオタクになった層には、オタク向けにマナーやモラルを説明したサイトがあることすら知らない方々がいます。マナーやモラルを詳細に説明してくれていた講座を見る機会がなくなったためです。
かつて個人サイトが数々作られていた頃、サイト運営者は来訪者にマナーを守ってもらうためにあれこれと手配をしていました。その一つがマナー講座です。✕✕をしたら危険だ◯◯をした方が良い、というマナー講座へのリンクを設置し、「私のサイトを訪れたなら必ず読んで」と書いて来訪者を誘導していました。
必読やInfoでマナー講座へ誘導されたお陰で、新人オタクはマナーやモラルを身に付けることができていました。
さて振り返って現在、マナー講座の存在感は薄れてしまいました。支部には入り口(活動ジャンルや、サイトトップに入る前の注意書きがあるページ)も、サイトトップ(必読や作品一覧などのメニューがあるページ)もありません。
マナー講座があることを知らず、かといってマナーを教えてくれるオタクとも縁がなく。マナーやモラルが充分に身に付いていないし二次創作の立場を理解できていない。そういった層が「知らない」がゆえに公式凸をしているのではないでしょうか。
③支部の作品が別のサイトで晒されてる(?)問題
01ざっくり概要
捜索掲示板に「支部のおすすめ作品教えて」というスレがたち、そこに大量のURLが並んだ。
掲示板に自分の作品へのリンクが貼られていることを知った作家らがそれに恐怖を感じ、自己の作品をマイピク化・非公開化した。また、掲示板の運営者に対し「支部の規約違反だから対処して」という旨のメールを送ったりURLを貼った人を通報したりするユーザーが現れた。
02どうして恐怖を感じたのか
過去に悪質な掲示板があったため、等々。
「別のサイト」というのはハーメルン(以下ハメルン)という二次創作の投稿が可能なサイトで、そこをメインにオタ活をしている人もたくさんいる場所です。支部ユーザーにもハメルンを利用してるよって人もたくさんいるはず。
そのハメルンに捜索掲示板というものがあります。それは「以前読んだアレ、タイトルが思い出せないけど前読んだアレをまた読みたい」とか「私好みの小説が見つけられん。◯◯って傾向の話を探しているので、みんなのお勧めを教えてくれ」といった使い方をする場所です。
その掲示板に、pixivの二次創作作品が、タイトルとURLがいくつも載せられました。それが、この項目に挙げた「晒されてる問題」。
ハメルンの捜索掲示板に問題はありません。が、むかし悪質な掲示板で晒され、人格攻撃まで受けた人が何人もいます。そのため、それを見て知っていたり実際に被害を受けたりした人達には「掲示板にURLを貼られる=自分や自分の書いたものがおもちゃにされる」という認識があるわけです。
他にも非公開化の理由はありますが、長くなるのではしょります。
03規約違反ですという通報
書き手が怖がる行為を止めさせたいので、それっぽい規約をそう解釈した。
「晒されてる」状態を解消したいと考えた人が、ハメルンの運営に対し掲示板のスレッド削除を要請しました。その際の根拠にしたのが、『転載は支部の規約に抵触している』ということ。
転載禁止って規約はあったかな、と探してみて、これを根拠だと言ってるんだろうと思われる部分がありました↓
――――――
第14条 禁止行為
ユーザーは、本サービスの利用にあたり、以下の各号に該当する事項を行ってはならないものとします。
1.当社もしくは第三者の著作権、意匠権等の知的財産権(第21条第1項に定義します。)、その他の権利を侵害する行為、または侵害するおそれのある行為
2.本サービスおよび個別サービスに投稿等されている投稿情報を、当該著作者(創作者)の同意なくして転載する行為
――――――
この第14条2項を分解するとこうなります。
pixivに
「本サービスおよび個別サービスに」
投稿された作品の情報を
「投稿等されている投稿情報を」
作者に確認とらずに捜索掲示板などに貼り付ける
「当該著作者(創作者)の同意なくして転載する」
行為を禁ずる。
読みづらいので「」を削ります。
pixivに投稿された作品の情報を、その作品の作者から許可を貰うことなく掲示板に書き込むのは禁止です。
つまり、作者本人に許可を取ればURLを他所に貼り付けても良いよ。許可を貰えるかどうかは分からないけどね。
ということになるわけです。
しかし支部には、共有ボタンという「作者に許可を取ることなく」ツイッターやラインやらにURLや作者名やらタイトルやらを貼ることができる機能があります。これでは提供されている機能と規約とが矛盾していることになります。
ということは、ハメルンに書き込みを削除するよう要請した人が根拠とした(かもしれない)第14条第2項が転載を禁止する「作品情報」には、URLやタイトルが含まれていないのです。
「禁止されてないじゃん」「リンクを貼って悪いことないじゃないか」と思いますよね。ただこの件に関しては、「ツイッターは良いけど掲示板はムリ」「掲示板って無法地帯なんでしょ」と感じたり考えたりしている人がいるのだ、とご理解頂きたいです。
削除要請と通報はかつての荒らし晒し被害への恐怖心や嫌悪感からの行動ではないかと思われます。
★★★★★★
ここからはインターネット老人会で足湯したり、全身湯に浸かったりしている人向けの説明。「(来週も)面白かっこいいぜ!」でワタルは分からなくてもハヤテは分かるみんな向けに今回の事件について説明するぜ!
起きた事件一覧。
①前に別ジャンルで問題を起こしたり印刷代踏み倒し疑惑があったりする人が呪術ジャンルに来た。(7/13発覚)
②海賊版と疑われかねない呪術同人グッズの頒布が中止になったのだが、そのグッズを欲しがった人が「これは海賊版ではない」という保証を求めて公式に凸。(7/10以前に発生)
③支部に投稿した私の作品が別のサイトで晒されてる!? やばい隠れろ! と作家が自衛。(7/14発覚)
①公式画像を加工して同人誌に使用しようとしたりその他色々した疑いのある人が呪術界隈に参入。(7/13発覚)
01概要
とあるゲームのジャンルで問題を起こしたZが「呪術ジャンル人気みたいだから私も参加しよ」とジャンル移動(原作未読)。
Zは以前、ゲームのスクショを加工して自分の同人誌で使用しようとしたことがある。その際に多くの人から「それは海賊版になる」「ジャンル全体に影響が出る」と注意され説得されたにも関わらず、「昔はできたのに」「弱小サークルなので平気」となかなか耳を貸さなかった。最終的には該当部分が差し替えられたのだが、本人が納得して差し替えたのかは不明。
02その他Z氏のあれこれ
過去にZが何を起こしたのか知らない、詳しく知りたいって人は「FF スクショ加工 同人誌」で検索したらまとめページが出てくるはずなので、それを読んでみてください。
他にも同人誌の印刷代を何度も踏み倒したという旨のツイートを行った。「◯◯社様は踏み倒しのメッカ」「◯◯社様は債権(=印刷代)の取り立てを会社に委任されてしまった」等々の発言で炎上したんだが、本人は「ばずっちゃった~★」と喜んでいた。
②海賊版じゃないもん公式凸問題(7/10くらい)
01何があったのか
キャラのイラストと名前入りの同人マグカップを頒布しようとしたA、「やめろジャンル全体を巻き込んで死ぬ気か」とAを注意したB、「Aさんの作った同人グッズは海賊版じゃない。証明するため公式に問い合わせた」と公式に凸したC。
三者とも行動力に溢れていたため焚き火が山火事になった。
02もっと詳しく
登場人物は上に書いたようにA、B、Cの三者。
・A:フォロワーたくさんのイラスト描き。数万人もフォロワーがいるらしい凄い絵描き。
・B:ツイッターに生息するオタクの一人。
・C:Aのファンなオタク(複数?)。
Aはイベントで頒布する同人グッズとしてマグカップを作ったんだが、そのマグカップにはキャラのイラストだけでなくキャラ名も書かれていたためBが「海賊版の販売に当たるのでは」とメッセージを送った。Aは「Bに注意されたから頒布止めます」とツイートし、CがBに「Aのグッズは海賊版ではない。その証明のため今、公式に問い合わせている」とメッセージを送った。
03どうしてこんなことに……
Aがヤバいグッズを作らなければBが注意することはなかったし、Aが「私は頒布を止めたくないけどBがうるさいから仕方ない」と責任転嫁しなければCが義憤に駆られることもなかった。
あとはCのマナー・モラルに関する知識不足が原因だと思われる。
BははじめDMでAに注意を促しており、Aはそれを無視した。BはDMでは埒が明かないと判断し、ツイートで注意喚起を行った。Aは「Bさんが注意してきたから頒布止めます」という旨のツイートをした。
注意されて嫌な気持ちになるのは分かる。ふてくされたくなるのも分かる。良薬は口に苦いし忠告は耳に痛いって言うから。でも相手の言葉の方が正しいなら、対応を間違えちゃいけない。
私は悪くないもんって主張するなら根拠を示さねばならん。煽るんじゃない。
そしてCについてなんだが、CはBに以下のようなDMを送っている。
「~前略~私はあのマグカップやポーチが海賊版にあたるかどうか、同じAさんのファンの友達とも話しをして、みんなで公式にきちんと問い合わせをしました!~中略~お返事が返ってくるまで震えて眠ってください~以下略~」
これは中学高校時代に経験したアレですね、謎の万能感と強い言葉。すごく厨二っぽくて胸が痛くなる。藍染隊長に「弱く見えるぞ」と言われるやつだ。
というわけで、Cはどう年齢を高く見積もっても20歳以下の学生だろう。ツイッターは現在13歳未満が登録できないので中高生の可能性が高い。
中高生なら、Aの責任転嫁に気付かずBに敵意をもってしまうのも仕方ない……かも。マナーやモラルが不十分なのも、最近はマナー喚起ページとかを全然見かけないから学ぶチャンスが少ないんだろうし。
③晒されてる?問題(7/14~)
01起きたこと
小説投稿サイト・ハーメルンの捜索掲示板に、pixivに投稿されていた二次小説作品のURL等が大量に貼付される。
→晒し行為が起きていると判断した作家たちが作品を非公開にしたりマイピク化したりした。
→それと同時に、捜索掲示板に貼られたURLの削除を求める方がハーメルン運営に対応を求めた。
02どうして書き手たちが作品のマイピク化や非公開化をしたのか
掲示板にリンクを貼られてる状態が怖いから隠れた。
晒しと聞くと「にち◯ん(個人サイト隆盛時)もしくは晒◯掲示板?」と疑ってしまうかもしれない。ちょっと違う。
この問題における「晒し」というのは、行為者たちには悪意が全くない、捜索掲示板に作品タイトルとURLを貼る行為のことを指している。
我々の知っている悪質な晒しとは種類が違うけれど、「アニメ◯トとかまん◯らけの奥に隠してあるべきものが一般書店の棚に平積みされて晒されてる状況」であるため「晒し」と呼んでいるわけですね。ごった煮アンソロ本が原作の横に(本屋の無知や好意により)並べられていると想像してほしい。心臓が冷や汗をかくレベルで怖い。
逃げて隠れて闇に潜んでた時代を生きてきた世代なら覚えがあるはず――理想郷とかの捜索掲示板では、ほぼ必ずURLのhttp://を消していたり、「君の探してる作品は管理人がURLを掲示板に載せるのを禁じてる。◯◯サーチから跳べるから自力で探しなよ」と遠回りに伝えたりしてたものだった。
二次創作個人サイトへのリンクが掲示板に貼られるというのは、自分だけの秘密基地が地元の観光案内マップに載せられてしまったようなもの。または自分の部屋が観光地として公開されたようなもの。
かつて、同人サイトのソースコードには検索避けが四つ五つと入っているのが普通だった。直リン禁止、荒らし晒しお断り、ネットマナー講座、◯◯同盟、読者とリレー小説やら企画やらなんやらを始める管理人……今となっては懐かしいやら寂しいやら。あの時代、我々は影から影へ飛び回る忍者だった。
――だけれど、人は慣れるし忘れる生き物。あんなに必死にURLの一部を消したりナゾ解き形式にしたり行き方を迂遠に伝えたりしていたのに、五年十年と経つうちにその必要性を忘れてしまう。
今回、ハーメルン(以下ハメルン)の捜索掲示板ではURL添付祭りと言って良いレスが並んだ。支部の作品には小説idさえあれば手入力でページに跳べるのだけれど、URLコピーしてそのまま載せる方が手間が少ない。そうして全裸のURLが掲示板に並んだ。
「ツイッターやLINE等への共有ボタンがあるんだから、掲示板からのリンクだって許容範囲なんじゃないの」という意見は当然ある。仰る通り。
思うに、個人サイトを運営していた時の考え方・常識と、利便性が高い代わりに自衛が難しい支部の環境とが噛み合ってないのではないか。同人活動はもともとグレーゾーンだし、問題が起きかけたら身を隠すのは当然――ガチガチに自衛したければ個人サイトを使った方が良いだろうけれど、支部の便利さを捨てるのは難しい。
今の居場所(の一つ)を捨てられない。だけれど何かしておかないと怖い。晒し◯盟やらなんやらの時みたく人格攻撃されるんじゃないかとか疑ってしまう。
③だけでは非公開化・マイピク化はなかったかもしれない。しかし①と②が起きたと同時に③まで発覚した。二度あることは三度あるし四度五度と重なるものだから、巻き込まれたらたまったもんじゃない。そして取った手段が非公開化……というわけだろう。きっと。
今回、支部の二次創作作家達が胃を痛めながら非公開処理やらマイピク限定公開処理をせざるをえなくなった一因は、私を含む掲示板利用者にある。
ハメルンを利用しておらず掲示板の存在を知らなかったならまだしも、私はハメルンを使っており、捜索掲示板の存在を知っていた。理想郷の捜索掲示板での一部伏せ字URLを常識として身に付けてきた層にとって、剥き出しのURLは恐怖なのだと気付くべきだった。
思い出していれば何かしら手を打てたかもしれないのではと思うと、本当に申し訳ないです。
03ハメルンを襲った被害
「私が判断するに、これらのリンクは支部の規約違反です! レッドカードです! 削除してください! 今から通報します!」
URL添付祭りが支部の規約にも抵触している可能性がある――と判断して、他ユーザーに対しレスの削除要請を行い、ハメルン運営に通報やらをなさったユーザーさんがいらっしゃる。
支部の規約には「URLを外部サイトに貼り付けることを禁じる」と書かれた文面は見つからなかったのだが、かのユーザーさんが「URLを捜索掲示板に貼るのは支部の規約違反」と判断した根拠はこれであろうと思われる文面は見つけた。
――――――
第14条 禁止行為
ユーザーは、本サービスの利用にあたり、以下の各号に該当する事項を行ってはならないものとします。
1.当社もしくは第三者の著作権、意匠権等の知的財産権(第21条第1項に定義します。)、その他の権利を侵害する行為、または侵害するおそれのある行為
2.本サービスおよび個別サービスに投稿等されている投稿情報を、当該著作者(創作者)の同意なくして転載する行為
――――――
第2項の「本サービスおよび個別サービスに投稿等されている投稿情報」を「当該著作者(創作者)の同意なくして転載する行為」に、今回の支部作品URLラッシュが該当しているのでは……? という考えだろう。きっと。
「投稿情報」と言うからには、本文は当然として作者名やタイトル、当該作品の活動ジャンルも含まれる――のだろう。きっと。第14条2項は『作品を』転載することを禁ずる、ではなく『投稿情報を』転載することを禁じているので、広い意味で解釈しろということだろう。きっと。
だから第14条第2項は、作者に「捜索掲示板で◯◯(原作名)のお勧め教えてってスレッドが立ってるんだけど、そこにリンク貼り付けて良い?」と許可を求めることなくURLを貼るのは禁止ですよ――ということになる。そう解釈できなくもない。
本当のところがどうなのかは分からないけれど、かのユーザーさんは第14条第2項をこのように解釈して、通報の根拠としたのではなかろうか。
支部の規約違反ではない可能性が高いが、ハメルン運営が問い合わせをしてくれているので回答待ち(7/24現在)
ちなみに、支部の規約を守ることについて「私は支部でユーザー登録してないんだけど、関係あるんですか。私は規約に同意してませんけど」と考える人もいるだろう。関係がある。とてもある。
たとえばだが、訪日外国人は日本の法に縛られる。オランダでは大麻を吸ってもオッケーかもしれないけど日本で大麻を吸ったら捕まる。それと同じように、登録していようがしていまいが支部を利用しているならその規約を守らねばならん。一部の非登録ユーザーの迷惑行為によって、支部の作品を閲覧するには登録せねばならぬ、等々の流れになる可能性がある。つまり制約が厳しくなっていくってことね。
日本に流れ着いて日本で生活するなら、日本の国内法を守ろう。登録せずに支部の作品を楽しんでいる人も、支部の規約を守ろう。
でも即通報ってのは止めよう。一旦落ち着いて考えるんだ……ハメルン運営が困っちゃうでしょ。
04色々書いてるけど、つまりどういうことなんだってばよ?
晒◯掲示板やらなんやらを経験してきた作家さんたちが捜索掲示板でリンクを貼られたことについて「公の場に自分の二次創作を晒されてるものだ」と解釈して怯えているので、現在支部の呪術ジャンルは非公開とかマイピク祭りになっている。
作家たちやジャンルの行く末が心配なあまり、捜索掲示板を設置しているハメルン運営に「なんとかしてくれ」と突撃した人も出た。
この三つの事件がなんと偶然にもほぼ同時(7/10~7/14)に発覚(発生)し、呪術界隈は悲鳴を上げているのでした。
・ここから当方の一意見
これら①②③の話を聞いたときは口から胃を吐くかと……。同人活動は公式のお目こぼしで許されているものなのに、①の人はもう色々とやばいし、②のCも公式凸とか何を考えてるんだ。③の即行動ユーザーさんは落ち着いてくれ。――いやしかし、ちょっと待てよ、オタクの中には同人の立場やらなんやらを理解してない人が一定以上いるんでは……?
①の人は公式を怒らせたらジャンル全体が困るということを理解しておらず、②のCは「同人活動」がどのような立ち位置にあるものなのか理解しておらず、③はとりあえず落ち着いてほしい。
②のCは二次創作が著作権者つまり公式の権利を侵害する行為であることを分かっていないのではないか? じゃなきゃ「これって海賊版じゃないって証明してください!」って公式に凸とかしないはず。しないと思う。
――何故Cは二次創作の前提を知らないのだろうか。
先日、イイハナシとして「自己紹介でオタクを名乗れる時代になりました云々」という記事を見かけた。オタクであることを隠す必要がなくなった。それは確かに良いことだ。夜闇に潜んで抜き足差し足していた頃のような居場所のなさ、居心地の悪さを感じることのない世の中になった。良いことだ。が。
オタクであることが急速にメジャー化、一般化したことで、若年層や新たにオタクとして参入した層にマナーの周知徹底が追い付いてないように思う。個人サイトがすごく流行っていた時にもマナーが身に付いてない方々がちらほらいたけれど、それが増えたように見える。
個人サイトに検索避けを重ね掛けしてた時代から十年以上が過ぎた。日本は少子高齢化が進んでるから寿命で死ぬオタクよりも新たに生まれるオタクの方が数が少なくなっているはず――なのにオタクの市場はほぼ右肩上がりだ(矢野経済研究所のデータを参照した)。
ということはだ。オタク活動が一般的になり、これまでオタクではなかった方々が参入するようになったと考えて良いのではないか。新規参入ゆえオタクマナー・オタクモラリティーとでも言うべきものを知らない人たちが増えた……ということではないか。
ほんの十年ほど前のことだ。運営者たちはマナーの悪い一部の人々に悩まされていた。サイト来訪者にマナーを守らせるにはどうしたらいいのか? その解決手段として、有志によるネットマナーページをひっぱってきたり、自分なりに分かりやすく書いて「はじめに」とか「インフォ」に載せた。マナー底辺な来訪者をブロックする手段はないのかと頭を抱えることは何度もあった。最終的には荒らしや晒しから逃れるためにサーバーもアドレスも変えたりしたよね、でもすぐ見つかるんだよね。なんでや。
個人サイトをあちこち訪れていた皆さんも覚えがあるだろう。扉ページには「初めての方ははじめにを読んでね!」とか「インフォは必読です」って書かれていたもんだった。しつこいくらい見たよね、ネットマナー講座。
さて翻って、現在はどうか? 支部にインフォはない。それぞれ作家が作品のキャプションや1ページ目で注意を促してはいるが、私の見知っている限りにおいて、キャプションや1P注意書から「作者や作品に対してとるべき態度」というマナーは学べても、オタクが身に付けるべきモラリティー、道徳は学べない。
それもまあ当然といえば当然だ――作家は趣味で小説やらなんやらを書いているんである。後進のオタクへ道徳の授業をしてやるために物書きをしてるわけじゃあない。
何故マナーやモラルの喚起がなされていないのだろうか。
十年くらい前、個人サイトから支部にぞろぞろとオタクが移動し、個人サイトそれぞれのインフォは、はじめには、必読は、無くなっていった。それでも始めのあたりは良かった。みんな個人サイトを運営したり閲覧したりしていたから、インフォがなくても「常識」としてマナーとモラルを知っていた。だから、あえてマナーやモラルを喚起する必要はなかった。
だが、支部が生まれてから十四年が過ぎた。個人サイトを知らず、支部しか知らないオタクも増えた。
「若年層や新規参入のオタクには非常識なところがある」と感じることがあるのは、我々古のオタクが何度も目にしてきたオタクのマナーを学ぶ機会がなかったからではないのか?
むろん若年層や新規参入オタクにも、マナーとモラルを身につけた尊敬すべき立派なオタクは存在する。立派なオタクというと「どこに出しても恥ずかしい」と枕詞を付けたくなるけど、どこに出しても恥ずかしくない立派なオタクがちゃんといる。
しかし、学ぶ機会が激減した現在、もはや「オタクとしてのマナーやモラルを身に付けたいなら自力でやるべき」とは言っていられない時代が訪れたように思う。
いっときは群雄割拠の時代を築いた個人サイト連合王国はピク支部に溶けて消え、一部のサーバーもサービスを終了した。皆にオタクとしての心構えを教えてくれた成りきりマナー講座はネットの海に消えた。
今のオタクが自力でマナーやモラルを学ぼうにも身に付けようにも、参考書が少なすぎる。
アホバカまぬけと①の人や②のAやCを罵ることなら誰だってできる。だが同人活動で問題を起こした人は今までにもたくさんいるし、公式に凸したオタクはCだけではない。これまでにも何度も事件が起きている。我々はその度に事件の当事者を罵り、公式の対応を恐々と窺ってきた。
今までそうやってきた。だが、これからもそうし続けていいのだろうか。
未病という言葉がある。「まだ病気になってはいないが健康とはいえない」状態のことを言うらしい。今のオタク界隈はいま、未病の状態にあるのではないか? 発症する前に我々全体で界隈を自浄し、問題が起きることのない状態にできないだろうか。
なんとかしたいと思っています。マナー喚起ページ作製や既存のマナー講座への誘導などを考えておりますので、皆様ご助力頂けますととても助かります。
追記
・規約の条文にもともと無い文字(空白、句読点含む)を足すと文面の信憑性を損なう、という旨のご指摘頂きました。ありがとうございます。修正いたしました。
・件の方の人格に関する表記を削除しました。ご指摘くださりありがとうございます。