ダウン症の息子を連れた夫婦が飛行機のファーストクラスに乗ろうとしたところ、航空会社の職員によって搭乗を拒否された、というニュースを見た。アメリカでの出来事である。
差別や偏見をなくする教育が必要なのはその通りであるが、それがいかに難しいかは、小山田圭吾という人物をみればわかる。
雑誌『クイック・ジャパン』vol. 3号(1995年8月)にて、障害者と朝鮮人へのいじめを笑いながら話す小山田に、インタビュアーの村上清は、「全く、いちいち面白い人のいる学校だ。和光とは、一体どんな学校なのか?」とたずねる。それに答える小山田圭吾の発言。
他だったら特殊学校にいるような子が普通クラスにいたし。私立だから変わってて。僕、小学校の時からダウン症って言葉、知ってたもん。学校の裏に養護学校みたいなのがあるんですよ。町田の方の田舎だから、まだ畑とか残ってて。それで、高校の時とか、休み時間にみんなで外にタバコ吸いにいったりするじゃないですか。で、だいたいみんな行く裏山があって。
タバコ吸ってたり、ボーッとしてたりなんかするとさ、マラソンしてるんですよ、その養護学校の人が。で、ジャージ着てさ、男は紺のジャージで、女はエンジのジャージで、なんか走ってるんですよ。で、ダウン症なんですよ。
「あ、ダウン症の人が走ってんなあ」なんて言ってタバコ吸ってて。するともう一人さ、ダウン症の人が来るんだけど、ダウン症の人ってみんな同じ顔じゃないですか?
「あれ? さっきあの人通ったっけ?」なんて言ってさ(笑)。ちょっとデカかったりするんですよ、さっきの奴より。次、今度はエンジの服着たダウン症の人がトットットとか走っていって、「あれ? これ女?」とか言ったりして(笑)。最後10人とか、みんな同じ顔の奴が、デッカイのやらちっちゃいのやらがダァ〜って走って来て。「すっげー」なんて言っちゃって(笑)
(同書P65より。引用終わり)
国会議事堂を包囲し、脱原発ロックフェスに集い、勇ましく「原子力ムラ」を批判する者たちは、なぜ小山田圭吾の悪行には沈黙するのか。それは「原子力ムラ」を支える構造と同じものが、「サブカルムラ」「ロックムラ」「アートムラ」にあるからに他ならない。
私が繰り返しこうしたことを書いているのは、youtubeで「あなたならどうする? 〜スーパーの障害者差別〜」というビデオを見たからである。
このビデオの中で、目の前で障害者が差別されていても、知らないふりをする人たちが登場する。それについて、全米ダウン症協会の職員が次のように語っている。
何も言わないのは容認するのと同じことです。
「間違っている」「公平ではない」「人をこのように扱うべきではない」と繰り返し言葉にすることが大切です。
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