「死の睡眠導入剤」女准看護師がもらした呆れた動機

国内 社会 週刊新潮 2017年7月27日号掲載

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 他人の不幸は蜜の味とばかりに、この女は犯行を重ねた。7月11日、千葉県警に殺人未遂容疑で逮捕された准看護師の波田野愛子容疑者(71)。勤務する老人ホームで、同僚の飲み物に睡眠導入剤を混入した瞬間の動画は世に衝撃を与えたが、その呆れた動機とは……。

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 江戸幕府に干拓されたことで有名な印旛沼のある千葉県印西市。雑木林や田畑に囲まれた長閑な老人ホームで、異変が起きたのは今年1月頃のことだった。

 ホームの施設長を務める男性(44)が振り返る。

「14名いる職員のうち5名が、目眩やふらつき、強烈な睡魔に襲われ、意識障害が出る方もいた。“水でも悪いのかな”と話していたんですが、何故か入所者に被害はありませんでした」

 波田野容疑者に疑惑の目が向けられたのは5月頃。彼女が飲み物に異物を入れる様子が目撃され、同僚に問い詰められると“栄養剤だ”と答えたという。不審に思った他の職員がスマホを置いて犯行の一部始終を撮影。警察に通報されたことで、まず6月21日に傷害容疑で逮捕されたのだ。

「今回の逮捕は、5月に体調不良を訴えた60代の女性事務員とその夫が、退勤途中に正面衝突事故を起こした件での殺人未遂容疑です。実は、2月にも体調が悪くて帰宅した女性職員が、交通事故で死亡している。県警は関連性がないか捜査を続けています」(地元記者)

 肝心の動機について次のようにもらしているという。

「容疑者は取調べで『同僚を妬んでいた』と述べ、被害者に対しては『上司に気に入られており羨ましかった』と繰り返しています」(同)

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