ひろゆきが「年収600万円以下の人」に伝えたい、ある事実ひろゆき氏(撮影:榊智朗)

現在、テレビやYouTubeで圧倒的な人気を集める、ひろゆき氏。
29万部の大ヒットを記録しているベストセラー1%の努力』では、その考え方について深く掘り下げ、人生のターニングポイントでどのような判断をして、いかに彼が今のポジションを築き上げてきたのかを明らかに語った。
この記事では、ひろゆき氏に気になる質問をぶつけてみた。(構成:種岡 健)

「自己肯定感」と「生きづらさ」

「自己肯定感」という言葉が時代のキーワードみたいになっています。その背景には、自分という存在への「罪悪感」「恥ずかしさ」があるのかもしれないですね。

「みんな立派なのに、自分はぜんぜん大した仕事ができていない……」

「周りと比べて、自分にはなんの才能も取り柄もない……」

 そうやって、自分のことを卑下する人ばかりで溢れかえっています。でも、「もっと自由に生きればいい」「甘えていい」と思うんです。

「偏差値」の病

 人と比べてしまう理由のひとつに、「偏差値」という概念があります。ある集団にテストを受けさせて、平均点が「偏差値50」になります。この概念がやっかいなのは、相対評価であることです。

 たとえば、100人が100人、全員が「偏差値50以上」を目指したとしても、絶対に半分の人は「偏差値50以下」になります。

 また、「偏差値50以上」の人たち(50人)を集めたとします。その50人の中でテストをおこなえば、またその半分の25人が「偏差値50以下」になります。

 つまり、相対評価でいる限り、半分の人たちは平均以下になってしまうという当たり前すぎる「世の中のルール」があるわけです。

 その偏差値の仕組みをちゃんと知らないまま「自分はダメなんだ……」と、他人と比べて落ち込んでしまっている人たちが多くいます。でも、初めからそういう仕組みだとわかってしまえば、「じゃあ、その中でも幸せに生きるにはどうすればいいかな?」と前向きになれると思うのです。

年収600万円以下の人たち

 そういう考え方を変えるために、1つの事実を話します。

 それは、「年収600万円を稼いでいないと、国に頼っているのと一緒」ということです。なぜなら、年収600万円以上を稼いでいないと、納めている税金以上に国のサービスを受けていることになるからです(ザックリとした試算によるものですが)。

 ここで僕が言いたいのは、「もっと稼げ」「稼いでいる人に感謝しろ」など、上から目線のお説教ではありません。それくらい多くの人が「他人に頼って生きている」という事実です。

 今の日本では、年収600万円を稼ぐのは、かなり頑張らないと難しい状況です。日本人の平均年収は400万円くらいです。なので、日本にいる半数以上の人たちがそういう状況ですから、「自分は期待されている」「もっとちゃんとしないといけない」なんて思うこと自体が間違っているのです。

 最初から、私たちの多くは人に頼っています。だから、頼った状態のまま、もっと楽しく、もっと幸せに生きればいいと思います。どうすれば、今の生活で「お金以外の部分」をよりよくできるか。そのことに頭を使ってみてください。

ひろゆき
本名:西村博之
1976年、神奈川県生まれ。東京都に移り、中央大学へと進学。在学中に、アメリカ・アーカンソー州に留学。1999年、インターネットの匿名掲示板「2ちゃんねる」を開設し、管理人になる。2005年、株式会社ニワンゴの取締役管理人に就任し、「ニコニコ動画」を開始。2009年に「2ちゃんねる」の譲渡を発表。2015年、英語圏最大の匿名掲示板「4chan」の管理人に。2019年、「ペンギン村」をリリース。主な著書に、29万部を突破した『1%の努力』(ダイヤモンド社)がある。