はじめに
ボーンフレーム位置角度補正による修正
多段/準標準ボーンによる修正←今ここ
【多段ボーン】
多段化っていうと何か恐ろしい響きですが、ボーン入れるだけで修正が楽になる!
って言うと何か魅力的に聞こえませんか?
多段化によって格段に楽になるのが腕の修正です。
どうやって直すかのお話をする前に、
腕ボーンのデフォ角度について少々説明しておこうと思います。
モデルの腕角度はAスタンスが基本ですが(読み込んだときに腕が真横よりも下がっている)
その角度に関しては共通基準などがないのでモデルによってまちまちです。
腕を真横に伸ばした状態(Tスタンス)から30度ぐらい下がっているモデルもいれば、
50度ほど下がっているモデルもいます。
この差異によって何が起きるかというと、手の貫通や浮きです。
例えばデフォで腕の角度が浅いモデルでトレスされたモーションを、
腕の角度が深いモデルに読み込むと、腕を身体に沿って下げているところで貫通します。
逆の場合は、例えば腰に手を当てているはずなのに宙に浮いている、なんてことが起きます。
数箇所ほど貫通(浮き)がある、という程度なら個別に直したほうがいいですが、
全体的に貫通(浮き)がすごく多い場合は、
最初から使用モデルをトレスモデルに合わせて直してしまったほうが楽です。
ただしこの角度はモデルのリドミに書いていませんし、モデラーさん自身でも
元々Aスタンスでモデルを作っているためわからない、ってこともあります。
2015/7/2追記:
先日このりさんが取っていたモデラーさん向けのアンケート結果が
Togetterでまとめられていましたので参考までにリンク貼っておきます。
MMDモデルのAスタンスの角度アンケート
このようにモデルによって違いますので、
そのモーションのトレスモデルと使用モデルの腕の角度を確認する必要があります。
尚、肩は修正のために使用しないほうがいいので、下の方法で求める数値は「腕」のみです。
二体のモデルをMMDに読み込みZ軸でズラして腕の角度の差異を確認する
こちらの方法は切な顔Pのブログ(真ん中辺りの「多段化して腕の修正」のところ)
にて紹介されています。
シンプルですが、差異が小さいときは見た目ではわかりにくい&
腕の位置を合わせるのがモデルによっては難しいという難点があります。
PMDEにモデルを読み込み確認する
モデル: hana式プロイセン
① トレス元モデルを読み込む。
② PMD VIEWのところで「T」を押し、TransformViewの画面を出す。
③ 右腕でも左腕でもいいので、変形操作ウィンドウにあるボーンから腕を選択。
④ タブのところで「値指定」を選択。
⑤ Z軸のところに適当な数値を入れる。
元々のモデルがAスタンスで作られている場合はプラス値、
Tスタンスの場合はマイナス値です。
どちらだかわからない場合は両方入れてみましょう。
⑥ 「回転」を押します。TransformViewで腕が真横に伸びていたら成功です。
違っていたら「リセット」を押してから数値を適当に変えてください。
⑦ 真横に伸びたときの数値を確認します。
hanaさんのプロイセンはどうやら-40ぐらいのようです。
⑧ 使用モデルを読み込んで同じことをします。
ちなみにこちらの方法の場合は、モデルの腕の角度を変えてしまう手もあります。
エラーでたら恐いんで私はやりませんが。
上記の方法で確認が済んだら左右の腕を多段にします。
多段についてはこちらをご参照ください。
もし使用モデルに腕IKがあった場合は、
このりさんが紹介してる方法で削除してから腕補助をいれてください。
多段化したら、右腕補助1と左腕補助1ができますので0フレームでそれらのボーンを使い
ローカルZ軸回転でトレスモデルと大体同じ位置にします。
(例: トレスモデルが-30で使用モデルが-40の場合はZ軸の数値を-10にする)
それからモーションを流しこんで見てみると、大まかなところは直ります。
ただし体型の違いもあって完全には直りません。
例えば身体に近いところで腕を動かすor身体に手を付けるモーションの場合は特に。
そういった場合、私は元モーションのほうでいじってしまうのですが、
元モーションをいじるのはなんとなく恐いと思われる方は
多段プラグインで腕補助2も追加しておきましょう(多重化数を2にするだけです)。
一つ目のキー: まだ貫通(浮き)が起きていないフレームで腕補助2を初期状態で登録。
二つ目のキー: 貫通(浮き)が起きたところで腕補助2を使い修正してから登録。
三つ目のキー: 貫通(浮き)が起きなくなったフレームに腕補助2を初期状態で登録。
つまり修正したキーフレームを初期化したキーフレームで挟むわけです。
なぜ前後に初期化したキーが必要なのか?
ボーンはキーフレームからキーフレームまでの移動・回転の数値を反映して動きます。
もし修正したいフレームのキーの前に初期化したフレームがない場合は、
0フレームからじりじりと動いてしまうからです。
それでもわからない場合は、モデルを読み込み500フレーム辺りで腕を動かした上で
キー登録してから再生してみてください。
0フレームからじりじり腕が動くので、0フレームから動くという意味がわかるかと思います。
【準標準ボーン】
配布モーションに肩Pや捩りボーンを使っていないものが多いのは、
グルーブや上半身2などほかの準標準ボーンを使用しないのと同じ理由で、
もし入っていないモデルに使われた場合モーションが全く変わってしまうからです。
ただし、その分腕周りの標準ボーンに無理をさせることになります。
人体の肘も手首もX軸回転はできません。
ですが捩りボーンを使わない場合は、
X軸回転を縛ってしまうと不可能になってしまうポーズが多々あります。
例えば前に真っ直ぐ腕を伸ばし手のひらを上に向けるとか、
肘や手首にX軸回転をさせず、更に捩りボーンを使用しないとなると不可能です。
捩りボーンを使わないトレーサーはそういうポーズを取らせるとき、
人体にはできない回転負荷を腕周りの標準ボーンに掛けますが、
肩や肘、手首などの繊細なモデルに使用すると
肘が細くなったり、肩周りや手首に破綻が出たりします。
そんなときは、肩Pと腕・手捩りボーンを使用してみてください。
肩の辺りに出た場合→肩P
先ずは破綻が出たフレームを探します。
一つ目のキー: まだ破綻が起きていないフレームに肩Pを初期状態で登録。
二つ目のキー: 破綻が起きたところで肩Pを使い修正してから登録。
三つ目のキー: 破綻が起きなくなったフレームに肩Pを初期状態で登録。
肩Pの良いところは肩だけを動かし腕以下に影響を与えないところです。
なので「肩を上げたら腕の位置まで変わった」ということが起きません。
腕・肘に出た場合→腕捩りボーン、手首に出た場合→手捩りボーン
捩りボーンはX軸回転しかできません。
それ以外が出来たら第二の肘ができますからねw
上記同様3箇所にキーを登録しますが、修正ではなくX軸回転のみ負担させます。
一つ目のキー:
まだ破綻が起きていない肘(または腕・手首)と同フレームに捩りボーンを初期状態で登録。
二つ目のキー:
破綻が起きた肘(または腕・手首)と同フレームで、
肘(または腕・手首)のX軸回転の数値を調べ、捩りボーンに数値を入力。
それから肘(または腕・手首)のX軸回転の数値をゼロにしてから両方のキーを登録。
三つ目のキー: 破綻が起きなくなったフレームに捩りボーンを初期状態で登録。
※数値とか多少面倒くさいのでトレスモデルに躍らせるのを横に見つつ、
「こんな感じかな?」で合わせるのもいいと思います。
どちらの場合も「人体構造的には捩りボーンで動かすのが正しいけれど
標準ボーン縛りでモーションを作っているため標準ボーンに無理をさせた結果
破綻が起きた」わけで、正しく負荷を掛ければ破綻はぐっと減るはずです。
自分は肩Pや捩りボーンを使用しないので修正には元から入っている(もしくは
プラグインでいれた)両ボーンを使いますが、
「使用されている!」という場合は多段にするのもいいかと思います。
多段については前の記事をご参照下さい。
多段といっても複雑な構造を作るわけじゃなく、ただのボーンの複製です。
それ以上の連動とか何とかは知識として理解してても組むのは難しいんで_(:3 」∠)_
ボーンフレーム位置角度補正による修正
多段/準標準ボーンによる修正←今ここ
【多段ボーン】
多段化っていうと何か恐ろしい響きですが、ボーン入れるだけで修正が楽になる!
って言うと何か魅力的に聞こえませんか?
多段化によって格段に楽になるのが腕の修正です。
どうやって直すかのお話をする前に、
腕ボーンのデフォ角度について少々説明しておこうと思います。
モデルの腕角度はAスタンスが基本ですが(読み込んだときに腕が真横よりも下がっている)
その角度に関しては共通基準などがないのでモデルによってまちまちです。
腕を真横に伸ばした状態(Tスタンス)から30度ぐらい下がっているモデルもいれば、
50度ほど下がっているモデルもいます。
この差異によって何が起きるかというと、手の貫通や浮きです。
例えばデフォで腕の角度が浅いモデルでトレスされたモーションを、
腕の角度が深いモデルに読み込むと、腕を身体に沿って下げているところで貫通します。
逆の場合は、例えば腰に手を当てているはずなのに宙に浮いている、なんてことが起きます。
数箇所ほど貫通(浮き)がある、という程度なら個別に直したほうがいいですが、
全体的に貫通(浮き)がすごく多い場合は、
最初から使用モデルをトレスモデルに合わせて直してしまったほうが楽です。
ただしこの角度はモデルのリドミに書いていませんし、モデラーさん自身でも
元々Aスタンスでモデルを作っているためわからない、ってこともあります。
2015/7/2追記:
先日このりさんが取っていたモデラーさん向けのアンケート結果が
Togetterでまとめられていましたので参考までにリンク貼っておきます。
MMDモデルのAスタンスの角度アンケート
このようにモデルによって違いますので、
そのモーションのトレスモデルと使用モデルの腕の角度を確認する必要があります。
尚、肩は修正のために使用しないほうがいいので、下の方法で求める数値は「腕」のみです。
二体のモデルをMMDに読み込みZ軸でズラして腕の角度の差異を確認する
こちらの方法は切な顔Pのブログ(真ん中辺りの「多段化して腕の修正」のところ)
にて紹介されています。
シンプルですが、差異が小さいときは見た目ではわかりにくい&
腕の位置を合わせるのがモデルによっては難しいという難点があります。
PMDEにモデルを読み込み確認する
モデル: hana式プロイセン
① トレス元モデルを読み込む。
② PMD VIEWのところで「T」を押し、TransformViewの画面を出す。
③ 右腕でも左腕でもいいので、変形操作ウィンドウにあるボーンから腕を選択。
④ タブのところで「値指定」を選択。
⑤ Z軸のところに適当な数値を入れる。
元々のモデルがAスタンスで作られている場合はプラス値、
Tスタンスの場合はマイナス値です。
どちらだかわからない場合は両方入れてみましょう。
⑥ 「回転」を押します。TransformViewで腕が真横に伸びていたら成功です。
違っていたら「リセット」を押してから数値を適当に変えてください。
⑦ 真横に伸びたときの数値を確認します。
hanaさんのプロイセンはどうやら-40ぐらいのようです。
⑧ 使用モデルを読み込んで同じことをします。
ちなみにこちらの方法の場合は、モデルの腕の角度を変えてしまう手もあります。
エラーでたら恐いんで私はやりませんが。
上記の方法で確認が済んだら左右の腕を多段にします。
多段についてはこちらをご参照ください。
もし使用モデルに腕IKがあった場合は、
このりさんが紹介してる方法で削除してから腕補助をいれてください。
多段化したら、右腕補助1と左腕補助1ができますので0フレームでそれらのボーンを使い
ローカルZ軸回転でトレスモデルと大体同じ位置にします。
(例: トレスモデルが-30で使用モデルが-40の場合はZ軸の数値を-10にする)
それからモーションを流しこんで見てみると、大まかなところは直ります。
ただし体型の違いもあって完全には直りません。
例えば身体に近いところで腕を動かすor身体に手を付けるモーションの場合は特に。
そういった場合、私は元モーションのほうでいじってしまうのですが、
元モーションをいじるのはなんとなく恐いと思われる方は
多段プラグインで腕補助2も追加しておきましょう(多重化数を2にするだけです)。
一つ目のキー: まだ貫通(浮き)が起きていないフレームで腕補助2を初期状態で登録。
二つ目のキー: 貫通(浮き)が起きたところで腕補助2を使い修正してから登録。
三つ目のキー: 貫通(浮き)が起きなくなったフレームに腕補助2を初期状態で登録。
つまり修正したキーフレームを初期化したキーフレームで挟むわけです。
なぜ前後に初期化したキーが必要なのか?
ボーンはキーフレームからキーフレームまでの移動・回転の数値を反映して動きます。
もし修正したいフレームのキーの前に初期化したフレームがない場合は、
0フレームからじりじりと動いてしまうからです。
それでもわからない場合は、モデルを読み込み500フレーム辺りで腕を動かした上で
キー登録してから再生してみてください。
0フレームからじりじり腕が動くので、0フレームから動くという意味がわかるかと思います。
【準標準ボーン】
配布モーションに肩Pや捩りボーンを使っていないものが多いのは、
グルーブや上半身2などほかの準標準ボーンを使用しないのと同じ理由で、
もし入っていないモデルに使われた場合モーションが全く変わってしまうからです。
ただし、その分腕周りの標準ボーンに無理をさせることになります。
人体の肘も手首もX軸回転はできません。
ですが捩りボーンを使わない場合は、
X軸回転を縛ってしまうと不可能になってしまうポーズが多々あります。
例えば前に真っ直ぐ腕を伸ばし手のひらを上に向けるとか、
肘や手首にX軸回転をさせず、更に捩りボーンを使用しないとなると不可能です。
捩りボーンを使わないトレーサーはそういうポーズを取らせるとき、
人体にはできない回転負荷を腕周りの標準ボーンに掛けますが、
肩や肘、手首などの繊細なモデルに使用すると
肘が細くなったり、肩周りや手首に破綻が出たりします。
そんなときは、肩Pと腕・手捩りボーンを使用してみてください。
肩の辺りに出た場合→肩P
先ずは破綻が出たフレームを探します。
一つ目のキー: まだ破綻が起きていないフレームに肩Pを初期状態で登録。
二つ目のキー: 破綻が起きたところで肩Pを使い修正してから登録。
三つ目のキー: 破綻が起きなくなったフレームに肩Pを初期状態で登録。
肩Pの良いところは肩だけを動かし腕以下に影響を与えないところです。
なので「肩を上げたら腕の位置まで変わった」ということが起きません。
腕・肘に出た場合→腕捩りボーン、手首に出た場合→手捩りボーン
捩りボーンはX軸回転しかできません。
それ以外が出来たら第二の肘ができますからねw
上記同様3箇所にキーを登録しますが、修正ではなくX軸回転のみ負担させます。
一つ目のキー:
まだ破綻が起きていない肘(または腕・手首)と同フレームに捩りボーンを初期状態で登録。
二つ目のキー:
破綻が起きた肘(または腕・手首)と同フレームで、
肘(または腕・手首)のX軸回転の数値を調べ、捩りボーンに数値を入力。
それから肘(または腕・手首)のX軸回転の数値をゼロにしてから両方のキーを登録。
三つ目のキー: 破綻が起きなくなったフレームに捩りボーンを初期状態で登録。
※数値とか多少面倒くさいのでトレスモデルに躍らせるのを横に見つつ、
「こんな感じかな?」で合わせるのもいいと思います。
どちらの場合も「人体構造的には捩りボーンで動かすのが正しいけれど
標準ボーン縛りでモーションを作っているため標準ボーンに無理をさせた結果
破綻が起きた」わけで、正しく負荷を掛ければ破綻はぐっと減るはずです。
自分は肩Pや捩りボーンを使用しないので修正には元から入っている(もしくは
プラグインでいれた)両ボーンを使いますが、
「使用されている!」という場合は多段にするのもいいかと思います。
多段については前の記事をご参照下さい。
多段といっても複雑な構造を作るわけじゃなく、ただのボーンの複製です。
それ以上の連動とか何とかは知識として理解してても組むのは難しいんで_(:3 」∠)_
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