会見する浅子藤郎教育長(左)と「いじめ問題調査審議会」の渡辺祐樹会長(中央)=27日、鶴ケ島市役所庁議室 |
鶴ケ島市で昨年11月、自殺を図ったとみられる小学6年生の女子児童=当時(11)=が自宅敷地内で死亡した問題で、第三者委員会の「いじめ問題調査審議会」(会長・渡辺祐樹弁護士)は27日、同市役所で第6回会合を開き、調査報告書を浅子藤郎教育長に提出した。渡辺会長は「(同級生による)いじめはあり、女児の死亡と関連があった。女児は自殺だった」と断言。浅子教育長は「命の大切さを教え、再発防止に取り組む」と述べた。
審議会は昨年12月27日に発足。6回の会合などで児童、教職員、保護者からの聞き取り調査、児童へのアンケート調査や面談を実施。その結果に基づき報告書をまとめた。
報告書によると、昨年9月以降、同級生の女児2人が、被害女児に悪口を言うなどした。「いじめの有無と事故との関連」について報告書では、▽女児2人がコンビニで文房具などを買わせて被害女児に代金を支払わせた▽女児2人らとカラオケに行き、カラオケと飲食代約1万円弱を被害女児に支払わせた(11月14日)▽無料通信アプリLINE(ライン)で「自殺したい」と女児に告げた被害女児に対して、もう1人の女児がタブレット端末を使い自殺に追い込むような内容のやりとりをした(11月15日)―としている。
その直後、女児2人はコンビニで被害女児にお菓子などを買わせ、3人の様子を不審に感じたコンビニ店員が被害女児に話し掛けたところ泣き出し、「いじめられている。意地悪をされている」と話した事実を確認したという。
それらを受けて報告書では「動機、原因などを示した遺書は残されていない。しかし11月15日のラインのやりとりで女子児童が『自殺したい』と告げたことは、つらく感じていた意思表示」だとした上で、「事故がその翌日の登校日の下校後に起きたことからすれば、一連のいじめが契機となったと推認できる。いじめとの関連性が認められる」と結論付けた。
報告書を受け取った浅子教育長は「非常に重大な事態と受け止めている」とした上で、「命の大切さを教え、いじめ防止の教育を徹底する。児童と教師の信頼関係を回復したい」と再発防止を誓った。
また被害女児の両親との面会について、浅子教育長は「ご都合を伺った上で報告書をお渡ししたい。亡くなった女子児童のご冥福とご家族にお悔やみを申し上げたい」と謝罪した。
県警によると、被害女児は昨年11月17日午前、自宅敷地内で死亡しているのが見つかった。2階の窓から飛び降りたとみられる。